厚生労働省の新型コロナ専門家会合
関西の感染者急増に伴い全国で増加率高まる

2021年4月7日

新型コロナウイルスの感染拡大の第4波が懸念される中、対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、現在の状況について関西での急増に伴って3月下旬から全国で感染者数の増加率も高まっているうえ、重症者も増加に転じているとして、重症者の増加するスピードに注意が必要だとしました。

会合では、まん延防止等重点措置が適用されている大阪府など関西や、感染の拡大傾向が続く首都圏などの状況について分析が行われ、全国の感染状況について「関西での感染者の急増に伴い、3月下旬から感染者数の増加率が高まっている」と評価しました。

そのうえで、3月下旬以降は重症者数も増加に転じていて、重症者の増加するスピードに注意が必要だとしています。

地域別に見ると、特に大阪府や兵庫県では多数の感染者が発生している中で感染力が高いとされる変異ウイルスの報告も増加していて、重症者の病床を最優先で確保することや、変異ウイルスのほかの地域への流出を防ぐためにも不要不急の外出や移動を避けるなどの対策が求められるとしています。

さらに、首都圏でも夜間に街なかに出ている人が増えていることや、変異ウイルスが検出される割合が上がってきていることなどから、大阪府や兵庫県と同様に緊急事態宣言の解除から3週間程度で感染の急速な拡大が起きる可能性もあるとして、感染状況に応じた対策を遅れることなく行い、医療提供体制を速やかに整えることが必要だとしています。

一方で、感染の急速な拡大が見られた宮城県や山形県では3月末以降、感染者数が減少に転じているとしています。

求められる対策について、専門家会合ではこれまで大きな感染拡大が無かった、大都市圏以外の地域でも、急速な増加が見られているため、検査や医療体制の確保など、新たな拡大への備えを求めています。

そして、年度替わりの人の移動による新たな感染拡大がすでに見られているとして「3密」など人が集まる機会や新年度に伴う宴会を避けることが必要だとしています。

さらに変異ウイルスに感染した人が退院する際に、検査を2回行って連続で陰性を確認するなどとしている現在の基準について、感染者が増加する中で入院期間が長くなり医療体制への負荷がかかっていることから、早急に見直しを検討することが必要だとしています。

三原厚生労働副大臣「変異株 他の地域への流出防ぐ必要」

三原厚生労働副大臣は、専門家会合の冒頭「まん延防止等重点措置が適用された宮城県では感染者数が減少に転じているが大阪府や兵庫県では、引き続き感染者数が増加している。変異株の割合も高い水準で推移しており、他の地域への流出をできるだけ防ぐ必要がある」と述べました。

また「東京都は急速な感染拡大が懸念され、患者急増時に備えた病床や宿泊療養施設の確実な確保など、スピード感を持った対応をお願いしている。厚生労働省としても、1床当たり最大1950万円の医療機関への財政支援や医療人材の確保に取り組んでいく」と述べました。