【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月30日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる30日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ南部にロシア軍ミサイル攻撃 5人死亡23人けが

ウクライナ南部のオデーサ州で29日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、これまでに5人の死亡が確認されたほか、子どもを含む23人がけがをして病院で治療を受けています。

ウクライナ南部のオデーサ州の知事は、州内で29日、ロシア軍によるミサイル攻撃があったとSNSで明らかにしました。

30日の朝までに、5人の死亡が確認されたほか、4歳の女の子を含む23人がけがをして病院で治療を受けているということです。

州知事は、ロシア軍は殺傷能力が高いクラスター弾を搭載したミサイルを使って攻撃したとみられると指摘し、現場の映像では、黒海の海岸近くにある建物から黒い煙が大きく立ち上り、焼け焦げている状況が確認できます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、犠牲者に哀悼の意を示した上で、「迅速な支援と人々の命を守るためのタイムリーで勇気ある行動こそが私たち全員が耐えることを助ける」とSNSに投稿して、国民に結束を呼びかけました。

ウクライナ 米国と安全保障協定締結へ交渉

ウクライナ大統領府は29日、アメリカとの間で2国間の安全保障協定の締結に向けた交渉を行ったと発表しました。

現地メディアは、これまでに9か国と協定を締結したとしていて、今後、各国がどこまでウクライナを支援できるかが焦点となります。

国連安保理専門家パネル “ロシアが北朝鮮から武器調達”

北朝鮮に対する制裁の実施状況を調査してきた国連安全保障理事会の専門家パネルが、ロシアの拒否権によって任期が延長されず、30日で活動を停止することになりました。

国連の外交筋によりますと、専門家パネルは、任期が切れる直前の4月25日に、安保理に追加の報告書を提出していたことがわかりました。

報告書は、ことし1月2日にウクライナ東部のハルキウに着弾したミサイルの残骸を分析した結果、北朝鮮の弾道ミサイル「火星11型」と同じ系統だと結論づけているということです。

調査にあたっては、パネルのメンバー3人が4月19日までの3日間、ウクライナ政府の招きで首都キーウを訪れ、ミサイルの残骸について調査を行ったということです。

そして、ミサイルの発射地点は特定できないものの、仮にロシア側から発射されたものであれば、ロシアが北朝鮮から武器を調達したことになり、北朝鮮からの武器の輸入を禁じた制裁決議に違反すると指摘しています。

これに関連して、アメリカ・ホワイトハウスの高官は、ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルの供与を受け、去年12月とことし1月にウクライナに向けて発射したとみられると、指摘していました。

NATO事務総長 “ウクライナ勝利のため欧米は軍事支援加速を”

NATOのストルテンベルグ事務総長は29日、ウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会談しました。

会談後の記者会見で、ゼレンスキー大統領は、アメリカなどから約束された追加の軍事支援について「わが軍へのタイムリーな支援という点では私はまだ何も前向きなものは見ていない。物資の供与はわずかに始まっているが、これを加速させる必要がある」と述べ、支援の早期の実施を求めました。

これに対しストルテンベルグ事務総長は、軍事支援が停滞したことで、ウクライナ軍が弾薬不足となり、ロシア軍の前線での進軍を許したとの認識を示しました。

そのうえで「いま、より多くの支援が送られているところで、ウクライナの勝利のためにはまだ手遅れではない。われわれの責任は、供与すると発表された武器や弾薬を一刻も早く、実際に届けられるようにすることだ」と述べ、欧米諸国は、約束した軍事支援を速やかに実施する責任があると強調しました。

ウクライナ軍は、深刻な弾薬不足や防空システムのミサイル不足を背景に、東部の前線でロシア軍の進軍を許すなど厳しい状況が続いていて、欧米側の支援がいかに迅速に届けられるかが焦点となっています。