【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 欧米側を強くけん制 報復措置の構え

ロシアのプーチン大統領は、5日に行われた欧米や日本など各国の通信社の代表らとの会見で、ウクライナ侵攻についても自身の主張を展開しました。

この中でプーチン大統領は、アメリカなどがウクライナに対して、自国が供与した兵器を使ってロシア領内を攻撃することを許可したことについて「なぜ、われわれがそうした行為を行う国の機密施設を攻撃できる地域に、同様の兵器を送る権利を持たないというのか」と述べ、報復措置をとる用意があると警告しました。

ロシア領内への攻撃について、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは4日、ウクライナの議会にあたる最高会議で安全保障などを扱う委員会のチェルニエウ副委員長が、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマースを使って攻撃したと明らかにしたと伝えました。

ロシア領への攻撃をめぐっては、ウクライナのベレシチュク副首相が攻撃が行われた可能性をSNSで示唆したものの、その後、投稿を見ることができなくなっており、アメリカなどの許可を受けて実際に攻撃が行われたのかさまざまな見方が出ていました。

ノルマンディー上陸作戦から80年 フランスで記念式典

ノルマンディー上陸作戦は、第2次世界大戦中の1944年6月6日、アメリカ軍を主体とする連合軍がナチスドイツに占領されていたフランス北西部のノルマンディー地方に上陸したもので、戦況の転換点となりました。

作戦から80年となる6日、現地ではアメリカやイギリスなど各国政府が主催する一連の式典が開かれる予定で、このうち午前中に始まった式典では、イギリスのチャールズ国王やスナク首相、フランスのマクロン大統領が参加し、上陸作戦で命を落としたイギリスの兵士らに哀悼の意を示しました。

作戦が行われた海岸近くの墓地を訪れていた70代の男性は、父親がアメリカ軍の兵士として上陸作戦に参加したということで「ここに来ると戦争が人や国家にどれだけの代償をもたらすのかよくわかる。世界がまた戦争に向かわないことを祈りたい」と話していました。

バイデン大統領やゼレンスキー大統領も式典へ

現地時間の午後には、アメリカのバイデン大統領をはじめ多くの首脳が参加して記念式典が行われる予定で、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加します。

式典にあわせて各国首脳らによる会談も行われ、ウクライナ支援などについて協議する予定で、ゼレンスキー大統領としては、ロシアに対し欧米の首脳との結束を示す機会にしたい考えです。

プーチン大統領「招待されていない」不満あらわに

ノルマンディー上陸作戦の記念式典について、ロシアのプーチン大統領は5日、各国の通信社の代表との会見の中で「われわれは招待されていない。ソビエトはこれだけ多大な犠牲を払ったというのにだ」などと述べ、不満をあらわにしました。

そのうえで、式典にはウクライナのゼレンスキー大統領が招待されたことについて、プーチン大統領はゼレンスキー政権がネオナチだとする一方的な主張を改めて展開し「ナチズムとの戦いの日をどうしてこれで祝福できるというのか」と述べて、欧米側を非難しました。

ウクライナ次官 中国に「平和サミット」参加求める

ウクライナ外務省は5日、シビハ第1次官が中国の北京を訪問し、孫衛東外務次官と会談したと発表しました。

発表によりますと、ウクライナが提唱する和平案の実現に向けて、今月、スイスで開かれる国際会議「平和サミット」をめぐり「ウクライナ側は、中国が参加することにより、ウクライナで公正で永続的な和平を実現するのに実質的に貢献できるいい機会になりうるという期待を示した」としていて、中国側に対して参加を求めたことを明らかにしました。

「平和サミット」をめぐっては、ウクライナ側がロシアとの連携を強める中国に参加を求めてきたのに対し、中国外務省はロシアとウクライナの双方が会議を認めることが前提だなどとしたうえで「中国側が求める要素とは隔たりがある」として欠席する方針を明らかにしています。

今月2日には、ウクライナのゼレンスキー大統領が「中国は平和サミットに参加しないよう各国に働きかけている」などと主張し、批判していましたが、改めて中国側に参加を求めたかたちです。