【第3戦】日本シリーズ 阪神粘るも オリックス1点差逃げ切る

プロ野球の日本シリーズの第3戦が31日夜、甲子園球場で行われ、オリックスが阪神に5対4で競り勝ちました。中嶋聡監督は「死力を尽くした。全員の力がよく出た」と話しました。

これで対戦成績はオリックスの2勝1敗となりました。

記事後半では試合の詳しい経過をお伝えしています。

阪神が終盤に1点差に詰め寄るもオリックスが逃げ切り

59年ぶりに関西のチームどうしの対戦となったことしの日本シリーズは京セラドーム大阪で始まり、第1戦は阪神、第2戦はオリックスが勝ち、対戦成績を1勝1敗の五分として31日夜は、阪神の本拠地の甲子園球場に場所を移して第3戦が行われました。

試合はオリックスが1点を追う4回に4番の頓宮裕真選手のこのシリーズで両チーム初めてとなるソロホームランで同点に追いつきました。

同点ソロを打つ頓宮選手

さらに続く5回にもノーアウト一塁・三塁として8番の廣岡大志選手の内野ゴロの間に勝ち越したほか、このシリーズでまだヒットのなかった2番の宗佑磨選手の2点タイムリーツーベースヒットで4対1とリードを広げました。

2点タイムリーを打つ宗選手

投げては、先発の東晃平投手が150キロ台の力のあるストレートに加え、130キロ台の鋭く落ちるツーシームを織り交ぜながら阪神打線を5回1失点にまとめマウンドを降りました。

その後、打線が1点を加え、リードを4点としたオリックスは6回から継投に入りましたが、7回に3人目で登板した山岡泰輔投手が3失点を喫し、5対4と1点差に迫られました。

それでも、▽7回途中から8回までを4人目の宇田川優希投手、▽9回は抑えの平野佳寿投手のリリーフ陣が阪神の反撃を断ち切り、5対4で競り勝ちました。これで対戦成績は、オリックスの2勝1敗となりました。

最後の打者を三振に仕留めガッツポーズの平野投手

阪神は2回に7番の坂本誠志郎選手の内野ゴロの間に先制したほか、4点を追う7回に3番の森下翔太選手の2点タイムリーヒットなどで3点を返しましたが、あと一歩及びませんでした。

第4戦は、あす11月1日も甲子園球場で午後6時から行われます。

《第4戦 予告先発》

▽阪神:才木浩人投手
19試合 8勝5敗 防御率1.82

▽オリックス:山崎福也投手
23試合 11勝5敗 防御率3.25

※いずれもレギュラーシーズンの成績

《両チーム監督・選手談話》

◆オリックス 中嶋監督「死力を尽くした 全員の力がよく出た」

接戦を制して2勝1敗としたオリックスの中嶋聡監督は試合後のインタビューで「死力を尽くした。全員の力がよく出た試合だと思う」と振り返りました。投手陣の出来については先発の東投手を「経験は浅いが臆することなくしっかり投げた」と評価したほか、抑えの平野投手が1点リードの9回、2アウト一塁二塁のピンチを切り抜けてくれたことに「本当の意味でしびれれましたね」とほっとした様子を見せていました。

一方、打線については同点の5回に3点を奪った攻撃を「つないで、つないで、いいつなぎをしてくれた」とたたえていました。そして、31日から3日間続く甲子園球場での戦いについて聞かれると「想像以上にアウェイ感もあったがオリックスファンの声も聞こえていた。あす以降もしっかり戦いいいゲームができるように頑張ります」と話していました。

◆オリックス 宗佑磨「全然打てる気配なかったが最後は気合い」

試合後のヒーローインタビューに登場したオリックスの宗佑磨選手はこの日本シリーズで自身初のヒットとなった5回の2点タイムリーツーベースを振り返り「全然打てる気配がなかったが、最後は気合いだった。飛んだコースがよかったので、取られるか心配だったが、思い切ってたくさん走った」と笑顔で応えました。

