【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月21日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる21日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 “ ロシアがハルキウ州攻撃も状況は制御”

ロシア軍はウクライナ東部ハルキウ州で攻撃を続け、ハルキウ州の副知事は20日、国境に近いボフチャンシクについて、「敵は街からウクライナ軍を追い出そうとしている。街の60%は今もウクライナが確保しているが、ロシアは攻撃をやめていない」と述べ、激しい戦闘が続いていると明らかにしました。

また、ハルキウ州の知事は21日、ロシア軍が無人機などで攻撃を仕掛け、少なくとも7人がけがをしたと発表するなど被害がでています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、ロイター通信のインタビューで、ハルキウ州の戦況を巡り「率直なところ状況は制御されている。1週間前はもっと困難だった」と述べ、防衛を強化し、ロシア軍を撃退していると強調しました。

一方で、「ハルキウ方面でロシア軍の進撃が行われたことで、戦場の状況は非常に複雑だ。ドンバス地域で非常に強力な攻撃の波が起きている」と述べ、東部のドネツク州などでロシア軍の攻勢が強まっていると懸念を示しました。

またゼレンスキー大統領は、「ロシア軍はウクライナ領内で300機の航空機を使っていて、空で反撃するためには、われわれは少なくとも120、130機が必要だ」と述べるなど、欧米側の速やかな支援を訴えました。

プーチン政権 “ゼレンスキー大統領の正当性に問題” 主張か

ウクライナではことし3月に予定された大統領選挙が、軍事侵攻を受けて出された戒厳令で見送られていて、ゼレンスキー大統領の任期も継続されています。

これに関連してロシアの対外情報庁は20日、ウクライナでゼレンスキー大統領の支持率が低下していると主張し「ウクライナの大統領は自分の立場がぜい弱だと感じている。20日の任期満了を前に『信頼できない者』を必死に排除しようとしている」などとする声明を発表しました。

プーチン政権は、ゼレンスキー大統領の正当性に問題があるとする主張を強めています。

これに対し、ウクライナでは、地元の調査会社「キーウ国際社会学研究所」のことし2月の調査で、市民の69%が戒厳令が終わるまでゼレンスキー大統領は留任すべきだとしています。

政府の「偽情報対策センター」は20日、SNSに「ロシアは国際社会からの支援を弱め、国の防衛力を低下させるために、ウクライナで政治危機を引き起こすことを望んでいる」と投稿し、ロシアが流す偽情報にだまされないよう呼びかけました。

ウクライナでは20日も東部を中心に激しい戦闘があり、ロシア国防省は、おととし9月にウクライナ軍が一度奪還した東部ルハンシク州の集落ビロホリウカを掌握したと発表しました。

一方、ウクライナ軍はSNSで「敵の攻撃を撃退した」としてこれを否定しています。