【全校紹介】高校野球 センバツ出場32校 チームの特徴は?

ことし3月に甲子園球場で開かれる第96回センバツ高校野球。出場32校が決まりました。各学校の所在地や歴史、チームの特徴などを紹介します。

各地区ごとに紹介していますので、目次で選んでごらんください。

《一般選考(30校)》

◇北海道(1校)

北海(北海道)3年ぶり14回目

▽所在地:札幌市豊平区
▽創立 :1885年 私立
▽学校・チームの特徴:
夏の甲子園には歴代最多となる40回出場しています。去年夏の全国高校野球に出場したメンバーが打線でチームを引っ張り、去年秋の北海道大会では4試合で33得点を挙げました。4試合のうち3試合で先発を任された1年生の松田収司投手は安定したピッチングを見せ、3年ぶりの優勝に貢献しました。主なOBに、プロ野球のヤクルトで選手として活躍し、監督も務めた若松勉さんがいます。

◇東北(3校)

青森山田(青森)8年ぶり3回目

▽所在地:青森市
▽創立 :1918年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の東北大会の決勝では、先発した背番号「10」の櫻田朔投手がノーヒットノーランを達成して8年ぶりの優勝を果たしました。エースの関浩一郎投手は準決勝で12個の三振を奪う好投を見せていて、2人のピッチャーを中心にセンバツ初勝利を目指します。また部活動が盛んな学校で野球部のほかにもサッカー部は、1月に決勝が行われた全国高校サッカー選手権で2大会ぶり4回目の優勝を果たしました。

八戸学院光星(青森)5年ぶり11回目

▽所在地:青森県八戸市
▽創立 :1956年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の東北大会の決勝で同じ青森県の青森山田に敗れましたが、甲子園夏・春連続出場を果たしました。注目は去年の夏、2年生エースとして甲子園ベスト8進出に貢献した洗平比呂投手で、東北大会では洗平投手を中心に投手陣が4試合で6失点と安定感を見せました。

学法石川(福島)

学法石川(福島)33年ぶり4回目

▽所在地:福島県石川町
▽創立 :1892年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の東北大会では、背番号「2」で4番の大栄利哉選手がすべての試合でヒットを打った一方、ピッチャーとして3試合に登板し“二刀流”の活躍を見せ、福島県3位からベスト4まで勝ち進みました。宮城の仙台育英を春夏通算19回甲子園に導いた佐々木順一朗監督が2018年に就任して以来、初めての甲子園出場です。

◇関東・東京(6校)

作新学院(栃木)2年連続12回目

▽所在地:宇都宮市
▽創立 :1885年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の明治神宮大会では準優勝しました。また、関東大会では、3試合で27得点と打線が力を発揮し7年ぶりの優勝を果たしました。エースの小川哲平投手は2試合で14イニングを投げて自責点「0」と抜群の安定感で優勝に貢献しました。センバツでどのようなピッチングを見せるのか注目です。

連覇目指す山梨学院(山梨)

山梨学院(山梨)3年連続7回目

▽所在地:甲府市
▽創立 :1956年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年のセンバツで優勝し史上4校目の大会連覇を目指します。去年秋の関東大会では、2試合を延長タイブレークで制し、粘り強く勝ち上がって準優勝を果たしました。緩急を巧みに使うピッチングが持ち味の櫻田隆誠投手に注目です。

高崎健康福祉大高崎(群馬)2年連続7回目

▽所在地:群馬県高崎市
▽創立 :1936年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の関東大会では、ともに1年生ながら140キロ台のストレートを投げる佐藤龍月投手と石垣元気投手の2人が中心となってベスト4に入りました。キャプテンの箱山遥人選手は去年のセンバツでも4番を務めていて、経験をいかしてチームを引っ張ります。

常総学院(茨城)3年ぶり11回目

▽所在地:茨城県土浦市
▽創立 :1983年 私立
▽学校・チームの特徴:
夏の甲子園には16回出場、春夏ともに優勝経験がある常連校です。去年秋の関東大会では1回戦で9得点、準々決勝で10得点と打線が力を発揮してベスト4に進出しました。原動力となったのは4番の武田勇哉選手で、準々決勝ではホームランを含む3安打4打点を挙げる活躍でチームをけん引しました。武田選手がどのようなバッティングを見せるのか注目です。

中央学院(千葉)6年ぶり2回目

▽所在地:千葉県我孫子市
▽創立 :1970年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の関東大会では1回戦で打線が10得点を挙げて8回コールド勝ちし準々決勝に進みました。投手陣は2試合で6失点と安定感がありました。春夏合わせて3回目の出場で甲子園初勝利を目指します。