宗選手はこの試合守備でもチームの勝利に貢献しましたが、特に6回に阪神の大山悠輔選手の鋭い当たりを止めた場面について「とても速い打球だったので、絶対に体のどこかに当てて止めてやると、それくらいの気持ちでやっていた」と話しました。

そして、「しびれる戦いになったが勝てたことは大きく、あすにつながると思う」と気を引き締めた上で、甲子園球場にかけつけたオリックスファンに「応援聞こえていますよ!あすも頑張りましょう」と呼びかけていました。

タイムリーの第3打席 6球目に伏線

宗選手は、相手を突き放す2点タイムリーツーベースヒットを打った第3打席について、追い込まれてからのストレートをレフトにファウルにした6球目に伏線があったことを明かしました。

この場面について「打球を外野に飛ばしたかったのでレフト方向にファウルを打っていかないとボールがバットに乗っていかないと思って打っていた」と自身の感覚を交え話しました。

その上でフルカウントからの8球目のストレートをとらえ、右中間深くまで運んだバッティングについて「レフト方向にファウルを打つ感覚があったから最後のストレートに反応できた。ストレートに対してコンパクトにスイングしていけばなんとかなる可能性が広がると感じていた」と振り返っていました。

◆オリックス 平野佳寿「勝てたのでホッとしている」

オリックスの抑え、平野佳寿投手は、コントロールが安定せずに2つのフォアボールを出してピンチを招きながらも最後は抑えたみずからのピッチングについて「先頭バッターにフォアボールを与えたことなど内容はよくないし、褒められたものではないが、勝てたのでホッとしている」と振り返りました。

また、ツーアウト一塁二塁の場面で迎えた阪神の4番・大山悠輔選手との勝負ではフルカウントからフォークボールを振らせて空振り三振を奪いました。この場面について「満塁にするのは嫌だったなか、大山選手は選球眼もいいバッターだったので、いいところにフォークを落とせた。あしたからも頑張りたい」と話していました。

◇阪神 岡田監督「あしたがある」

接戦を落とした阪神の岡田彰布監督は5回に1アウト一塁から相手の送りバントを先発の伊藤将司投手が二塁に悪送球し、ピンチを広げた場面について「アウトを1つ取ればよかった。ダブルプレーを取れる打球だったからしょうがない。そこは紙一重だ」と振り返りました。

一方、7回に3点を奪うなど持ち味の終盤の粘り強さを発揮した打線については「普通に攻撃できたよ。後半はな」と話しました。そのうえで「対戦成績は1つ追い越されたけど、あしたがある」と話し引き上げていきました。

【解説】復帰したばかりの頓宮 4番として結果出す

オリックスは、左足甲の骨折から復帰したばかりの頓宮裕真選手が4番に座って結果を出し、打線に好影響を与え勝利をもぎ取りました。

この試合、頓宮選手は1点を追う4回に同点ホームラン、さらに6回には先頭バッターでヒットを打って貴重な追加点のきっかけを作りました。

終わって見みれば1点差に追い上げられた試合で、この6回に奪った1点が効いていました。

今シーズンレギュラーの座をつかんだ頓宮選手は、初めての首位打者のタイトルを獲得し、ポストシーズンでの活躍が期待されていました。

ところがリーグ優勝が決まった直後の9月下旬に左足の甲を骨折

全治8週間と診断され、ポストシーズンでの出場が危ぶまれていました。

レギュラーシーズン終了後は紅白戦など練習に参加し、クライマックスシリーズのファイナルステージからベンチに入りました。

しかし、出場はわずか2打席。

日本シリーズでは第1戦に指名打者で先発出場し、第2戦で初めてヒットを打って31日夜を迎えていました。

ことし7月以来の4番で結果を出した頓宮選手は、第2打席でストレートを振り抜いてのホームランについて「特に狙い球などは考えず、体が反応した」と状態が良くなっていることを明かしました。

