【全結果 4日目】本多灯 池江璃花子 渡辺一平 1位で決勝へ

競泳のパリオリンピックの代表選考を行う“一発勝負”の大会は4日目の20日、男子200メートルバタフライの準決勝が行われ、この種目の東京オリンピックの銀メダリスト、本多灯選手がトップで決勝進出を決めました。
女子100メートル自由形では、100メートルバタフライで、すでにパリオリンピック代表内定を決めている池江璃花子選手が、全体トップで決勝に進みました。
このほか2種目で決勝が行われましたが、派遣標準記録を突破する選手がおらず、代表内定は出ませんでした。

4日目の夜のレースの全結果をお伝えしています。

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◆男子 200m バタフライ 準決勝 本多1位 瀬戸も4位で決勝へ

今回の大会は、東京 江東区の東京アクアティクスセンターで8日間の日程で行われ、決勝で「派遣標準記録」と呼ばれる日本水泳連盟が設定したタイムを突破したうえで、2位以内に入ればパリオリンピックの個人種目の代表に内定します。

大会4日目に行われた種目のうち、男子200メートルバタフライの準決勝では、予選を2位で通過したこの種目の東京オリンピックの銀メダリスト、本多灯選手が力強いキックで前半からスピードに乗ってリードを広げ、痛めている左足首の影響も感じさせず、1分55秒43のタイムで全体トップで決勝進出を決めました。

本多灯「挑戦者として 心機一転 チャレンジしたい」

本多灯選手は「思っている以上に体のコンディションはよくないとは思うが、あすのレースに向け準決勝は乗り越えることができた」と振り返りました。
そのうえで「このタイムでは代表権も獲得できない。あすはしっかり勝って、派遣標準記録を突破してオリンピックを決めたいと思う。これまでの功績は考えず、挑戦者として、心機一転、心を入れ替えてチャレンジしたい」と力強く話していました。

【準決勝 結果】★派遣標準記録 1:55.27

▽1.本多 灯 1:55.43
▽2.寺田拓未 1:55.50
▽3.寺門弦輝 1:56.15
▽4.瀬戸大也 1:56.20
▽5.丹保 陸 1:56.88
▽6.幌村 尚 1:57.25
▽7.阪本祐也 1:57.29
▽8.田中大貴 1:57.42
▽9.北川凜生 1:58.18
▽10.新開誠也 1:58.19
▽11.三輪田理央 1:58.50
▽12.阿部力樹 1:58.88
▽13.塚本康介 1:59.22
▽14.松川晟士 1:59.65
▽15.福田圭吾 1:59.92
▽16.河野通虎 2:02.51

◆男子 200m 平泳ぎ 準決勝 渡辺1位 花車2位 深沢3位で決勝へ

渡辺一平 選手

激しい代表争いが予想される男子200メートル平泳ぎでは、元世界記録保持者の渡辺一平選手が、予選よりもスピードを上げることを意識した持ち味の大きな泳ぎで、2分7秒92の派遣標準記録を切るタイムで、全体トップで決勝進出を決めました。

渡辺一平「8年ぶりに五輪代表権を勝ち取りたい」

渡辺一平選手は「自分なりにいい泳ぎができればと思っていた。結果的に2分7秒台が出せて、感覚どおりだった」とレースを振り返りました。そして、2大会ぶりのオリンピック出場がかかる決勝に向けて「僕にとってオリンピックという舞台は非常に大切な場所だ。8年ぶりにオリンピックの代表権を勝ち取りたいという強い気持ちで臨みたい」と意気込みを話しました。

【準決勝 結果】★派遣標準記録 2:08.48

▽1.渡辺一平 2:07.92
▽2.花車 優 2:08.99
▽3.深沢大和 2:09.26
▽4.佐藤翔馬 2:09.89
▽5.廣島偉来 2:10.55
▽6.大橋 信 2:11.13(中学新)
▽7.宮本一平 2:11.50
▽8.釜田 駿 2:11.56
▽9.石田竜一 2:12.02
▽10.山尾隼人 2:12.30
▽11.小泉龍馬 2:12.45
▽12.大川生流 2:12.74
▽13.廣本 新 2:12.77
▽14.齋藤 龍 2:12.99
▽15.尾矢海太 2:13.13
▽16.荒井悠太 2:13.80

