NEW2018年03月29日

どこが分かれ目? 駅からの距離と地価の関係

全国的に地価の上昇が鮮明になった、ことしの地価公示。国土交通省は、今回初めて、鉄道の最寄り駅からの距離で住宅地の地価がどう変わるか、調査しました。気になるその結果とは?

地価といえばマンションの価格。東京の都心は高すぎて私の給料では手が届きませんよ。

東京23区で、去年1年間に発売されたマンションの平均価格は1戸当たり7089万円。バブル期の平成3年以来、26年ぶりの高値だったのよ。

あなたのように「価格が高すぎて手が出ない」という人の中には、都心をあきらめて、郊外で物件探しをする人が増えているみたい。

例えば、つくばエキスプレス沿線の埼玉県の八潮駅は、都心までの通勤時間がおよそ30分。駅から徒歩8分のマンションの価格は3LDKの標準的なタイプで3000万円台半ばと、アクセスのよさの割には価格が手ごろで「割安感」があると、都心で働く若い共働き世帯などを中心に、購入の申し込みが相次いでいるんだって。

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郊外の物件の場合、価格の安さは魅力ですが、都心からのアクセスや駅からの近さも外せない条件ですね。

今回の地価公示で、国土交通省が興味深いデータを出してるの。今回初めて、鉄道の最寄り駅からの距離で住宅地の地価がどう変わるか、調査したのよ。

3大都市圏では、駅から徒歩でおよそ6分、500メートルに満たない距離では平均でプラス1.7%の上昇。1キロ未満だと1.3%、1.5キロだと0.6%と、上昇幅がだんだん縮小していき、駅から2キロをすぎると、下落に転じる結果になったんだって。

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駅から2キロの距離が、地価が上がるか下がるかの分かれ目だったということですね。

駅に近くなればなるほど地価が上昇する傾向は、以前よりも強まっているようなの。駅からの距離別に、1平方メートル当たりの住宅地の平均価格を、リーマンショック直前の平成20年のデータと比較してみると、東京圏ではこんな感じ。

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当時も今と同じように地価の上昇局面だったんだけど、駅から500メートル未満の地価は、リーマン前の価格をすでに上回っている一方で、駅から離れれば離れるほど、差が広がっているの。駅から5キロメートル以上離れた地域では、いまだにリーマン前の水準の70%たらずしか、地価が回復していないのよ。

専門家の間では、地価はしばらく下がらないという見方が多いようだけど、駅からの距離による二極化の動きに注意が必要ね。