同点ソロを打ちナインに迎えられる頓宮選手

中嶋聡監督も「大きかった。なかなかホームランは出ないと思っていたが、ああいう形で点をとってくれるのはいいよね」とたたえていました。

主力の杉本裕太郎選手がケガで不在の中でも頓宮選手の復調が打線に勢いをもたらし、勝利をもぎとったオリックス。

このまま第4戦につなげて2年連続日本一への王手とすることが出来るか注目です。

【分析】流れ左右した5回の守りのミス

「紙一重やもん。しょうがない」

試合の流れを大きく左右した5回の守りのミスを岡田彰布監督はこう悔やみつつ、選手をかばいました。

この試合、阪神は1対1で迎えた5回。

1点を勝ち越され、なおも1アウト一塁の場面でオリックスの9番・東晃平投手が送りバント。

ここで先発の伊藤将司投手がマウンドからかけ下り、打球を捕ってすかさず二塁に投げダブルプレーを狙いました。

ところが送球はワンバウンド。

ショートの木浪聖也選手が懸命に体を伸ばしましたが捕ることができませんでした。

記録はピッチャーの悪送球でオールセーフとなり、一転、二塁一塁でピンチになりました。

その後、2番・宗佑磨選手に右中間へ2点タイムリーツーベースを打たれ突き放されました。

結果的には打線が7回に3点を奪って、1点差に迫っただけに悔やまれる場面でした。

5回の投球を終えベンチに戻る伊藤投手

伊藤投手は試合後、ボールを握り損ねたことを明かし、岡田監督は「ベンチから見ていて最後に打球が跳ねたから、ボールを握れていなかった」と推察しました。

そのうえで「強引に行ったわけではないからな。ダブルプレーを取れるバントになったわけやから。それはもう紙一重や。しょうがない」と伊藤投手をかばうように話しました。

最後は「対戦成績が1つ追い越されたけど、またあしたあるし」と前を向いて切り替えていました。

日本シリーズでは、1つのミスが試合の流れだけでなく結果にも影響を与えることを表したと言えそうです。

第2戦に続いて、シーズン中はあまり見られなかった守りのミスが出た阪神。

こうした流れを変えるには、1日の第4戦で勝利が求められます。

《試合経過》

《先発メンバー》

第3戦からは阪神の本拠地、甲子園球場が舞台のため、「指名打者制度」ではありません。

◆先攻:オリックス

1.(中)中川圭
2.(三)宗
3.(右)森
4.(一)頓宮
5.(二)ゴンザレス
6.(遊)紅林
7.(捕)若月
8.(左)廣岡
9.(投)東

◇後攻:阪神

1.(中)近本
2.(二)中野
3.(右)森下
4.(一)大山
5.(三)佐藤輝
6.(左)ノイジー
7.(捕)坂本
8.(遊)木浪
9.(投)伊藤将

18:00すぎ【試合開始】阪神タイガースジュニアの選手が始球式

日本シリーズ第3戦の始球式は阪神の佐藤輝明が所属していたこともある阪神タイガースジュニアの選手が務めました。試合は午後6時すぎにオリックスの攻撃で始まり、阪神の先発、プロ3年目の伊藤将司が自身初となる日本シリーズのマウンドで142キロの速球を投げ込みました。

【1回表】オリックス 森がヒットで出塁も無得点

阪神の先発 伊藤投手

オリックスは2アウトから3番の森がチーム初ヒットで出塁しました。続く4番の頓宮(パ・リーグ首位打者)は阪神、先発の伊藤将司の速球を打ち返しましたが、
センターフライに倒れ無得点でした。

1.中川 セカンドゴロ
2.宗 レフトフライ
3.森 センター前ヒット
4.頓宮 センターフライ
(阪神0-0オリックス)

【1回ウラ】阪神 三者凡退で初回の攻撃を終える

オリックスの先発 東投手

阪神は1番の近本が変化球にタイミングが合わず空振りの三振。2番の中野は速球、3番の森下は緩い変化球を打ち上げるなど、オリックス先発・東にテンポよく投げ込まれ三者凡退で初回の攻撃を終えました。

