阪神 優勝 亡くなった横田慎太郎さんのユニフォームも胴上げ

プロ野球・阪神が14日、セ・リーグ優勝を果たし、胴上げ投手となった岩崎優投手が、ことし7月28歳で亡くなった横田慎太郎さんのユニフォームを掲げて胴上げで宙を舞いました。

阪神が優勝を決めた瞬間、選手たちは岡田監督の胴上げのためにマウンドに駆け寄りました。

この際、選手たちは、かわるがわる、鹿児島県日置市出身の横田さんが現役時代に着ていた、背番号「24」のユニフォームを高く掲げていました。

横田さんのユニフォーム背番号「24」を掲げて

さらに、抑えを務め胴上げ投手となった同期入団の岩崎投手が胴上げされる時に、このユニフォームを掲げて宙を舞いました。

横田さんの母親のまなみさんによりますと、ユニフォームは12日、同期入団の岩貞祐太投手から連絡があったため、優勝の瞬間に間に合うようにと急いで甲子園に送ったということです。

まなみさんは、日置市の自宅で、こうした様子を見守っていたということで、14日の夜、NHKの取材に対して声を震わせながら次のように話しました。

横田さんの母親 まなみさん
「一瞬、息子がユニフォームを着て舞い上がっているように見え、うれしかったです。息子もきっと、甲子園にいるのだろうなと思いました。選手たちは一番大きな舞台で勝つために一生懸命やってこられた中で、息子のことも思ってくださり、ユニフォームという形で優勝の瞬間、輪の中に入らせてもらったことは本当に感謝しかありません。息子がすばらしい方たちに囲まれて野球をやっていたんだと改めて思いました」

岩崎投手は横田さんの登場曲「栄光の架橋」で

さらに、この試合では、9回に岩崎投手がマウンドにあがった際、横田さんが現役時代に登場曲として使っていた、ゆずの「栄光の架橋」が流れ、ファンたちの大合唱に包まれました。

横田さんの母親 まなみさん
「曲を聞いたとたんに涙が出ました。ここまでやってもらえるとは思いもせず、ファンの皆さんも『栄光の架橋』を歌ってくださり、息子もすごく喜んでいると思います」

岩崎優「横田さんの分も背負って戦うと決めていた」

抑えの岩崎優投手は優勝後の記者会見で同期入団の横田慎太郎さんが登場曲として使っていたゆずの「栄光の架橋」でマウンドに上がった理由を聞かれ「亡くなられたあと横田さんの分も背負って戦うと決めていたので、そういう思いでマウンドに上がりました」と目に涙を浮かべながら話しました。