【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月4日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米など供与の兵器でロシア領内攻撃か さまざまな見方も

アメリカなどが、自国供与の兵器でウクライナがロシア領内の一部の地域を攻撃することを許可する中、ウクライナ政府の高官はSNSで、ロシア領内のミサイルシステムへの攻撃を行ったことを示唆しました。

その後、この投稿は見ることができなくなっており、この情報について、さまざまな見方が出ています。

ウクライナのベレシチュク副首相は、みずからのSNSで、ロシア軍の地対空ミサイルシステムS300だとする物体が、黒煙をあげて炎上している写真とともに、「よく燃えている。ロシア領内で起きたことだ」と書き込みました。

そして、ベレシチュク副首相は、「欧米諸国の兵器がロシア領内に対する攻撃に使用することが認められてから、まもないことだ」としていて、供与された兵器を使って、ロシア領内を攻撃した可能性も示唆しました。

その後、ベレシチュク副首相の投稿は見ることができなくなっており、削除された可能性も指摘されるなど、この情報について、さまざまな見方が出ています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、6月1日か2日に、ウクライナと国境を接するロシアのベルゴロド州に設置されていたS300などがウクライナ軍によって攻撃されたとしています。

また、ロシアの国営メディアの記者は、アメリカから供与された高機動ロケット砲システム=ハイマースがベルゴロド州への攻撃に使われたと、SNSへの投稿で主張しています。

アメリカなどは、ウクライナ東部のハルキウ州の防衛強化を目的に、これまでの方針を転換して、自国が供与した兵器でウクライナによるロシア領内の一部の地域への攻撃を許可する考えを示しています。

「平和サミット」バイデン大統領は欠席の見通し

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐり、6月15日と16日、ウクライナが提唱する和平案の実現を目指す国際会議「平和サミット」がスイスで開かれる予定で、ゼレンスキー大統領はバイデン大統領に参加を求めていました。この会議についてアメリカ・ホワイトハウスは3日、アメリカを代表してハリス副大統領とサリバン大統領補佐官が出席すると発表しました。

バイデン大統領は欠席する見通しで、アメリカメディアは同じ15日にロサンゼルスで開かれる、秋の大統領選挙に向けた選挙資金集めのための会合に出席する予定だと伝えています。

ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は記者団から、ウクライナではなく、選挙資金集めの会合を優先するのかと問われたのに対し「バイデン大統領ほどウクライナを強力に支援してきたリーダーは世界にいない」と述べ、ウクライナを支援する姿勢に変わりはないという認識を示しました。

米独 供与の兵器でのロシア領内への攻撃認める

ロシア軍は5月、ウクライナ東部ハルキウ州に国境を越えて侵入し、多くの集落を掌握するなど攻勢を強めていて、地元の知事は3日、第2の都市ハルキウ郊外のレクリエーション施設がミサイル攻撃を受け、1人が死亡、2人がけがをしたと発表しました。

アメリカやドイツは、ハルキウ州の防衛強化を目的に、これまでの方針を転換して、自国が供与した兵器でウクライナがロシア領内を攻撃することを許可する考えを示しています。

これについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は2日、滑空爆弾やミサイル攻撃を撃退しハルキウを防衛するためには、防空システムの供与に加えて、欧米諸国が供与する兵器をウクライナ軍がロシア領内への攻撃に使えることが極めて重要だと指摘しました。

一方、ロシア外務省のリャプコフ次官は3日、記者団に対し、「致命的な結果を招きかねない計算違いについて、アメリカ側に警告する。彼らは自分たちが受ける反応の深刻さを過小評価している」と述べ、強く反発しています。