1.近本 空振り三振
2.中野 レフトフライ
3.森下 センターフライ
(阪神0-0オリックス)

【2回表】オリックス 三者凡退も球数投げさせる

オリックスは阪神の先発、伊藤将司の速球とチェンジアップを巧みに使ったピッチングの前に三者凡退に抑えられました。ただ、追い込まれてから簡単にはアウトにならずファウルで粘る場面もあり、2回を終えてすでに30球を投げさせています。

5.ゴンザレス ショートフライ
6.紅林 空振り三振
7.若月 ショートゴロ
(阪神0-0オリックス)

★【2回ウラ】阪神 セカンドゴロの間に1点先制

坂本選手のセカンドゴロで先制

阪神は先頭の4番・大山が追い込まれてから速球を捉えてチーム初ヒットで出塁しました。さらに6番・ノイジーが初球をライト前に運んで1アウト一塁三塁とチャンスを広げました。7番・坂本は初球にスクイズを狙ったもののこれはファウルでした。そして、6球目を打ってセカンドゴロになりましたが、その間に三塁ランナーがかえり先制点につなげました。オリックスは得点を許しましたが、坂本の当たりをセカンドのゴンザレスが好プレーで止めて失点を最小限にとどめました。

4.大山 ライト前ヒット
5.佐藤 空振り三振
6.ノイジー ライト前ヒット
7.坂本 セカンドゴロ(打点1)
8.木浪 センターへのツーベースヒット
9.伊藤 セカンドゴロ
(阪神1-0オリックス)

【3回表】オリックス この回も三者凡退

1点を先制されたオリックスは阪神の先発、伊藤将司のストライク先行のリズムのいいピッチングの前にこの回も三者凡退に抑えられました。

8.廣岡 空振り三振
9.東 セカンドゴロ
1.中川 ショートゴロ
(阪神1-0オリックス)

【3回ウラ】阪神 近本 ヒットで出塁も盗塁失敗

若月選手の好送球

2巡目に入った阪神打線は先頭の1番・近本(セ・リーグ盗塁王)がヒットで出塁すると、1アウトから盗塁を試みましたが、オリックスのキャッチャー・若月の好送球に阻まれ、チャンスを作ることはできませんでした。

1.近本 ライト前ヒット
2.中野 レフトファウルフライ(近本が二塁への盗塁失敗)
3.森下 サードゴロ
(阪神1-0オリックス)

★【4回表】オリックス HRで同点に

頓宮選手が同点ホームラン

オリックスは2アウトから4番の頓宮が4球連続でツーシームを続けられツーボールツーストライクとなった後、5球目のストレートを捉えました。これがセンターの頭上を越える同点ホームラン。オリックスはこの回までヒットわずか1本に抑えられていましたが、主軸のひと振りで追いつきました。

2.宗 レフトフライ
3.森 セカンドライナー
4.頓宮 センターへのソロホームラン
5.ゴンザレス ショートフライ
(阪神1-1オリックス)

オリックス・頓宮
「感触自体も悪くなかったですし、スタンドまで届いてくれてよかったです!なんとか早い段階で同点に追いつくことができたので、この後も頑張ります!」

【4回ウラ】阪神 三者凡退

オリックス先発の東は味方が同点に追いついた直後のマウンドで、阪神の4番・大山と5番・佐藤輝明からいずれも変化球で三振を奪いました。続く6番・ノイジーも打ち取った東は笑顔でベンチに戻りました。

4.大山 見逃し三振
5.佐藤 空振り三振
6.ノイジー ライトフライ
(阪神1-1オリックス)

★【5回表】オリックス 勝ち越し 宗のツーベースで2点加える

宗選手のタイムリーを喜ぶオリックスベンチ

オリックスはこの回先頭の6番・紅林がライト前ヒットを打って出塁すると、7番の若月もヒットで続き、スタートを切っていた一塁ランナーが三塁まで進んでチャンスを作りました。そして、廣岡のショートゴロの間に三塁ランナーがホームにかえりオリックスが勝ち越しました。このあと、相手のエラーもあってさらにチャンスを作ったオリックスは、宗のこの日本シリーズで初ヒットとなるタイムリーツーベースで2点を加えました。

