【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月23日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる23日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

キーウ ミサイル攻撃で住宅20棟以上が迎撃の破片で被害

ウクライナでは23日朝にかけてもミサイル攻撃があり、キーウ州の当局は、迎撃された破片で住宅20棟以上が被害を受けたと発表しました。

一方、ロシア国防省は、ウクライナに近い西部の各地で、23日朝にかけてウクライナ側の無人機合わせて33機を迎撃したと発表しました。

ウクライナ軍は23日、ロシア南部クラスノダール地方にある攻撃用無人機の格納庫を破壊したと発表するなど、ウクライナ側からロシア領内への攻撃も連日行われ、攻撃の応酬が続いています。

ゼレンスキー大統領「防空システムなどの支援が必要」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、22日、ビデオ演説で「6月の初めからだけでもロシアは2400発以上の誘導爆弾を使い、このうちおよそ700発がハルキウ州を標的としていた」としたうえで「これらの爆弾を運ぶ戦闘機などを破壊するための戦力と手段を必要としている」と述べ、改めて、防空システムや射程の長いミサイルなどの支援が必要だと訴えました。

ウクライナの警察 “3人死亡 56人けが”

ウクライナの警察は、22日、東部ハルキウでロシア軍の攻撃があり、少なくとも3人が死亡、子ども2人を含む56人がけがをしたと発表しました。

発表によりますと、5階建ての集合住宅などが被害を受け、通りを歩いていた男性やバスの停留所にいた女性が死亡したということで、「複数の滑空爆弾による攻撃だという情報がある」としています。

着弾の瞬間をとらえたとする監視カメラの映像では、歩道を歩いていた人の前方で激しい炎と爆風が上がり、建物などの破片が周囲に散乱する様子が確認できます。

滑空爆弾は、爆弾に誘導装置や翼を装着してグライダーのように滑空させてより遠方にある目標を攻撃できるのが特徴で、現状では迎撃が容易ではないと指摘されています。

ウクライナの電力施設に大規模攻撃

ロシア国防省は22日「軍需産業などを支援するウクライナの電力施設に対して、集団攻撃を行った」として、ミサイルと無人機による大規模な攻撃を行ったと発表しました。

ウクライナの国営電力会社「ウクルエネルゴ」は、南部ザポリージャ州と西部リビウ州にある施設が攻撃を受けたとしていて、ロシアによるエネルギー関連施設への攻撃が相次いでいます。

ウクライナのシュミハリ首相は今月上旬、正常に稼働する火力発電所が3割にも満たないことを明らかにしていて、電力不足による市民生活への影響が懸念されています。

東部ハルキウ州 ロシアの攻撃 一部減少

アメリカの有力紙ワシントン・ポストは21日、ウクライナ側の当局者の話として、東部ハルキウ州の防衛をめぐり、アメリカから供与された兵器でロシア領内への攻撃が可能となったことで、ロシアの攻撃が一部減少したと伝えました。

ただ、ウクライナ側の当局者は「アメリカがロシア領内への砲撃を国境から100キロ以内に制限している」としていて、ロシアの軍用機の出撃拠点である主要な飛行場への攻撃は制限されているとしています。

中心都市ハルキウではロシア軍の滑空爆弾などによる攻撃で大きな被害が出ていて、現地の市長は依然としてロシアの脅威が続いているとしています。