◆女子 100m 自由形 準決勝 池江璃花子1位で決勝へ

池江璃花子選手

女子100メートル自由形では、100メートルバタフライで、すでにパリオリンピック代表内定を決めている池江璃花子選手が、伸びのある泳ぎで後半の50メートルで追い上げ、54秒32のタイムで全体トップで決勝に進みました。

池江璃花子「リラックスして泳げたかな」

池江璃花子選手は「コーチとも話をして気持ちよく泳げたらいいと思っていたので、そのとおりリラックスして泳げたかなと思う」とレースを振り返りました。そのうえで21日の決勝に向けて「自分は後半に強みがあると思うので、前半を意識しすぎずに、きょうのようにリラックスして泳げたらいい」と話していました。

【準決勝 結果】★派遣標準記録 53.12

▽1.池江璃花子 54.32
▽2.神野ゆめ 54.76
▽3.池本凪沙 54.77
▽4.松本信歩 54.97
▽5.増田 葵 55.26
▽6.山本葉月 55.29
▽7.廣下菜月 55.31
▽8.平井瑞希 55.75
▽9.吉永晴香 55.82
▽10.大嶋千桜 55.84
▽11.鈴木莉緒 55.85
▽12.山本茉由佳 55.88
▽13.溝口歩優 56.19
▽14.伊東開耶 56.29
▽15.今井美祈 56.33
▽16.長尾佳音 56.38

==大会4日目【そのほかの全結果】==

★男子 800m 自由形【決勝】井本一輝が優勝も代表内定ならず

男子800メートル自由形の決勝では、井本一輝選手が中盤からトップに立つと、伸びのある泳ぎでほかの選手を大きく引き離して7分56秒17で優勝しました。しかし、設定された派遣標準記録は突破できず、パリオリンピックの代表内定はなりませんでした。

【決勝 結果】★派遣標準記録 7:46.55

▽1.井本一輝 7:56.17
▽2.黒川紫唯 7:58.79
▽3.今福和志 7:59.58
▽4.竹田渉瑚 7:59.64
▽5.田渕海斗 8:00.07
▽6.白戸亮太 8:01.67
▽7.仲光陸遥 8:02.59
▽8.井狩裕貴 8:07.48

★女子 100m 背泳ぎ【決勝】白井が優勝も代表内定ならず

女子100メートル背泳ぎの決勝では、24歳の白井璃緒選手がウエイトトレーニングなどで強化してきた力強い泳ぎで、後半、逆転してトップに立ち1分0秒27で優勝しました。しかし設定された派遣標準記録は突破できず、パリオリンピックの代表内定はなりませんでした。

白井璃緒「ここまでやってきたのに、という悔しさ」

白井璃緒選手は「コンディションが思っていた以上に悪かった。勝てたことはよかったが、ここまでやってきたのに、という悔しさがある」と振り返りました。
そして、個人種目での代表内定を目指す女子200メートル背泳ぎに向けて「覚悟を決めてやるしかない。弱音を吐かずにタイムを上げて、最後、いい笑顔で終わりたい」と次を見据えていました。

【決勝 結果】★派遣標準記録 59.49

▽1.白井璃緒 1:00.27
▽2.高橋美紀 1:00.49
▽3.小西杏奈 1:00.57
▽4.佐々木美莉 1:00.96
▽5.古林毬菜 1:01.14
▽6.秀野由光 1:01.23
▽7.長岡愛海 1:01.51
▽8.山本千晶 1:01.55

