【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月30日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる30日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ高官 “米支援の兵器 まとまって届くには数週間”

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は29日、アメリカのメディア、ブルームバーグのインタビューに応じました。

この中で、4月に再開が決まったアメリカからの大規模な軍事支援について、一部は前線に届き始めているとした一方、まとまった規模で届くには数週間かかるとの見通しを示しました。

そして、「現時点では、ロシア軍は砲弾やミサイルなどで圧倒的に優位に立っている。彼らは前線での進軍を続けるだろう」と述べ、アメリカからの支援が十分届く前にロシア軍が攻撃を強化しているとの危機感をにじませました。

ロシア軍は30日もウクライナ第2の都市、東部ハルキウなどにミサイル攻撃を行い、地元当局によりますとこれまでに7人がけがをしているということです。

ロシア軍は5月、国境を越えてハルキウ州内に侵入し、相次いで国境周辺の集落を掌握したとするなど攻勢を強めていて、アメリカからの兵器がまとまった規模でウクライナに届くことで、戦況が変わるのかどうかが大きな焦点となっています。

スウェーデン ウクライナに対し追加の軍事支援を発表

スウェーデンは29日、ウクライナの防空能力を強化するとして、過去最大規模となる11億6000万ユーロ、日本円でおよそ2000億円の追加支援を発表しました。

今回の支援では空中や海上の標的を識別する能力をもつ早期警戒管制機も提供されるということで、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ウクライナ人の命を救うだけでなく、ヨーロッパの長期的な平和と安全を保証することにも役立つ」と強調しました。

ゼレンスキー大統領 欧州3か国を訪問 外交活動活発化

ゼレンスキー大統領はスペイン、ベルギーに続いて28日にはポルトガルを訪問し、各国との間で2国間の安全保障協定を締結するなど支援を取り付けたとして成果をアピールしました。

ウクライナ情勢を巡っては、6月中旬にイタリアでG7=主要7か国の首脳会議が開かれるほか、スイスではゼレンスキー大統領が提唱する和平案の実現に向けた国際会議も開催される予定で、これを前に、ウクライナ側は外交活動を活発化させています。

プーチン大統領はNATO諸国を威嚇・けん制

これに対し、ロシア側は5月21日から戦術核兵器の使用を想定した軍事演習を開始したほか、28日にはプーチン大統領が会見で「NATO諸国、特にヨーロッパの小国の代表は自分たちが何をもてあそんでいるのか認識しなければならない。こうした国々は領土が狭く、人口密度が非常に高い」と威嚇するなど、けん制を強めています。

米国務長官 供与兵器ロシア国内攻撃へ使用 承認可能性否定せず

ウクライナに供与した兵器をロシア国内への攻撃にも使用することを認めるべきだという声が相次ぐ中、アメリカのブリンケン国務長官は、ウクライナのロシア国内への攻撃は奨励しないとしつつも、これまでも戦況の変化に応じて対応してきたとして、承認する可能性を否定しませんでした。

ロシア軍はウクライナ東部のハルキウ州への攻勢を強めていて、欧米ではウクライナに供与した兵器をロシア国内での攻撃に使用することを認めるべきだという声が相次いでいます。

これについてアメリカのブリンケン国務長官は29日、訪問先のモルドバで行った記者会見で「われわれはウクライナ国外への攻撃を認めたり、奨励したりしていない。ウクライナは自国を防衛する最善の方法についてみずから決めなければならない」と述べました。

その一方でブリンケン長官は「あらゆる段階で必要に応じて適応し調整してきた。常に耳を傾けているし、ウクライナが効果的に防衛し続けることができるために何が必要か判断している。そしてこれからもそうしていく」と述べ、これまでも戦況の変化に応じて対応してきたとしてウクライナに供与した兵器をロシア国内への攻撃に使用することを承認する可能性は否定しませんでした。