全国高校駅伝 来年から出場校「58」に 留学生の起用に制限も

高校生ランナーが冬の京都でたすきをつなぐ「全国高校駅伝」で、来年の大会からは男女ともに各都道府県の予選を勝ち抜いた47校に地区代表の11校を加えた58校が出場することが決まりました。

また、海外からの留学生が出場できる区間の見直しも行われ、来年からは最も距離が短い、3キロ区間に限られることになりました。

これは日本陸上競技連盟や高体連=全国高等学校体育連盟など、主催団体が集まって開かれた全国高校駅伝の実行委員会で決まりました。

全国高校駅伝男子 今大会は47校

全国高校駅伝ではこれまで男女ともに各都道府県の予選を勝ち抜いた47校が出場し、5年ごとの節目の記念大会では地区代表の11校を加えた58校が出場していました。一方で、予選に参加する高校が年々減少し、特定の高校が全国大会に出場するケースが多くなっていました。

実行委員会では、そのほかの高校にも全国大会への出場機会を広げようと検討を重ねた結果、来年の大会からは毎年、男女ともに58校が出場することを正式に決めました。

また、海外からの留学生が出場できる区間の見直しも行われ、これまでは1区をのぞく区間で1人だけ走ることができると規定されていましたが、来年からは最も距離が短い、3キロ区間に限られ、男子は2区か5区、女子は3区か4区で1人走ることができると変更されました。

《留学生 出場できる区間の見直しについて》

海外からの留学生が出場できる区間の見直しが行われることについて、今大会に参加したチームの監督からはさまざまな意見が聞かれました。

神村学園アンカー 留学生のカリバ・カロライン選手

【女子で優勝/神村学園 有川監督】
女子で最終5区、ケニアからの留学生を起用し、優勝した鹿児島の神村学園の有川哲蔵監督は「ルールにあわせたチームづくりをしていくだけです。留学生のトレーニングがスピードを中心としたものになり、3000メートルより1500メートルの強化が主体になると思います」と話しました。

その一方で「多様性と言われる時代と逆行するのではないか。日本のトップ選手も外国選手と一緒に練習する選手が増えていて、留学生が日本選手の強化につながる側面もあり、制限はどうかなと思います」とも話していました。

佐久長聖 “留学生なし”で大会新記録で優勝

【留学生なしで男子優勝/佐久長聖 高見澤監督】
今大会の男子で優勝した長野の佐久長聖高校は、創部当初から海外からの留学生を受け入れておらず、高見澤勝監督は「留学生との力の差は非常に大きく、近年の大会はその影響も大きかったと思います。高校駅伝は実業団や大学の駅伝と比べて留学生が走る割合が多いと感じていたので、ほかと同じくらいの水準になったのではないか」と話しました。

そのうえで「私たちは留学生がいる学校に対し、個人種目では勝てないかもしれませんが、駅伝はチーム力の勝負なので勝てる可能性があると考えてチームづくりをして優勝しました。一概に留学生の影響があると言えないのではないかと思います」と話していました。