NEW2018年03月30日

オフィスの事務作業 どうしたら減らせる?

製造業などの分野では、人の代わりに作業を行うロボットの導入が進んでいますが、今、働き方改革や人手不足を背景に、オフィスの現場でもパソコンのデータ入力などの事務作業をコンピューターが行うロボット化の動きが広がっています。

“デジタル労働者” あらわる

きょうは一日中、パソコンのデータの入力作業に追われて、ヘトヘトです。この作業、何とか減らせないですかね。

そういう事務作業を減らそうと、今、多くの企業で、RPAというソフトウエアの導入の動きが進んでいるのよ。RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、オフィスの事務作業をコンピューターで自動化する技術なの。最大の特徴は、高い画像認識の技術。これまで機械では認識できなかった文字や画像などもコンピューターが識別できるようになり、人の代わりにデータを分類し、入力する作業などをしてくれるんだって。

入力を間違えると大変なんですよ。機械がやってくれると助かるなあ。

RPAは、入力のミスがなく、24時間稼働できるので、“デジタル労働者”とも言われてるの。RPAを扱うコンサルタント会社のアビームコンサルティングによると、日本ではおととしから本格的に導入が始まり、去年は1年間だけで400社以上が導入したんだって。

損害保険大手の三井住友海上では、顧客データの入力など300以上の業務にRPAを導入していて、年間で35万時間の事務作業を削減できたそうなの。日本の年間の平均労働時間は1人あたり1700時間余りだから、それに換算すると、およそ200人分の作業を省力化できたということね。

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作業を省力化できるのはいいけど、人間の仕事がコンピューターに奪われるみたいな感じもしますよね。そういう心配はないんですか?

確かに雇用が減ることを懸念する見方もあるわ。ただ、それ以上に企業の間では人手不足や働き方改革への対応が急務になっている面もある。機械でもできる単純作業は、できるだけ機械に任せて、人間にしかできない業務に力をいれていく。そうしないと、グローバル競争に勝てないという危機感もあるみたいね。

逆に言うと、ホワイトカラーの人たちにとっては、機械ではできないスキルが求められるということ。単に「わずらわしい仕事が減って楽ちんだ」とは言ってられない厳しい時代が来ていると言えるかもしれないわね。