元阪神・横田慎太郎さん死去 28歳 脳腫瘍で闘病中

プロ野球・阪神の元選手で、現役時代から闘病を続けていた横田慎太郎さんが18日朝、脳腫瘍のため亡くなりました。28歳でした。

横田さんは鹿児島県出身で、鹿児島実業から2013年のドラフト2位で阪神に入団しました。

2016年

プロ3年目には開幕戦にセンターで先発出場を果たすなど、将来の中軸候補として期待されていました。

しかし、プロ4年目の春のキャンプ中に頭痛を訴えて脳腫瘍と診断され、闘病生活を送りながら実戦復帰を目指したもののかなわず、2019年に24歳で現役を引退しました。

引退セレモニー(鳴尾浜球場 2019年9月)

病気の影響で、ボールが二重に見えることもあった状態で引退試合に臨み、センターからの好返球でランナーをアウトにしたプレーは「奇跡のバックホーム」とも呼ばれ、書籍などで紹介されました。

引退後は地元の鹿児島に戻って、通院しながら自身の経験を伝える講演活動などを続けていましたが、阪神によりますと18日朝、脳腫瘍のため亡くなりました。

28歳でした。

引退セレモニー(鳴尾浜球場 2019年9月)

阪神に同期入団 梅野隆太郎「横田の想いも常に自分の中に」

横田さんと同じ、2013年のドラフトで指名を受けて入団した梅野隆太郎選手は「本当に人懐っこくて面白い弟のような後輩で、プロの世界に入って『お互い頑張っていこうな』と誓い合ってプロ野球生活がスタートして、横田といえば寮の室内練習場で毎日、毎日打ち込んでいる姿が印象的で、横田が開幕戦でプロ初スタメンになったシーズンも一緒に戦って、うれしかったり悔しかったり、いろいろな思いを共有してきた仲間なので、本当に残念という思いが1番です。横田の諦めない姿から自分もプロ野球選手として最後まで諦めずに戦い抜くという思いを強くしたし、こうして野球ができることへの感謝の思いをもって、横田の想いも常に自分の中に持ち続けて、現役生活をまっとうしていきたいです」などとコメントしています。

阪神 平田コーチ「ただただ さみしいし悔しい」

阪神の平田勝男ヘッドコーチは横田さんが引退した2019年に2軍の監督を務めていました。

平田ヘッドコーチは「訃報を聞いて、ただただ、さみしいし悔しい。横田は入団してきた時から常に全力でひたむきに野球に取り組む選手だったし、病気になってからも鳴尾浜で毎日、毎日、朝早く来て練習して、ベンチの中でも誰よりも声を出してチームを盛り上げてくれて、そういう横田の真摯に野球に取り組む姿勢、最後まで諦めない思いが、最後に『奇跡のバックホーム』を生んだと思うし、そんな横田が、こんなにも若くして逝ってしまうなんて、なんて言葉に表したらいいのかわからない。横田の意志をしっかり胸に刻んで、タイガースの中で受け継いで戦っていきたいと思います」などとコメントしています。

スカウトで担当 阪神 田中コーチ「ひたむきに頑張る子だった」

阪神の2軍の田中秀太 内野守備走塁コーチは2013年当時、担当スカウトでした。

田中コーチは「横田は誰よりもひたむきに野球を一生懸命に頑張る子でしたし、病気とも一生懸命闘って、最後まで諦めずにここまで頑張ってきたので、どうか安らかに眠ってほしいという思いです。横田の思いも背負って、横田のような常に一生懸命に取り組む野球選手を育てていきたいと思います」などとコメントしています。