◆男子 100m 自由形 準決勝 “カツオ”松元克央が1位で決勝へ

【準決勝 結果】★派遣標準記録 47.97

▽1.松元克央 49.00
▽2.溝畑樹蘭 49.11
▽3.中村 克 49.14
▽4.五味智信 49.30
▽5.坂田怜央 49.35
▽6.柳本幸之介 49.36
▽6.松本周也 49.36
▽8.関 海哉 49.62
▽9.吉田冬優 49.69
▽10.鈴木基心 49.70
▽11.眞野秀成 49.72
▽12.原 空輝 49.75
▽13.川根正大 49.85
▽14.小山陽翔 50.20
▽15.忍田 尊 50.29
▽16.石崎慶祐 51.28

《4日目 夜のレース/スタートリスト》

★は代表内定がかかるレース

◆19:34~男子 100m 自由形 準決勝

◇世界記録 46.80
◇日本記録 47.85
★派遣標準記録 47.97

【1組】
▽1.石崎慶祐(ミキハウス/ダッシュ新潟)
▽2.眞野秀成(セントラルスポーツ)
▽3.関 海哉(キタジマアクアティクス)
▽4.松元克央(ミツウロコ/三菱養和SS)
▽5.五味智信(ヨコハマSC/明治大)
▽6.鈴木基心(慶應義塾大/上越正和SS)
▽7.原 空輝(早稲田大)
▽8.忍田 尊(新潟医福大)

【2組】
▽1.吉田冬優(三谷産業/三菱養和SS)
▽2.柳本幸之介(イトマン東京/日本大)
▽3.中村 克(イトマン東進)
▽4.坂田怜央(JOYFIT帯広)
▽5.溝畑樹蘭(ミツウロコ/三菱養和SS)
▽6.松本周也(ひまわりNW)
▽7.小山陽翔(中央大/直方SS野上)
▽8.川根正大(ツカサドルフィン)

◆19:43~男子 200m バタフライ 準決勝

◇世界記録 1:50.34
◇日本記録 1:52.53
★派遣標準記録 1:55.27

【1組】
▽1.北川凜生(日本大)
▽2.三輪田理央(中京大/ビート守山)
▽3.幌村 尚(あいおいニッセイ/東京ドームS)
▽4.本多 灯(イトマン東京/日本大)
▽5.丹保 陸(スウィン美園/法政大)
▽6.河野通虎(JSSあいの里)
▽7.田中大貴(イトマン東京)
▽8.松川晟士(中央大)

【2組】
▽1.阿部力樹(セントラル横浜/日大藤沢高)
▽2.新開誠也(早稲田大/Nb)
▽3.瀬戸大也(CHARIS&Co.)
▽4.寺田拓未(ミキハウス)
▽5.寺門弦輝(セントラルスポーツ/日本大)
▽6.阪本祐也(富士防/大紀SC)
▽7.塚本康介(日ポリ化工/近大クラブ)
▽8.福田圭吾(東洋大/アテナAMC)

◆19:55~女子 100m 自由形 準決勝

◇世界記録 51.71
◇日本記録 52.79
★派遣標準記録 53.12

【1組】
▽1.大嶋千桜(イトマン/四條畷学園高)
▽2.吉永晴香(県立岐阜商高/岐阜SC)
▽3.増田 葵(菅公学生服)
▽4.池本凪沙(イトマン東京/中央大)
▽5.山本葉月(東洋大/スウィン埼玉)
▽6.山本茉由佳(ルネサンス)
▽7.平井瑞希(ATSC.YW/日大藤沢高)
▽8.伊東開耶(セントラルスポーツ/昭和学院高)

【2組】
▽1.長尾佳音(東京SC/明治大)
▽2.松本信歩(東京ドームS/早稲田大)
▽3.廣下菜月(中京大)
▽4.池江璃花子(横浜ゴム/ルネサンス)
▽5.神野ゆめ(中京大)
▽6.溝口歩優(セントラル藤沢/日大藤沢高)
▽7.今井美祈(日成)
▽8.鈴木莉緒(ATSC.YW/八王子高)