関東第一(東京)8年ぶり7回目

▽所在地:東京 江戸川区
▽創立 :1925年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の東京都大会を8年ぶりに制しました。コントロールが持ち味の左投げの畠中鉄心投手と140キロ台のストレートや変化球で三振を奪っていく右投げの坂井遼投手の左右の2本柱を中心に6試合で10失点と安定していました。打線は1番の飛田優悟選手と2番の坂本慎太郎選手がけん引しました。

◇東海(3校)

豊川(愛知)10年ぶり2回目

▽所在地:愛知県豊川市
▽創立 :1928年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年の東海大会で初優勝し、明治神宮大会ではベスト4に入りました。打線が強力で、東海大会では4試合すべてで2桁安打を打ちました。注目は両親がロシア出身のモイセエフ・ニキータ選手。身長1メートル80センチを超える体格をいかしたバッティングで、東海大会では16打数10安打で打率6割2分5厘をマークしました。主なOBは、2013年のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックの日本代表で、ソフトバンクで活躍した森福允彦投手などがいます。

宇治山田商(三重)16年ぶり2回目

▽所在地:三重県伊勢市
▽創立 :1908年 県立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の三重県大会で16年ぶりに優勝し東海大会では準決勝に進みました。準決勝では明治神宮大会でベスト4に入った愛知の豊川に9回までリードしていたものの惜しくも敗れました。学校は伊勢神宮の近くにあり、野球部の選手たちは伊勢神宮の内宮前などを通るコースで行われる「お伊勢さんマラソン」で補助員を務めています。

愛工大名電(愛知)12年ぶり10回目

▽所在地:名古屋市千種区
▽創立 :1912年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の東海大会では3試合でいずれも7得点以上を挙げたつながりのある打線を持ち味に準優勝しました。エースで左腕の大泉塁翔投手は東海大会の防御率が1点台と安定感抜群の投球を見せました。主なOBには、プロ野球のオリックスや大リーグのマリナーズなどで活躍したイチローさんなどがいます。

◇北信越(3校)

星稜(石川)は去年秋の明治神宮大会で優勝

星稜(石川)2年ぶり16回目

▽所在地:金沢市
▽創立:1962年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の北信越大会に続いて明治神宮大会も制しました。プロ野球の巨人や大リーグのヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんがメンバーだった1991年以来となる32年ぶりの明治神宮大会優勝でした。ことしのチームは先発ピッチャーの層が厚く、2年生で左腕の佐宗翼投手に加えて1年生で右投げの道本想投手が明治神宮大会で先発を任されました。OBには、2019年に夏の甲子園で準優勝した時のエースで、ヤクルトの奥川恭伸投手などがいます。

敦賀気比(福井)4年連続11回目

▽所在地:福井県敦賀市
▽創立:1986年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の北信越大会では決勝で、星稜(石川)に延長10回タイブレークで0対1で敗れ準優勝でした。北信越大会では、準決勝までの3試合で19点を挙げるなど打線が強力です。すべての試合に先発した竹下海斗投手は1年生の夏から甲子園で投げているチームの大黒柱で、打者としても5番を任されました。OBには大リーグのレッドソックスで、昨シーズン打率2割8分9厘の成績を残した吉田正尚選手などがいます。

日本航空石川(石川)

日本航空石川(石川)4年ぶり3回目

▽所在地:石川県輪島市
▽創立 :2003年 私立
▽学校・チームの特徴:
1月1日の能登半島地震で震度6強を観測した輪島市にあり、パイロットや航空整備士など航空業界を目指す生徒が学んでいます。能登空港に隣接しているのが特徴です。地震の影響で学校の貯水タンクが破損して水が出なくなったほか、周辺の道路が陥没するなど通学が難しい状況になったということで、4月から在籍する生徒およそ600人が山梨県甲斐市の系列校に通う予定です。このうちセンバツ出場の可能性があった野球部は主力選手などおよそ30人が先に練習の拠点を山梨へ移し、1月19日に全体練習を再開しました。

チームは去年秋の北信越大会でベスト4に入りました。準決勝で敦賀気比(福井)に敗れたものの、3点差の7回に同点に追いついて延長に持ち込むなど粘り強さを見せていました。

◇近畿(6校)

大阪桐蔭(大阪)

