【詳細】センバツ高校野球 被災した日本航空石川 甲子園出場へ

ことし3月に甲子園球場で開かれるセンバツ高校野球の出場校が発表され、石川県の日本航空石川高校が選ばれました。

発表を受けて涙を流す選手も。

「元気や気迫あふれるプレーを見てほしい」

選手からは大会への抱負が聞かれました。

山梨の練習拠点で見守り 涙を流す選手も

センバツにつながる去年秋の北信越大会でベスト4入りした日本航空石川高校は、能登半島地震で石川県輪島市の学校が被災したため、系列校のキャンパスがある山梨県に練習拠点を移しています。

26日は選手などが山梨キャンパスに集まり、センバツ出場校を発表する選考委員会のインターネット中継を見守りました。

そして午後4時前、北信越地区の代表に選ばれたことが発表されると、大きな拍手が起こり、涙を流す選手もいました。

日本航空石川高校のセンバツへの出場は4年ぶり3回目です。

センバツ高校野球は、ことし8月に開場から100周年を迎える甲子園球場で開かれる節目の大会は3月8日に組み合わせ抽せんが行われ、18日に開幕し、2日の休養日を含めて13日間の日程で行われます。

キャプテン 寳田一慧選手
今まで仲間と苦しい思いをしてきて、甲子園の舞台に立てることをうれしく思います。元気や気迫あふれるプレーを見てほしいです。

中村隆監督
よく分からずにここまで突っ走ってきたのでいろんな思いが込み上げてきました。選手たちにとって憧れの甲子園なので、思い切り全力でボールを追いかけ勝利を目指してもらいたいです。

学校関係者「思いっきり暴れてきて」

石川県輪島市の日本航空石川高校では、学校関係者から喜びの声が聞かれました。

輪島市の学校ではきょう青木洋介校長や教員合わせて7人が集まってセンバツ出場校を発表する選考委員会のオンライン中継を見守り、学校の名前が読み上げられると、拍手をするなどして喜びを表しました。

このあと青木校長たちは野球部がこれまで練習してきたグラウンドの近くに移動し、山梨県にいる部員たちにオンラインの通話で「学校は私たちが守るので甲子園で思いっきり暴れてきて下さい」と激励していました。

地元・輪島市の人々からも喜びの声

能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市では、選手たちの活躍に期待を寄せる声が聞かれました。

夫が高校に勤務しているという輪島市の50代女性
地震で心が折れそうになる中でセンバツへの出場が決まり、とてもうれしいです。出場するからにはぜひ優勝を目指してほしい

市内に住む高校1年生の女子生徒
日本航空石川高校に通っている同級生も多く野球部員の友達もいるので、出場が決まってとてもうれしいです。甲子園でも勝ち進んでほしい

市内の避難所に身を寄せている77歳の男性
出場が決まってとてもうれしいです。地震で傷ついた輪島のみんなを元気づけられるような活躍をしてほしい

OBのロッテ 角中選手「甲子園を楽しんで」

日本航空石川高校の前身、日本航空第二高校のOBで石川県七尾市出身のプロ野球、ロッテの角中勝也選手は球団を通じて「センバツ出場おめでとうございます!大変な状況ではありますが、とにかく全力プレーで甲子園を楽しんで欲しいと思います。ご活躍を期待しています!」とコメントしました。

OBのオリックス 内藤選手「元気な姿を被災地に」

日本航空石川高校出身で、オリックスの内藤鵬選手は、「甲子園出場おめでとうございます。被災された選手もいると思いますが、甲子園で元気な姿を被災地の方々に届けましょう!僕も全力プレーで頑張ります。お互い頑張りましょう!」とコメントしています。

高野連会長「苦境の中だが 国民の元気づけになるプレーを」

日本高校野球連盟の寶 馨会長は選考委員会のあと記者会見を開き、日本航空石川高校と同じ石川県の星稜高校に対して、「学校自体が被災したり、家族や親せき、知り合いが被災したりして苦境のなかではあるが、精一杯頑張って、はつらつと国民の皆さんの元気づけとなるようなプレーができるように努めてもらいたい」と期待を述べました。