6.紅林 ライト前ヒット
7.若月 センター前ヒット
8.廣岡 ショートゴロ(打点1)
9.東 ピッチャーのエラー(バント)
1.中川 セカンドフライ
2.宗 センターへのタイムリーツーベース
3.森 セカンドゴロ
(阪神1-4オリックス)

オリックス・宗
「打ったのは真っすぐです。追い込まれていたので、なんとか前に飛ばそうと思っていましたし、いいところに打球が飛んでくれてよかったです!」

【5回ウラ】阪神 チャンス作るも無得点

阪神は3点のリードを許した直後の攻撃で、8番の木浪が1アウトからヒットで出塁しました。続く9番・ピッチャー伊藤将司の代打、渡邉諒はレフトフライに打ち取られました。このあと1番・近本がフォアボールを選んでチャンスを作りましたが、2番・中野(セ・リーグ最多安打タイ)の速球を捉えた当たりはレフトフライとなり、この回は無得点でした。

7.坂本 レフトフライ
8.木浪 ライト前ヒット
9.渡邉諒(代打) レフトフライ
1.近本 フォアボール
2.中野 レフトフライ
(阪神1-4オリックス)

★【6回表】オリックス リードを広げる

犠牲フライを打つ若月選手

阪神は先発の伊藤将司に代わって2人目のブルワーがマウンドに上がりました。オリックスは先頭の4番・頓宮(前の打席で同点ソロ)のヒットとフォアボールなどで二塁三塁とすると7番・若月の犠牲フライで1点を追加しました。これでオリックスは3イニング連続の得点で、じわじわとリードを広げています。

▼阪神投手交代:伊藤将司→ブルワー
4.頓宮 レフト前ヒット
5.ゴンザレス フォアボール
6.紅林 送りバント
7.若月 レフトへの犠牲フライ
8.廣岡 センターフライ
(阪神1-5オリックス)

阪神の先発・伊藤将司
「立ち上がりも落ち着いて投げることができましたし、先制点を取ってもらったのでなんとか守り切りたいと思っていましたが、自分のミスから流れを悪くしてしまい、申し訳ないです。チームの逆転を信じて、このあとしっかり応援したいと思います」

【6回ウラ】阪神 先頭が出塁もチャンス広げられず

オリックスは先発の東に代わって2人目の小木田がマウンドに上がりました。東は5回81球を投げてヒット5本1失点と好投しました。阪神は先頭の3番・森下がヒットで出塁しましたが、続く4番・大山の鋭い当たりをオリックスのサード、宗に体を張って止められるなどチャンスを広げられませんでした。

▼オリックス投手交代:東→小木田
3.森下 ライト前ヒット
4.大山 サードゴロ
5.佐藤 センターフライ
6.ノイジー ライトフライ
(阪神1-5オリックス)

オリックスの先発・東
「初回の入りもよかったですし、思っていたよりも緊張することなく、マウンドに上がることができていました。先制点を許してしまったところは反省点ですが、その後をしっかりと切り替えて投げられたと思います。バックの守備にも助けていただきながら、なんとか粘り強く最少失点で投げ切れたところはよかったです」

【7回表】オリックス 4イニングぶりに無得点

阪神はブルワーに代わって3人目の岩貞がマウンドに上がりました。オリックスは2アウト一塁三塁とこの回もチャンスを作りましたが、途中出場の安達がレフトフライに倒れ4イニングぶりに無得点に終わりました。

▼阪神投手交代:ブルワー→岩貞
9.セデーニョ(代打) サードゴロ
1.中川 センター前ヒット
2.宗 送りバント
3.森 ライト前ヒット
4.安達 レフトフライ  
(阪神1-5オリックス)

