【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月20日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる20日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 防空システムの追加支援へ 欧米に決断求める

ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、ロシア軍のミサイル攻撃で子どもを含む8人が死亡した東部ドニプロペトロウシク州を訪れ、市民に多くの犠牲が出ているとして、欧米各国に対し、防空システムの追加の支援に向けて決断を求めました。

ウクライナ内務省によりますと、東部のドニプロペトロウシク州では、19日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、これまでに子ども2人を含む8人が死亡し、34人がけがをしました。

このうち州都ドニプロでは、5階建ての建物などが大きく崩れ、内務省は12人ががれきから助け出された一方、3人が亡くなったとしています。

ゼレンスキー大統領は19日、ドニプロを訪れ、その際の動画を公開しました。

この中で、ロシア軍にウクライナの暮らしを破壊する時間を与えすぎていると指摘し「十分な数の防空システムと戦闘機だけが、ロシアの航空部隊を撃退できる」と訴えました。

そのうえで欧米各国に対し「決断が必要で、決断は可能だ。平和を願う世界中の誰もが、命を守るために行動することを恐れてはならない」と述べ、追加の支援に向けて決断を求めました。

ウクライナでは、17日には北部チェルニヒウでミサイル攻撃により18人が死亡するなど、ロシア軍の攻撃による市民の犠牲が続いています。

ゼレンスキー大統領「高性能防空システム 少なくとも7基必要」

イタリア南部のカプリ島で行われていたG7外相会合は19日、軍事侵攻を続けるロシアに対し、ウクライナの領土から即時に無条件で撤退することなどを求めた共同声明を採択して閉幕しました。

声明では、「人命を救い、重要なインフラを保護するために、特に、ウクライナの防空能力を強化する決意を表明する」として、防空システムの供与に連携して取り組むことを確認しました。

これに関連して、ウクライナのゼレンスキー大統領は19日、NATO=北大西洋条約機構のNATOウクライナ理事会にオンラインで参加しました。

この中で、ゼレンスキー大統領は「われわれは軍事支援を受けながら、自力で前線を守っているが、現状では支援は非常に限られている。パトリオットか同等の高性能な防空システムが少なくとも7基必要だ。それにより多くの人命を救い、事態を変えられる」と感情を込めて訴えました。

今後はG7やNATOの加盟国が、ウクライナ側が必要とする数の防空システムを供与できるかが焦点となります。