◆20:04~男子 200m 平泳ぎ 準決勝

◇世界記録 2:05.48
◇日本記録 2:06.40
★派遣標準記録 2:08.48

【1組】
▽1.廣本 新(JSS宝塚/関西大)
▽2.大川生流(イトマン新百合丘/日大藤沢高)
▽3.宮本一平(ガスワン/サイサン)
▽4.深沢大和(東急/TSSあざみ野)
▽5.廣島偉来(東京ドームS/明治大)
▽6.釜田 駿(東洋大/レオリブレ)
▽7.小泉龍馬(日本体育大)
▽8.尾矢海太(中京大/パシフィック豊橋)

【2組】
▽1.大橋 信(枚方SS)
▽2.荒井悠太(明治大)
▽3.佐藤翔馬(東京SC)
▽4.渡辺一平(TOYOTA)
▽5.花車 優(イトマン東京)
▽6.齋藤 龍(ダンロップSC/慶応高)
▽7.石田竜一(日本大)
▽8.山尾隼人(SA新城/法政大)

★20:19~女子 100m 背泳ぎ【決勝】

◇世界記録 57.33
◇日本記録 58.70
★派遣標準記録 59.49

▽1.佐々木美莉(スウィン埼玉/春日部共栄高)
▽2.山本千晶(ダンロップSC/日大藤沢高)
▽3.高橋美紀(林テレンプ)
▽4.小西杏奈(ガスワン/サイサン)
▽5.白井璃緒(ミズノ)
▽6.古林毬菜(神奈川大学AD)
▽7.長岡愛海(山形DC/山形商業高)
▽8.秀野由光(神奈川大)

★20:27~男子 800m 自由形【決勝】

◇世界記録 7:32.12
◇日本記録 7:49.55
★派遣標準記録 7:46.55

▽1.白戸亮太(サギヌマSCM/法政大)
▽2.田渕海斗(NECGSC溝の口/明治大)
▽3.今福和志(枚方SS/四條畷学園高)
▽4.竹田渉瑚(オーエンス)
▽5.井本一輝(イトマン東京/中央大)
▽6.井狩裕貴(イトマン東京)
▽7.仲光陸遥(ベスト熊本/九州学院高)
▽8.黒川紫唯(イトマン富田林/近畿大)

《大会4日目の見どころ》

東京アクアティクスセンターで行われている、競泳のパリオリンピックの代表選考を行う大会は4日目の20日、▽女子100メートル背泳ぎ▽男子800メートル自由形の2種目で決勝が行われます。

また注目種目の準決勝も行われ、このうち男子200メートルバタフライでは、この種目の東京オリンピックの銀メダリスト、本多灯選手が出場します。本多選手は、金メダルを獲得した2月の世界選手権の前に左足首をけがし、現在も痛みが残っているということで、18日の400メートル個人メドレーは予選で敗退していて、どこまで本来の泳ぎを見せられるかが注目です。

また、日本のお家芸、男子200メートル平泳ぎも準決勝が行われ、元世界記録保持者の渡辺一平選手や、23歳の深沢大和選手を軸に激しい争いが予想されます。

【豆知識】パリ五輪 代表選考方法は?“一発勝負”です

競泳のパリオリンピック代表はいわば“一発勝負”で決まります。
今回の代表選考会の決勝で日本水泳連盟が設けた派遣標準記録を突破したうえで、2位以内に入った選手が内定します。

この派遣標準記録は、オリンピックに出場した日本選手全員が決勝に進出し、複数のメダルを獲得することを目指して日本水泳連盟が設けた独自の基準で、今回は2017年以降のオリンピックと世界選手権の10位相当のタイムが設定されています。すべての種目で、世界水連が定めるオリンピックの参加基準よりも速いか同じタイムであるうえ、800メートル自由形は日本記録よりも速いタイムとなっています。また、4人で泳ぐリレーの種目についても、リレー用の派遣標準記録が設定されています。