「やっぞ(やるよ)!能登町」元気が出るように【被災地の声】

「能登町では、みんなで気合を入れる時に、“わっちゃ、やっぞ!”『みんなやるよ』って言う掛け声をかけるんです」

自宅が被災し、避難生活中の女性です。

被災した町をなんとか元気づけようと、ロゴマークを作りました。

「能登町を忘れて欲しくないと思って。能登町の灯を消さないようにという願いです」

能登町 自宅が被災し避難生活中に

ロゴマークは、能登町で避難生活を続ける池崎万優さん(30)が作りました。

池崎さん
「ずっと、ずっと、能登町を守り続けてくれるようにという願いがこもっています。能登町が震災で落ち込んでしまったのが目に見えてわかったので、能登町を1つにしたいって思って」

池崎さんは、京都の大学で日本画を学んだのちに3年前に地元に戻り、グラフィックデザイナーとして活躍しています。

元日、地震が起きたときは自宅にいました。

激しい揺れで自宅が被災、仕事道具のパソコンを抱えて避難しました。

避難所生活が続く中、日中は炊き出しなどのボランティアをして過ごしています。

仕事を再開すべきか悩んでいるときに声をかけてくれたのは、町役場で地域おこしを担当する部署の課長でした。

取り組んだのは、デザイナーとしての力を生かして、復興のシンボルとなるロゴマーク作りです。

地元の祭りの「力強さ」を

池崎さんがイメージの基本に据えたのは、能登町の地元の祭りの力強さです。

「やっぞ!!能登町」のキャッチフレーズは、祭りのかけ声から着想を得ました。

「能登町では、みんなで気合を入れる時に、“わっちゃ、やっぞ!”『みんなやるよ』っていう掛け声をかけるんです」

イラストの中心に据えたのは“がっちり”固い握手です。

「被災地を応援するときによく使われる『頑張ろう○○』とかって、優しい感じの握手じゃないですか。でも能登町は“がっちり”っていう感じが合うなと思ったので、力強くしました」

「能登町を忘れてほしくない」

そして、真っ赤に塗った能登町の地図を重ねています。

「能登町を忘れてほしくない。珠洲とか輪島は被害が大きくて、報道にも多く取り上げられているんですけど、能登町を忘れて欲しくないなって思ったので。赤くしたのは、私の地元に「あばれ祭」っていう有名なお祭りがあって、そこに欠かせない“松明”をイメージしたんです。情熱とか、そういう意味も込めて、能登町の灯を消さないようにという願いです」

(※「あばれ祭」についての記事はこちらです↓)

このデザインをもとに、知り合いから紹介を受けた愛知県の企業が、車などに貼れるマグネットを無償で作ってくれました。

池崎さんは町内の友人に配るなどして車に貼ってもらい、復興に向けて頑張っているというメッセージを伝え、能登町を盛り上げようとしています。

「本当に一瞬で過ぎた1ヶ月で、何をしてたかわからないくらい混乱もしているのも正直なところです。今は復旧に力を入れつつ、みんなが元気が出るように、落ち込んだ街を盛り上げられるように、デザインの力を使って復興の手助けをしたいと思っています」

※避難生活での困りごとや悩みごと、相談できずに困っていることなど含めて、こちらの「ニュースポスト」へ情報をお待ちしています。

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