【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月6日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる6日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米大統領補佐官「当面はロシア軍の進軍が続く」

ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強めるなか、アメリカ政府は先月、600億ドルあまり、日本円で9兆3000億円を超えるウクライナヘの追加支援を決め、滞っていた武器や装備品などの軍事支援が再開することになりました。

経済紙「フィナンシャル・タイムズ」によりますと、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は4日、首都ワシントンで行われたイベントで軍事支援の効果について「当面はロシア軍の進軍が続く。スイッチを切り替えるようにはいかない」と指摘しました。

その上で「ウクライナが前線を防衛し、ロシア側の攻撃に耐えることを確かなものにする」として、ことしいっぱいはウクライナは防衛に力を入れることになるという見通しを示しました。そして来年について「ロシアが奪った領土を取り戻すために前進するだろう」と述べ、ウクライナが反転攻勢に転じるとしています。

一方でアメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「アメリカ政府高官は来年の反転攻勢を支持する意向を示しているが、われわれはできるだけ早く主導権を握るべきだと評価している」として、ことしロシアの進軍を許せばロシアが有利になると指摘しています。

モスクワ 9日の第2次世界大戦の戦勝記念日を前にリハーサル

ウクライナへの軍事侵攻を続けるなか、市民からはウクライナでの勝利を期待する声が聞かれました。ロシアで5月9日の「戦勝記念日」は、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝う最も重要な祝日の1つです。

大戦中、旧ソビエトでは2600万人以上の兵士と市民が死亡したとされ、プーチン政権は、戦勝記念日に合わせて各地で軍事パレードを行い、国民の愛国心を高め結束を図る機会としてきました。

モスクワでは5日、軍事パレードのリハーサルが行われ、厳しい交通規制が敷かれる中、多くの軍事車両が、記念式典の会場となる中心部の「赤の広場」に向けて列になって進んでいきました。

ことしのパレードはロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めてから3度目で、ロシア国防省によりますと、70以上の兵器や装備とともに9000人以上の兵士が参加する予定です。

一方、例年パレードのあとに行われていた大戦で戦った家族などの遺影を掲げて市民が行進する催しは、安全上の懸念を理由に2年連続で中止が決まっています。

ウクライナではこのところ東部を中心にロシア軍が攻勢を強めていて、モスクワの市民からは「世界のほかの国々は、ロシアがいずれにしても勝利することを理解している」とか「もちろんロシアが勝利し、兵士たちに無事に帰ってきてほしい。兵士たちの母親や妻たちを心から支持したい」などという声が聞かれました。一方「この戦いは第2次世界大戦ではない。勝っても負けても誇りに思うことは何もない」と話す人もいました。