大阪桐蔭(大阪)5年連続15回目

▽所在地:大阪府大東市
▽創立 :1983年 私立
▽学校・チームの特徴:
甲子園で春夏あわせて9回の優勝を誇る全国屈指の強豪です。ことしのチームは最速151キロのストレートを持ち味とする森陽樹投手など投手陣に力があります。去年秋の近畿大会は4試合で失点が4、いずれも継投で2桁の三振を奪う抜群の安定感で、史上初の3連覇を果たしました。西谷浩一監督は春夏の甲子園であげた勝利数が67で、歴代最多まであと1勝に迫っています。

京都外大西(京都)18年ぶり7回目

▽所在地:京都市右京区
▽創立 :1957年 私立
▽学校・チームの特徴:
地元では「西高」の愛称で親しまれ、2005年の夏の全国高校野球では準優勝を果たしました。去年秋の近畿大会では、エース左腕の田中遙音投手を中心に初戦を延長10回タイブレークの末に制するなど粘り強い戦いぶりが光り、準優勝を果たしました。センバツはプロ野球・中日で活躍する大野雄大投手を擁して出場した2006年以来です。

京都国際(京都)3年ぶり2回目

▽所在地:京都市東山区
▽創立 :1947年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の近畿大会で2試合連続でサヨナラ勝ちするなど接戦での勝負強さを見せてベスト4に入りました。チームの中心は、左投げのエース中崎琉生投手で、2試合連続で130球以上を1人で投げ抜いたスタミナが持ち味です。おととしは出場が決まったあと大会直前にチーム内で新型コロナウイルスの感染が広がり、出場を辞退しました。

耐久(和歌山)

耐久(和歌山)春夏通じて初

▽所在地:和歌山県湯浅町
▽創立 :1852年 県立
▽学校・チームの特徴:
江戸時代末期に人材を育成する稽古場として開かれ、170年を超える歴史がある伝統校です。去年秋の近畿大会ではエースの冷水孝輔投手が粘り強いピッチングで3試合すべてを1人で投げ抜き、初めてのベスト4に進出しました。創部120年目で春夏通じて初めての甲子園出場です。地元はしょうゆ発祥の地とされ、学校ではしょうゆづくりを学ぶ授業も行われています。

報徳学園(兵庫)2年連続23回目

▽所在地:兵庫県西宮市
▽創立 :1911年 私立
▽学校・チームの特徴:
準優勝した去年に続く2年連続のセンバツ出場です。コントロールよく投げ込むキャプテンの間木歩投手と140キロを超える力強いストレートが持ち味の今朝丸裕喜投手の2枚看板はともに去年も主力として準優勝を経験しています。4年ぶりに声を出しての応援が認められた去年は「アゲアゲホイホイ」の掛け声でおなじみの応援曲が選手たちを後押ししました。

近江(滋賀)2年ぶり7回目

▽所在地:滋賀県彦根市
▽創立 :1938年 私立
▽学校・チームの特徴:
エースの西山恒誠投手は去年秋の近畿大会の1回戦でわずか76球で完封するなどテンポのよいピッチングが特徴です。おととしは、大会直前に新型コロナウイルスの感染が広がり辞退したチームに代わって出場し、県勢初の準優勝を果たしました。サッカー部は1月に、全国高校サッカー選手権で準優勝を果たしていて、野球部の選手たちも国立競技場に応援に駆けつけていました。

◇中国(2校)

広陵(広島)3年連続27回目

▽所在地:広島市安佐南区
▽創立:1896年 私立
▽学校・チームの特徴:
センバツでは過去3回優勝し、春に強いイメージから「春の広陵」などと呼ばれています。去年秋の中国大会では、140キロ台後半の速球を持ち味とするエースの高尾響投手が準々決勝、準決勝と完投すると、決勝では1年生の堀田昂佑投手が1失点完投で勝利に貢献し、史上初の大会3連覇を果たしました。OBには、プロ野球の広島と阪神で活躍し、1492試合連続フルイニング出場の世界記録をつくった金本知憲さんなどがいます。

創志学園(岡山)7年ぶり4回目

▽所在地:岡山市北区
▽創立:2010年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の中国大会では、左右の好投手を中心に4試合でわずかに3失点と安定した戦いぶりを見せ、準優勝しました。指揮を執るのは神奈川の東海大相模高校を春夏あわせて4回の優勝に導いた門馬敬治監督で、就任2年目で初めての甲子園出場です。OBには、プロ野球・阪神の西純矢投手などがいます。

◇四国(2校)

