競泳 池江璃花子など パリ五輪 代表内定選手が練習公開

パリオリンピックの競泳の日本代表に内定した選手たちの練習が報道陣に公開され、3大会連続のオリンピックとなる池江璃花子選手は「『池江が世界に戻ってきた』と思ってもらえるような選手になってパリに向かいたい」と決意を示しました。

日本水泳連盟は3月24日まで行われた競泳の代表選考の大会結果に基づいて、パリオリンピックの日本代表の内定選手27人を決め、30日東京 北区のナショナルトレーニングセンターでの練習を報道陣に公開しました。

今回の日本代表は若手とベテランが融合した顔ぶれとなり、30日は3つのチームに分かれてリレーが行われるなど、リラックスした雰囲気で練習に取り組んでいました。

池江璃花子「まだ正直 実感がわいていない」

このうち、女子100メートルバタフライでリオデジャネイロ大会以来となる個人種目での代表内定となった池江選手は、オリンピック本番に向け、レース後半の持久力やスタートのスピードなどを強化していきたいとしています。

池江選手は代表選考の大会を振り返り「100メートルバタフライの決勝で、タイムがそれまでより上がらなかったことと、2位だったというところはすごく悔しい部分だ。代表に内定してほっとした気持ちではあるが、まだ正直、実感がわいていない。これからハードな練習をしていけば、自分がパリオリンピックの代表になったという自覚がわいてくると思う」と話しました。

去年の秋からオーストラリアを拠点とし、精神面が上向いたということで「改めてすごく水泳が好きだなと思わせてくれた。環境を思い切って変えてみることも自分にとっては必要だったんだなと思う」と自身の変化を語りました。

そしてパリオリンピックでは決勝進出とリオデジャネイロ大会での自身のタイムを切ることを目標に掲げ「ことしこそは『池江が世界に戻ってきた』、『強かったな』と思ってもらえるような『去年とまったく違う』と思ってもらえるような、そういう選手になってパリに向かいたい」と決意を示しました。

本多灯「今までやってきたことを整理し 金取りたい」

男子200メートルバタフライで代表に内定した、この種目の東京オリンピックの銀メダリスト、本多灯選手は左足首を痛めながら臨んだ代表選考の大会について「苦しんだり悩んだり、どうしようかなと思っていた部分があったぶん、内定を決められたことは本当にうれしかった」と改めて喜びを語りました。

その一方で、大学の後輩の寺門弦輝選手に敗れて2位だったことについて「この種目では東京オリンピック以降、初めて国内で負けたのですごく悔しかった。今まで結果を出した大会は自分の中で目標がはっきりとあったが、今回は選考会を乗り切るという気持ちで臨んでしまった。負けて気づくことができたのでこれをチャンスだと思いたい」と敗戦を糧とすることを誓いました。

そしてパリオリンピックへ向け「東京大会のときは何も知らず、『イケイケドンドン』という感じだったが、3年たって、学ぶことも悩むことも考えることも多かった。自分らしく笑顔で勢いよくレースはするが、今までやってきたことをもう1度整理して、金メダルを取りたい」と話していました。

鈴木聡美「どれだけ自分の限界に挑戦できるかチャレンジ」

女子100メートル平泳ぎと200メートル平泳ぎの2種目で代表に内定した、33歳の鈴木聡美選手は2大会ぶり3回目のオリンピックへ向け「改めてフレッシュな気持ちでいる。年齢のことをあげればきりがないが、どれだけ自分の限界に挑戦できるかということにチャレンジしてみたいなという楽しみが今は強い。目標は変わらず自己記録の更新を目指して、自分の道を突き進んでいきたい」と意気込みを示しました。

代表選考の大会の100メートル平泳ぎでは、日本記録保持者のライバルでともに代表に内定した青木玲緒樹選手に競り勝って優勝し「私の原動力になっているのは青木選手で、非常に大きな存在だ。一緒に表彰台をねらえるところまできていると思うので、お互い気負うことなく自分のレースをしていきたい」と話しました。

一方、高校生など多くの若い選手が代表メンバーに入ったことについて「緊張している表情も見えるが、チームが明るく、なおかつ初々しさもある。立場的には見守る姿勢で、みんなには伸び伸びとオリンピックに楽しく挑戦してほしい」と背中を押していました。

キャプテンは水沼尚輝に 男子100mバタフライ

パリオリンピックの競泳の日本代表のキャプテンを、男子100メートルバタフライで内定した27歳の水沼尚輝選手が務めることが決まりました。

栃木県出身で、現在は新潟県を拠点に練習を積む水沼選手は、おととしの世界選手権で銀メダルを獲得した実績があり、東京大会に続く2大会連続のオリンピックの切符をつかみました。

水沼選手は「これまでの自分の経験を生かしながらやっていきたい。みんなの背中を上手に押してあげるイメージで動いていこうと思う。若手の選手も多いので、しっかりコミュニケーションを取り、居心地のいいチームにしたい」とコメントしています。

また副キャプテンには、男子200メートル自由形と100メートルバタフライで代表に内定した、同じく27歳の松元克央選手が選ばれました。