厚生労働省の新型コロナ専門家会合
コロナ専門家会合
「改善状況維持へ 一人一人が感染対策を」

2021年10月26日

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ新規感染者数は2020年の夏以降で最も低い水準になったとしたうえで、改善している状況を維持することが重要だとしました。

今後は、対策が緩和されて飲食の機会が増えると見込まれる中で、感染対策の認証を受けている店を選び、飲食時以外はマスクを着用することなど、改めて一人一人が感染対策の行動を取るよう呼びかけました。

専門家会合は、全国の感染状況について、新規感染者数は非常に低い水準で2020年の夏以降で最も低くなり、重症者数もことし夏と春の感染拡大前の水準以下になったとしています。

一方、多くの地域で夜間の人出の増加が続き、感染者数の減少速度の鈍化や下げ止まりが懸念されるとしていて、今後の気温の低下で屋内での活動が増えることに注意しながら、改善している状況を維持することが重要だとしました。

また、専門家会合は、ワクチンの接種が先行している諸外国で、接種を完了した人でも▽中和抗体の値の低下や、▽接種済みでも感染するブレイクスルー感染、それに▽感染の再拡大が起きているとして、対策の緩和の際には注意し、追加接種に向けた検討を進める必要があるとしています。

さらに、対策が緩和されて飲食の機会が増えることが見込まれる中で、一定のリスクの高い状況が重なると集団感染につながるおそれがあることを踏まえて、飲食の際には、感染対策の認証を受けた店を選び飲食時以外はマスクを着用することなど、改めて一人ひとりが感染対策を取るよう呼びかけています。

そして、ワクチンを接種した人を含めて、引き続き▽不織布マスクを着用することや、▽消毒、▽1つの密でも避けること、それに▽換気といった基本的な感染対策を徹底するよう求めました。

1週間の新規感染者数 前週比 全国で0.57倍

10月26日行われた厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、新規感染者数は10月25日までの1週間では前の週と比べて、全国では0.57倍と多くの地域で減少が続いています。

首都圏の1都3県では
▽東京都で0.51倍、
▽千葉県で0.52倍、
▽埼玉県で0.44倍、
▽神奈川県で0.42倍、

関西の2府1県では
▽大阪府で0.62倍、
▽京都府で0.74倍、
▽兵庫県で0.83倍、

中京圏では
▽愛知県で0.69倍、
▽岐阜県で0.71倍
▽三重県は0.75倍と減少しています。

また、
▽北海道で0.42倍、
▽広島県で0.43倍、
▽沖縄県で0.62倍と一時、増加し、下げ止まりの傾向が見られた地域でも減少しています。

一方で、
▽滋賀県では1.30倍、
▽石川県では1.24倍など、感染者数は少ないものの、6つの県で増加しています。

現在の感染状況を人口10万人当たりの直近1週間の感染者数でみると、「ステージ3」の目安の15人を超えている都道府県はなく、
最も多い▽沖縄県でも7.43人と10人を割り込み、
▽佐賀県が4.29人、
▽大阪府が4.08人、
▽兵庫県が3.11人、
▽東京都は1.49人などとなっていて、
▽全国では1.64人でした。

脇田座長「行動制限 緩和されても基本的な感染対策を」

会合のあとの記者会見で脇田隆字座長は「感染者は非常に低いレベルまで減少してきているがゼロにするのは難しい。一方、各地で行動制限が緩和されていく中で今後、感染の機会は増えていくと考えられる。行動制限が緩和されても基本的な感染対策としてマスクや手洗い、それに換気を徹底し、QRコードを使って認証店に行くことや、ワクチン接種証明を使うことなどさまざまな対策を組み合わせてみんなの力を合わせて続けていくことが重要だ。また、感染拡大を防ぐためには接触者や感染源を調査する『クラスター対策』も非常に重要だと考えている」と話していました。