全国高校駅伝 女子【詳しく】神村学園 5年ぶり2回目の優勝

5年ぶり2回目の優勝を果たした鹿児島の神村学園の有川哲蔵監督は「ここまでの接戦は想定していなかった。トップに届くかどうか心配だったが、5区のカリバ・カロライン選手の勢いのある走りを見て『これは行ける』と確信した。また、メンバーには『たすきを渡すまで1秒1秒がんばろう』と伝えていたが、全員がそのとおりに走ってくれた。最後のトラックで勝てた瞬間は夢のようだった」と笑顔を見せました。

神村学園の4区を走り、5人を抜いて3位まで順位を上げアンカーにつないだ小倉陽菜選手は「5区にたすきを渡すときの最低ラインが1分だったので、1分20秒で少し諦めた部分もあったが、最後の最後まで力を振り絞ってたすきを渡してよかったです。アンカーのカリバ先輩がいなければ、この結果はなかったので本当に偉大な存在です」と話していました。

2位に入った宮城の仙台育英、釜石慶太監督は最後のトラック勝負で逆転され、1秒差で敗れたレース展開について「4区までに想定以上の差をつけることができて優勝を確信していましたが、カリバ選手の勢いが違いすぎました。相手を褒めるしかないです」と悔しそうに振り返りました。そして「うちのメンバーにミスは見当たらないですし、5人ともよく走ってくれました。この1秒の重みを感じて次に向けて頑張りたいです」と今後を見据えていました。

アンカーを務めたケニアからの留学生のカリバ・カロライン選手は、ことしの全国高校総体では、1500メートルと3000メートルの2種目で連覇を達成。“歴代最強”と呼ばれる留学生です。

それでも、カリバ選手は、残り2キロで立命館宇治を抜いて2位に。そして、トップの仙台育英を追って迎えた残り1キロほどで沿道から声援が聞こえたと言います。

『シンシアのために頑張れ』。

「これが頭に入って力が入った」というカリバ選手。勢いのある走りで先頭を走る仙台育英との差をじわじわと縮めました。そして、トラック勝負。フィニッシュ直前の残り100メートルで先頭に立って逆転。ゴール後は、立ち上がれなくなるぐらいの激走でした。

▽1位.神村学園 (鹿児島)1:07:28
▽2位.仙台育英 (宮城)1:07:29
▽3位.立命館宇治 (京都)1:08:16

▽4位.大阪薫英女 (大阪)1:08:52
▽5位.長野東 (長野)1:08:52
▽6位.須磨学園 (兵庫)1:09:16
▽7位.筑紫女学園 (北九州)1:09:16
▽8位.青森山田 (青森)1:09:17

▽9位.銀河学院 (中国)1:09:20
▽10位.豊田大谷 (東海)1:09:52
▽11位.世羅 (広島)1:10:15
▽12位.宇都宮文星女 (栃木)1:10:18
▽13位.錦城学園 (東京)1:10:20
▽14位.白鵬女子 (神奈川)1:10:22
▽15位.埼玉栄 (埼玉)1:10:24
▽16位.学法石川 (福島)1:10:39
▽17位.大分東明 (大分)1:10:45
▽18位.市立船橋 (千葉)1:10:48
▽19位.新潟明訓 (新潟)1:10:53
▽20位.西京 (山口)1:11:00

▽21位.茨城キリスト (茨城)1:11:02
▽22位.諫早 (長崎)1:11:04
▽23位.豊川 (愛知)1:11:08
▽24位.東海大相模 (南関東)1:11:09
▽25位.旭川龍谷 (北海道)1:11:11
▽26位.山田 (高知)1:11:11
▽27位.小林 (宮崎)1:11:13
▽28位.興譲館 (岡山)1:11:30
▽29位.和歌山北 (和歌山)1:11:30
▽30位.浜松市立 (静岡)1:11:42