★【7回ウラ】阪神 1点差に詰め寄る

2点タイムリーの森下選手

阪神は、この回からマウンドに上がったオリックスの3人目、山岡から先頭の7番・坂本、続く8番・木浪が連続でヒットを打ちました。さらに1番・近本がこの試合2つ目のフォアボールを選んで1アウト満塁としました。そして、2番・中野のファーストゴロの間に1点、3番・森下が変化球をはじき返し2点タイムリーヒットを打って1点差に詰め寄りました。ここでオリックスは山岡から宇田川にピッチャーを交代。阪神の4番・大山は宇田川から鋭い当たりを打ちましたが、サードの宗が反応よく巧みなグラブさばきを見せてアウトとしました。

▼オリックス投手交代:小木田→山岡
7.坂本 センター前ヒット
8.木浪 ライト前ヒット
9.糸原(代打)センターフライ
1.近本 フォアボール
2.中野 ファーストゴロ(打点1)
3.森下 ライト前に2点タイムリーヒット
▼オリックス:投手交代 山岡→宇田川
4.大山 サードゴロ
(阪神4-5オリックス)

阪神・森下
「打ったのはスライダー。変化球が良い投手なので、しっかりゾーンを上げて準備をしていました。抜けた瞬間は(近本)チカさん、なんとかかえってくれ!と思って走りました。このあと逆転できるように最後まで頑張ります!」

【8回表】オリックス 7回に続いて無得点

打線がつながり1点差に迫った阪神は岩貞に代わって4人目の石井がマウンドに上がりました。この回、オリックスは先頭の5番・ゴンザレスがヒットで出塁しましたが、続く紅林が送りバントを失敗しました。その後もランナーを進められなかったため、7回に続いて無得点となりました。

▼阪神投手交代:岩貞→石井
5.ゴンザレス センター前ヒット
6.紅林 送りバント失敗
7.若月 レフトフライ
8.廣岡 見逃し三振
(阪神4-5オリックス)

【8回ウラ】阪神 チャンス作るも同点ならず

力投する宇田川投手

オリックスは4人目の宇田川がイニングをまたいでこの回もマウンドに上がりました。阪神は6番・ノイジーが1アウトからヒットで出塁し、続く7番・坂本がバントで同点のランナー(代走・島田)を二塁に送りましたが、得点につながりませんでした。8回を終えて点差は1点のままです。

5.佐藤 空振り三振
6.ノイジー センター前ヒット
7.坂本 送りバント
8.木浪 空振り三振
(阪神4-5オリックス)

【9回表】オリックス 追加点奪えず

阪神は石井に代わって5人目の桐敷がマウンドに上がりました。8回ウラのピンチをしのいだオリックスは2アウトから2番・宗がフォアボールで出塁し中軸につなぎましたが、3番の森が空振り三振に倒れ追加点を奪えませんでした。

▼阪神投手交代:石井→岩貞
9.西野(代打) ピッチャーゴロ
1.中川 ファーストファウルフライ
2.宗 フォアボール
3.森 空振り三振
(阪神4-5オリックス)

【9回ウラ】阪神 サヨナラのランナー出すも及ばず

空振り三振を喫した大山選手

阪神は、オリックスの5人目、抑えの平野佳寿に対して、9番・代打の原口がフォアボールを選び出塁。さらに2アウトから3番・森下もフォアボールを選びました。阪神はサヨナラのランナーを出しましたが、最後は4番・大山がフルカウントから平野のフォークボールで空振り三振を喫しました。この結果、日本シリーズの第3戦はオリックスが5対4で勝って、対戦成績を2勝1敗としました。

▼オリックス投手交代:宇田川→平野
9.原口(代打) フォアボール
1.近本 セカンドゴロ
2.中野 空振り三振
3.森下 フォアボール
4.大山 空振り三振
(阪神4-5オリックス)

《試合前の動きは》

17:30頃

試合開始前にほとんどの座席埋まる

甲子園球場は、試合開始前にほとんどの座席が埋まりました。レフトスタンド後方の一角にオリックスファンの席が設けられていますが、そのほかは内野席を含めてほとんどが阪神ファンで占められています。

