【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月21日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる21日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ空軍 “ロシア軍のミサイル4発を迎撃”

ウクライナ空軍はロシア軍がミサイル4発で攻撃を仕掛け、ウクライナ側が中部キロボフラード州と南部ヘルソン州でこれを迎撃したと21日、発表しました。

ロシア軍は20日にかけてもミサイルや無人機による攻撃を行って、4つの州で火力発電所などエネルギー関連施設が被害を受け、電力不足による市民生活への影響も懸念されています。

ルーマニア “ウクライナに「パトリオット」供与を決定”

こうした中、ウクライナに隣接し、NATO=北大西洋条約機構に加盟するルーマニアは20日、ウクライナへの支援として自国が保有する防空システム「パトリオット」1基を供与することを決定したと発表しました。

これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は動画で「ルーマニアに感謝する。本当に強力な一歩だ。地域全体により大きな安全がもたらされるだろう」と述べました。

米政府高官 “「パトリオット」「ナサムス」ミサイル 優先供与”

アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は20日、記者団に対し、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について「ロシア軍は、この数か月間、ミサイルや無人機で都市やインフラ施設への攻撃を加速させている」と指摘しました。

そのうえでウクライナの防空能力を緊急に強化する必要があるとして、防空システム「パトリオット」や「ナサムス」用のミサイルについて、各国への納入計画を見直し、ウクライナに優先して供与する方針を明らかにしました。

カービー補佐官によりますと、この見直しによってウクライナ以外の国への納入に遅れが出る見通しで、各国に状況を説明したとしています。

カービー補佐官は今後、数百発分のミサイルがウクライナに振り向けられるとしていて、納入に遅れが出る各国への影響を最小限に抑えられるよう、あらゆる努力をしていると強調しました。

ウクライナ赤十字社の幹部が来日 活動続ける難しさを訴え

来日中のウクライナ赤十字社のマキシム・ドツェンコ事務総長らは、都内で20日に開かれた会合で、ロシアの軍事侵攻によって、ウクライナでは、人口の40%が何らかの人道支援を必要としているという現状を報告しました。

また侵攻開始以来、ウクライナ赤十字社のスタッフやボランティア8人が犠牲になった上、23のオフィスが破壊されるなどしたということです。

こうした状況の中、人道支援を進める必要がある一方で、活動を続けていくことの難しさがあると訴えました。

そして、学生にできる支援は何かという質問には「ウクライナについての議論や会話を続けてほしい」と答えていました。

ドツェンコ事務総長は「支援の必要性はますます増えている。終わりが見えないなか、関心を持ち続けてもらうことが大切だ」と訴えました。

今回の会合は、日本赤十字社の関係者を対象にしたもので、参加した職員のひとりは「支援を必要としている人に向けて、活動しているパートナーとしてできることを頑張っていきたい」と話していました。