▽31位.ルーテル学院 (熊本)1:11:45
▽32位.北九州市立 (福岡)1:11:53
▽33位.花巻東 (岩手)1:11:55
▽34位.水城 (北関東)1:12:12
▽35位.東大阪大敬愛 (近畿)1:12:25
▽36位.智弁カレッジ (奈良)1:12:27
▽37位.比叡山 (滋賀)1:12:31
▽38位.山梨学院 (山梨)1:12:31
▽39位.鯖江 (福井)1:12:36
▽40位.鳴門 (徳島)1:13:02

▽41位.美濃加茂 (岐阜)1:13:11
▽42位.山形城北 (山形)1:13:44
▽43位.四学大香川西 (香川)1:13:49
▽44位.帝京長岡 (北信越)1:14:10
▽45位.佐賀清和 (佐賀)1:14:22
▽46位.鳥取城北 (鳥取)1:14:28
▽47位.盛岡誠桜 (東北)1:14:28
▽48位.北山 (沖縄)1:14:30
▽49位.常磐 (群馬)1:14:55
▽50位.札幌創成 (北海道)1:14:55

▽51位.千原台 (南九州)1:15:01
▽52位.益田東 (島根)1:15:03
▽53位.鈴鹿 (三重)1:15:46
▽54位.八幡浜 (愛媛)1:16:48
▽55位.富山中部 (富山)1:16:49
▽56位.高松工芸 (四国)1:17:11
▽57位.大曲 (秋田)1:17:14
▽58位.遊学館 (石川)1:17:47

【1区】奥本 菜瑠海 (3年)大分東明 (大分) 19分19秒
【2区】デイシー ジェロップ (2年) 仙台育英 (宮城) 12分40秒
【3区】芦田 和佳 (1年)立命館宇治 (京都) 9分39秒
【4区】佐藤 ゆあ (2年)立命館宇治 (京都) 9分22秒
【5区】カリバ・カロライン (3年)神村学園 (鹿児島) 14分50秒

1区の中間点となる3キロを過ぎて、先頭では、大分東明と京都の立命館宇治が争っています。その後ろから3位集団がトップを追いかけます。1区は後半、上り坂が続きます。

1区は3.5キロを過ぎて、大分東明の奥本 菜瑠海選手と立命館宇治（京都）の山本 釉未選手が抜け出しました。

▽1位.大分東明 (大分)19分19秒
▽2位.立命館宇治 (京都)19分24秒
▽3位.仙台育英 (宮城)19分30秒
▽4位.長野東 (長野)19分35秒
▽5位.ルーテル学院 (熊本)19分36秒
▽6位.銀河学院 (中国)19分37秒
▽7位.新潟明訓 (新潟)19分38秒
▽8位.大阪薫英女 (大阪)19分40秒
▽9位.筑紫女学園 (北九州)19分41秒
▽10位.須磨学園 (兵庫)19分44秒

▽1位.仙台育英 (宮城)32分10秒
▽2位.立命館宇治 (京都)32分47秒
▽3位.銀河学院 (中国)32分53秒
▽4位.長野東 (長野)32分56秒
▽5位.筑紫女学園 (北九州)33分00秒
▽6位.須磨学園 (兵庫)33分01秒
▽7位.新潟明訓 (新潟)33分03秒
▽8位.大阪薫英女 (大阪)33分03秒
▽9位.神村学園 (鹿児島)33分17秒
▽10位.埼玉栄 (埼玉)33分25秒

トップでスタートした仙台育英（宮城）の長岡 みさき 選手(2年)がトップを守り、30秒以上の差をつけたまま4区につなぎました。2位は、36秒差で地元・京都の立命館宇治。3位はさらに25秒差で中国地区代表の銀河学院。このあとの4区は3キロで争われ、なだらかな下り坂が続きます。

▽1位.仙台育英 (宮城)41分50秒
▽2位.立命館宇治 (京都)42分26秒
▽3位.銀河学院 (中国)42分51秒
▽4位.長野東 (長野)42分55秒
▽5位.筑紫女学園 (北九州)43分02秒
▽6位.大阪薫英女 (大阪)43分04秒
▽7位.須磨学園 (兵庫)43分07秒
▽8位.神村学園 (鹿児島)43分08秒
▽9位.埼玉栄 (埼玉)43分26秒
▽10位.新潟明訓 (新潟)43分26秒