グッズショップに行列 球場周辺でも盛り上がり

59年ぶりの「関西対決」となったプロ野球の日本シリーズは第3戦から舞台を阪神の本拠地、甲子園球場に移して行われます。球場近くにある球団直営のグッズショップではおよそ500人が行列を作るなど試合前から盛り上がりを見せています。阪神の球団直営グッズショップ、「ALPS」は、ふだん午前10時に開店し、最長で午後11時まで営業していますが、阪神によりますと31日は午後1時半ごろには球団が日本シリーズの開催にあわせて作った両チームのマスコットキャラクターやチームのロゴが書かれた限定のコラボタオルやキーホルダーなどが売り切れたということで、グッズを入れ替えるために午後2時に一度店舗の営業を止めたということです。営業を再開した午後3時ごろには、ユニフォーム姿のファンなどおよそ500人が店舗前に長い行列を作り、開店後は思い思いの商品を手に取って購入していました。第1戦と第2戦が行われた京セラドーム大阪のグッズ売り場でもおよそ800人が並んだことから開店時間を30分早める対応を取りましたが、甲子園球場周辺でも盛り上がりをみせています。

開門前からファンが続々と

開門1時間前の午後3時ごろには球場には両チームのファンが続々と訪れ、「阪神対オリックス」と書かれた対戦表の前で記念写真を撮影したり、日本シリーズの限定グッズを買い求めたりする姿が見られました。阪神ファンの20代の男性は、「仕事の休みをとってきました。大山選手は甲子園でホームランをみせてくれると思うのでここから3連勝して、甲子園で優勝を決めて欲しいです」と話しました。オリックスファンの30代の男性は、「大差のゲームが続いているのでわずかな差でオリックスが勝つ姿がみたいです。阪神ファンが多くて応援は負けるかもしれませんが気持ちでは負けていません。甲子園で優勝を決めてもいいので3連勝してほしいです」と話していました。

16:30頃

◆オリックス 東晃平 外野でストレッチ「ワクワクしている」

オリックスの先発、東晃平投手はチームメートと談笑しながら外野でストレッチをするなどして試合に備えました。地元、兵庫県出身で子どものころから何度か甲子園球場を訪れているということで「ワクワクしている。どんな雰囲気になるか楽しみ。その雰囲気も自分の力に変えたい」と笑顔を見せていました。東選手は育成ドラフト2位で入団し、昨シーズン途中に支配下登録され、オリックスでは育成で入団した投手が日本シリーズに先発するのは初めてです。

16:00頃

◆オリックス 内野陣が土の状態を入念に確認

オリックスは試合前の練習で、ショートの紅林弘太郎選手など内野手がグラウンドの土の部分でノックを受けて、土の状態を入念に確認していました。本拠地の京セラドーム大阪は人工芝のグラウンドで、オリックスが今シーズン甲子園球場で試合をしたのはオープン戦を含めてもわずか5試合で30日の甲子園での練習でも、練習時間の半分を守備練習に割いていました。また、日本シリーズの2試合を外野で出場した野口智哉選手も内野でノックを受けていました。ここまで打率5割と好調の野口選手は内野手での登録で、レギュラーシーズンでは内野の守りに着くこともありました。紅林選手は「土のグラウンドは何が起こるかわからない。ミスが出ないよう気をつけて失点を防ぎたい」と気を引き締めていました。

14:30頃

◇阪神 岡田監督 リラックスした様子

阪神の岡田彰布監督は午後2時すぎにリラックスした様子でグラウンドに入りました。二塁ベースの後方でノックバットを片手に選手たちのバッティング練習に目を凝らしていました。第3戦から会場が甲子園球場となり、30日、「やっと普通どおりにできる」と話していた岡田監督。31日夜はどのようにタクトを振るうのか注目です。

《予告先発(成績はレギュラーシーズン》

▽阪神:伊藤将司投手
21試合 10勝5敗 防御率2.39

▽オリックス:東晃平投手
10試合 6勝0敗 防御率2.06