【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月24日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア 国防次官を収賄容疑で逮捕 国防省の綱紀粛正か

ロシアで重大事件を扱う連邦捜査委員会は23日夜、ロシア国防省のイワノフ国防次官を収賄の疑いで拘束したと発表し、モスクワの裁判所は24日、イワノフ氏は逮捕されたと明らかにしました。

ロシアのメディアによりますと、イワノフ氏は、ショイグ国防相の側近として知られ、2016年から国防次官に任命されて軍事施設の建設などを担当しました。

ウクライナへの軍事侵攻では、ロシア軍が占拠したウクライナ東部マリウポリで建設作業などの責任者を務めていたということです。

また、ロシアのメディアは「イワノフ氏は巨額の資産を保有し、最も裕福な官僚のひとり」と伝えています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は記者団に対し「プーチン大統領にも報告され、ショイグ国防相には事前に知らされていた」と説明しました。

ロシアがウクライナへの侵攻を進める中、ロシア国防省の幹部が汚職事件で逮捕されるのは異例です。

プーチン政権としては、侵攻が長期化し、5月から大統領の通算5期目の任期が始まる中、国防省の綱紀粛正を図ろうとしているとみられます。

米議会 ウクライナへの追加支援含む緊急予算案を可決

アメリカ議会上院は23日、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの追加の軍事支援を含む緊急予算案を賛成多数で可決しました。

バイデン大統領は今週中にウクライナに武器や装備品を送り始めたいという考えを示し、滞っていたアメリカによる軍事支援が再開されることになりました。

アメリカ議会上院は23日、ウクライナへの追加の軍事支援を盛り込んだ緊急予算案の採決を行い、賛成79票、反対18票の賛成多数で可決しました。

予算案は総額953億ドル余り、日本円にして14兆7000億円余りで、ウクライナへの支援におよそ608億ドルを充てるとともにイスラエルにおよそ263億ドル、台湾などインド太平洋地域におよそ81億ドルを充てています。

ウクライナへの支援の一部は返済義務がある借款の形をとるとしていますが、一定の条件のもと、大統領の権限で返済を免除することも可能だとしています。

また、制裁によって凍結したロシアの資産をウクライナ支援に活用することを可能にする内容も盛り込まれています。

バイデン大統領「独裁や抑圧に断固として立ち向かう」

バイデン大統領は声明を出し、「民主主義と自由のために独裁や抑圧に断固として立ち向かうというメッセージを世界に示した」として歓迎したうえで今週中にウクライナに武器や装備品を送り始められるよう、24日に予算案の成立に必要な署名を行うと明らかにしました。

ウクライナの最大の軍事支援国となってきたアメリカは、与野党の対立から追加の支援のための予算が承認されない状態が続き、軍事支援が滞っていましたが、近く支援が再開されることになりました。

ゼレンスキー大統領「重要な支援の承認に感謝」

ウクライナのゼレンスキー大統領はSNSに「アメリカ議会上院がウクライナへの重要な支援を承認したことに感謝する。この採決は民主主義を導き、自由世界のリーダーであるアメリカの役割を強化する」と投稿しました。

その上でウクライナの防空能力や長距離の攻撃能力などが「公正な和平を早期に実現するために欠かせない手段だ」として追加の軍事支援がすみやかに届くことに期待を示しました。

ロシア大統領府 米の軍事支援は無意味とけん制

アメリカ議会上院がウクライナへの追加の軍事支援を含む緊急予算案を可決し、アメリカの軍事支援が再開されることについてロシア大統領府のペスコフ報道官は24日「戦場での状況はすでに明らかだ。われわれは、新たな兵器が前線の状況を変えることはないと言い続けている」と述べ、アメリカの軍事支援は無意味だとしてけん制しました。

ロシア国防相 “兵器保管施設へ攻撃強化”

ロシアのショイグ国防相は、23日、国防省で開いた会議でウクライナでの戦況について「ロシア軍の部隊は前線の全域で主導権を握っている」と述べ、戦闘を有利に進めていると強調しました。

そして、アメリカの議会下院がウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案を可決するなど、支援の再開に向けた動きを進めていることを批判した上で「アメリカとその同盟国がもたらす脅威に対し、われわれは必要な兵器や装備の製造を増やしていく。欧米側の兵器を保管する施設などへの攻撃を強化する」と述べ対抗する姿勢を示しました。

ウクライナ外相「徴兵 公平さを取り戻すための措置命じた」

ウクライナのクレバ外相は23日、SNSで「ウクライナ国内と国外にいる徴兵の対象年齢の男性に対する公平さを取り戻すための措置を命じた」と明らかにしました。

この措置に関して地元メディアは、国外にあるウクライナ大使館などが徴兵の対象年齢の男性に対するパスポートの発給などの領事サービスを停止することだと伝えています。

ゼレンスキー政権としては、前線の兵員不足が伝えられる中、動員逃れを防ぐねらいがあるとみられます。