▽1位.仙台育英 (宮城)51分18秒
▽2位.立命館宇治 (京都)51分48秒
▽3位.神村学園 (鹿児島)52分38秒
▽4位.銀河学院 (中国)52分38秒
▽5位.長野東 (長野)52分39秒
▽6位.大阪薫英女 (大阪)52分40秒
▽7位.筑紫女学園 (北九州)52分50秒
▽8位.須磨学園 (兵庫)53分01秒
▽9位.豊田大谷 (東海)53分18秒
▽10位.新潟明訓 (新潟)53分28秒

最終5区は中間点を過ぎて、トップは仙台育英 (宮城)です。2位は35秒差で立命館宇治 (京都)、そして3位の神村学園 (鹿児島)のエース、カリバ カロライン 選手が追い上げています。トップとの差は46秒まで詰めてきました。

女子は最終5区の残り2キロを切って、宮城の仙台育英がトップを守っています。2位は神村学園で、アンカーのカリバ・カロライン選手が3位から順位をあげ、およそ170メートル差でトップを追いかけます。3位には立命館宇治がつけています。

【仙台育英（宮城）】
仙台育英は直近6大会すべてで3位以内、このうち優勝は3回と、全国で優勝争いができるチームを毎年作り上げ、盤石なレース運びが強みです。去年のレースで最終5区を走り日本選手2位だった細川あおい選手や、3区で2位と好走した長岡みさき選手などことしは実力のある2年生がチームの中心です。

【神村学園（鹿児島）】
2018年の記念大会以来、2回目の優勝を目指す神村学園は予選で仙台育英を上回る全国トップのタイムを出してきました。注目は3000メートルの高校最高記録を持つ留学生、カリバ・カロライン選手で、去年のレースでは7位でたすきを受けると区間賞の走りで3位まで順位を押し上げました。神村学園は直近5大会すべてで3位以内と安定した成績を残していますが、ここ4大会は1区で2桁順位と出遅れていて、どの位置でアンカーを務めるカリバ選手にたすきをつなげられるかが優勝への鍵になりそうです。

この2校を追うのが関西勢です。
第1回大会から35年連続で出場している立命館宇治高校（京都）は、全国大会や近畿大会など今シーズン参加したすべての駅伝で優勝してきました。

このほか、7年ぶりの優勝をねらう大阪薫英女学院や、地区代表として初出場の東大阪大敬愛高校なども予選で好タイムを出していて、上位をねらいます。

▽1.神村学園（鹿児島）1時間7分38秒
▽2.仙台育英（宮城）1時間7分49秒
▽3.青森山田（青森）1時間9分23秒
▽4.大阪薫英女（大阪）1時間9分35秒
▽5.立命館宇治（京都）1時間10分06秒

全5区間の中でも最も長い6kmの区間。各チームとも力のあるランナーが集まる。コースのポイントは中間点付近からはじまる上り坂。特に中継所まで残り1kmでの上り坂が勝敗をわける。
◆区間最高記録：18分52秒◆
新谷 仁美 【興譲館 (岡山)】 17回 (2005年)

上りあり、下りあり、そして4つの直角カーブと、ロードレースの技術力が要求される区間。ペース配分がカギを握る。
◆区間最高記録：12分15秒◆
テレシア ムッソーニ 【世羅 (広島)】 31回 (2019年)

タスキをもらってすぐ折り返し地点に到達する、3kmの区間。ラスト500mの上り坂が勝負どころ。
◆区間最高記録：9分21秒◆
鷲見 梓沙 【豊川 (愛知)】 24回 (2012年)

3kmの区間。なだらかな下り坂が続くこの区間には、各チームのスピードランナーが集まる。スピード勝負になるこの区間には、例年400m・800mといった中距離ランナーも起用されている。
◆区間最高記録：8分59秒◆
田中 梨沙 【埼玉栄 (埼玉)】 8回 (1996年)

5kmの最終区間。西大路から五条通、そしてたけびしスタジアム京都までのコース。アンカーとしての勝負強さが大事な要素となる。
◆区間最高記録：14分37秒◆
テレシア ムッソーニ【世羅 (広島)】 32回(2020年)