【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月5日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ正教会の復活祭 平和願い祈りささげる

キリスト教のウクライナ正教会では、ことしは5日がキリストの復活を祝う復活祭にあたり、ロシアによる軍事侵攻が続く中、首都キーウでは大勢の市民が教会を訪れ、平和を願って祈りをささげていました。

このうちキーウ市内のネオパリマ・クピナ教会には、復活祭に欠かせない、伝統のケーキや鮮やかに色づけされた卵を入れたバスケットを手に、5日朝から多くの人たちが訪れました。

訪れた人たちは教会の周りに並び、聖職者から「聖水」をかけてもらって食べ物を清めたあと、教会の中でろうそくに火をともして祈りをささげていました。

ロシアによる軍事侵攻が続く中、ウクライナ当局は、人々が集まるところに攻撃が仕掛けられる可能性があるとして、教会周辺に兵士や警察官を配置して警戒にあたっていました。

2年前に長男が戦死したという63歳の女性は「戦争が一刻も早く終わり、兵士たちが家に帰り、家族と抱擁を交わすことを願っています」と話していました。28歳の男性は「この日は国にとって大切な日です。人々をより団結させ、士気を高めます」と話していました。

またゼレンスキー大統領は復活祭にあわせてメッセージを出し「聖書は隣人を愛することを教えている。私たちは互いを守りあう」としたうえで、「かつての隣人は私たちにとって永遠に遠い存在となった」とロシアを改めて非難し、国民に団結を呼びかけました。

ロシア “ゼレンスキー大統領ら 指名手配リストに追加”

ウクライナ軍は5日、ロシア軍との間で過去24時間に95回の戦闘があったと発表し、ロシアはウクライナ東部ドネツク州などで攻勢を強めています。

こうしたなか、ロシア内務省は、ウクライナのゼレンスキー大統領と、2014年から5年にわたり大統領を務めたポロシェンコ前大統領、それにウクライナ陸軍のパブリュク司令官を、指名手配のリストに追加したと、4日、明らかにしました。

ロシアの刑法に違反したと主張していますが、具体的な容疑は示していません。

これについて、ウクライナ外務省は4日、声明を発表し、ロシアのプーチン大統領にはICC=国際刑事裁判所から戦争犯罪の疑いで逮捕状が出されていることに触れたうえで、「ロシアがプロパガンダに躍起になっていることを示すものだ」としています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、ロシア側の対応について「欧米寄りのウクライナ政府の信頼性を傷つけ、外交的に孤立させようとするもので、情報操作の試みの可能性が高い」と分析しています。

ハルキウ市長 “ロシア軍の攻撃で火災 子どもなど4人けが”

ロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強める中、ウクライナ第2の都市、東部ハルキウ市の市長は4日、ロシア軍による無人機攻撃で大規模な火災が発生し、子どもを含む4人がけがをしたとSNSに投稿しました。

英国防省 “ロシア軍 死傷した兵士46万5000人に”

イギリス国防省は4日、ロシア軍が失った兵力について、先月は1日あたりおよそ900人の兵士が死傷し、侵攻開始以降では死傷した兵士が46万5000人に上ると分析しました。

その上で「ロシアは軍を質より量に頼る消耗戦に完全に適応させたとみられ、この兵力数への依存は戦争の間、ほぼ間違いなく続くだろう」としています。

“ウクライナ司令官 ロシア軍 支配地域に兵士約51万人駐留”英紙

ウクライナ陸軍のパブリュク司令官は、2日付けのイギリスのタイムズ紙のインタビューで、ロシア軍は支配地域におよそ51万人の兵士を駐留させているとみられ、6月から7月にかけて10万人、年末にかけてさらに30万人近くの兵士を動員するのではないかという見方を示しました。

その上で、ロシアは東部ドネツク州とルハンシク州の年内の完全掌握を目標に据えているとしたほか、この夏の攻勢ではハルキウ市の掌握を計画している可能性に触れ、欧米諸国の軍事供与がいっそう重要になるという認識を示しました。