高知(高知)3年連続21回目

▽所在地:高知市
▽創立:1899年 私立
▽学校・チームの特徴:
創立から120年以上の歴史を誇り、地元では「学園」の愛称で親しまれています。センバツではこれまでに優勝1回、準優勝1回の実績があります。去年のセンバツでも好投した辻井翔大投手や平悠真投手が投手陣を支え、去年秋の四国大会では2年ぶりの優勝を果たしました。OBには、プロ野球・阪神の森木大智投手などがいます。

阿南光(徳島)32年ぶり2回目

▽所在地:徳島県阿南市
▽創立:2018年 公立
▽学校・チームの特徴:
2018年に阿南工業と新野高校が統合されて開校しました。センバツの出場は前身の新野高校が出場した1992年以来です。去年秋は、徳島県で3位ながら四国大会で甲子園出場経験のある高校を次々と破り準優勝しました。チームの大黒柱で四国大会4試合すべてを1人で投げ抜いたエースの吉岡暖投手は最速146キロのキレのある速球や鋭く落ちるフォークボールが持ち味の本格派です。

◇九州(4校)

熊本国府(熊本)

熊本国府(熊本)春夏通じて初

▽所在地:熊本市中央区
▽創立:1941年 私立
▽学校・チームの特徴:
1994年に現在の校名に変わり翌年に男女共学となりました。去年秋の九州大会では、4試合すべてで2桁安打を記録し、準決勝で神村学園、決勝で明豊と甲子園の常連校を次々に破って創部18年目で初めての優勝を果たしました。タイプの異なる左右の投手陣の粘り強いピッチングも特徴です。

明豊(大分)3年ぶり6回目

▽所在地:大分県別府市
▽創立 :1908年 私立
▽学校・チームの特徴:
甲子園には夏も9回出場している常連校で、センバツでは前回出場した2021年に準優勝しています。去年秋の九州大会は決勝で1点に抑えられたものの、準決勝までの3試合で23点を挙げるなど、去年夏の甲子園を経験した選手を中心とした打線が強力です。主なOBに、プロ野球、ソフトバンクの今宮健太選手がいます。

神村学園(鹿児島)9年ぶり6回目

▽所在地:鹿児島県いちき串木野市
▽創立:1956年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年夏の全国高校野球でベスト4に進出したメンバーが数多く残る打線が強力です。去年秋の九州大会では、けがなどで主力が万全ではなかったもののベスト4に入りました。クラブ活動が盛んで、女子駅伝部は去年暮れの全国高校駅伝で優勝したほか、女子サッカー部や女子硬式野球部なども全国大会で優勝を経験しています。

東海大福岡(福岡)7年ぶり3回目

▽所在地:福岡県宗像市
▽創立:1966年 私立
▽学校・チームの特徴:
去年秋の九州大会では1回戦で9回2アウト、ランナーなしの場面からホームランなどで4点差を追いついて、延長タイブレークの末に勝ち上がるなど、ここぞの場面での集中打が光ります。クラブ活動も盛んで、女子バスケットボール部や柔道部なども全国大会出場の実績を残しています。

《21世紀枠(2校)》

別海(北海道)春夏通じて初

▽所在地:北海道別海町
▽創立 :1950年 道立
▽学校・チームの特徴:
北海道東部の別海町にある唯一の高校です。1日の最低気温が0度未満の冬日が半年以上あるなかで、室内練習場はなく、農業用ハウスでティーバッティングを行うなど練習を工夫してきました。去年秋の北海道大会では選手16人ながら、優勝した北海と終盤まで競り合うなどベスト4に入りました。町の人口が1万4000余りに対し、乳牛は11万8000頭余りで、8倍以上いるなど酪農が盛んで、酪農経営科の選手たちは、放課後の実習などで練習ができないこともあります。これまで春夏の甲子園に出場した高校で最も東に位置します。

田辺(和歌山)

田辺(和歌山)76年ぶり3回目

▽所在地:和歌山県田辺市
▽創立 :1896年 県立
▽学校・チームの特徴:
和歌山県南部にある伝統校です。近年は部員不足に悩まされ、ことしのチームも選手は18人ですが、指導者が時間をかけて面談を行うなど一体となって練習を工夫してきました。去年秋の和歌山県大会では、甲子園で優勝経験がある智弁和歌山に満塁ホームランで逆転勝ちするなど準優勝を果たし、近畿大会にも出場しました。「愛される野球部になろう」をモットーに、10年以上、地元の浜辺や寺の掃除を続けているほか、少年野球チームと交流するなど、さまざまな形で地域に貢献してきました。