【全結果 1日目】競泳 池江璃花子 1位で決勝へ 五輪代表選考

レースの模様はNHKプラスで配信中↓↓↓（2024年3月24日まで）

今回の大会は、東京 江東区の東京アクアティクスセンターで8日間の日程で行われ、決勝で「派遣標準記録」と呼ばれる日本水泳連盟が設定したタイムを突破したうえで、2位以内に入ればパリオリンピックの個人種目の代表に内定する、いわば“一発勝負”の戦いとなります。

女子100メートルバタフライで決勝進出を決めた池江璃花子選手は「準決勝で派遣標準記録のタイムは切っておきたいと思っていたので、そのとおりのレースができたのはよかった。ラスト15メートルがきつかったので、決勝はそこを改善して、もう少し前半を抑えて後半でしっかり自分の泳ぎをしたい。56秒台を出すことが今回のいちばんの目標なので頑張りたい」と話していました。そのうえで「3大会目となるオリンピックにしっかり出場することも目標ではあるが、世界のトップに戻りたい気持ちが特に強くなっている。そこを見据えながらこの大会を乗り越えたい。あすの決勝でしっかり決めたい」と意気込みを話しました

男子100メートル平泳ぎでは、23歳の深沢大和選手が派遣標準記録に迫る59秒41の準決勝トップのタイムで決勝進出を決めました。深沢選手を含む4人が59秒台で泳ぎ、18日の決勝はしれつな代表争いが予想されます。

男子100メートル平泳ぎで決勝進出を決めた深沢大和選手は「あすの決勝に向けてしっかりいい泳ぎができた。まずはしっかり代表権を取ることにフォーカスして、気合い入れていきたい」と話しました。そのうえで「勢いの良さはあると思うので、前半からトップで入って、後半に離してフィニュッシュするようなレースをしたい。最後の5メートルまで気を抜かずに、集中して自分の泳ぎをすれば勝てると思う」と気を引き締めていました。

パリオリンピックの出場をかけた男女の400メートル自由形の決勝が行われ、女子は難波実夢選手が、男子は井本一輝選手がそれぞれ優勝しましたが、派遣標準記録を突破できず代表内定はなりませんでした。

女子400メートル自由形で優勝した難波実夢選手は「なかなか調子が上がらない中で自分ができる最大限のことはできたと思うが、小堀選手と一緒に代表内定を決められなくて今は悔しいということばしか出てこない」と涙を浮かべながら話していました。そのうえで、あす以降に向けて「まだ始まったばかりであと2種目残っているので、やってきたことが出せるように切り替えて頑張っていきたい」と話していました。

2位だった小堀倭加選手は「最後は難波選手も見えていて食らいつこうと思っていたが、最後は手足がしびれてしまった」と悔しそうにレースを振り返っていました。そのうえで「本命種目はダメだったが、まだ始まったばかりなので、あす以降はリセットして代表権を獲得できるように頑張りたい」と意気込んでいました。

池江璃花子選手が準決勝1組で1位、全体でも1位で決勝進出を決めました。タイムは57秒03で派遣標準記録を上回っています。

▽1.池江璃花子 57.03
▽2.平井瑞希 57.13
▽3.松本信歩 57.46 学生新
▽4.相馬あい 57.65
▽5.廣下菜月 57.73
▽6.飯塚千遥 58.11
▽7.池本凪沙 58.46
▽8.水口知保 58.53
▽9.三井愛梨 59.15
▽10.津田萌咲 59.34
▽11.野田佑風 59.38
▽11.内田かりん 59.38
▽13.長谷川涼香 59.70
▽14.長谷川葉月 59.80
▽15.木津喜一花 59.95
▽16.坂本千紗 1:00.13

23歳の深沢大和選手が派遣標準記録に迫る59秒41の準決勝トップのタイムで決勝進出を決めました。深沢選手を含む4人が59秒台とハイレベルです。

▽1.深沢大和 59.41
▽2.谷口 卓 59.62
▽3.花車 優 59.63
▽4.渡辺一平 59.64
▽5.渡辺隼斗 1:00.15
▽6.大蔵礼生 1:00.29
▽7.武良竜也 1:00.49
▽8.小泉龍馬 1:00.50
▽9.根本大雅 1:00.51
▽10.日本雄也 1:00.54
▽11.山中祥輝 1:00.67
▽12.山口秀哉 1:00.76
▽13.岡留大和 1:00.88
▽14.高田大志 1:00.91
▽14.松村優樹 1:00.91
▽16.古川喜将 1:01.86

▽1.難波実夢 4:06.10
▽2.小堀倭加 4:06.20
▽3.望月絹子 4:09.18
▽4.梶本一花 4:09.97
▽5.青木虹光 4:12.85
▽6.奥園心咲 4:12.92
▽7.蝦名愛梨 4:13.10
▽8.長尾佳音 4:13.23

▽1.井本一輝 3:49.69
▽2.尾崎健太 3:50.40
▽3.村佐達也 3:50.42
▽4.西川我咲 3:50.51
▽5.黒川紫唯 3:50.85
▽6.今福和志 3:51.05
▽7.庭野直樹 3:53.52
▽8.吉田冬優 3:53.97

▽1.三浦玲央 25.26
▽2.古賀淳也 25.31
▽3.佐藤佑亮 25.46
▽4.江戸勇馬 25.51
▽5.川端陸椰 25.54
▽6.小東真皓 25.63
▽7.溝口 勇 25.76
▽8.平田統也 25.87

◇世界記録 55.48
◇日本記録 56.08

★派遣標準記録 57.34

【1組】
▽1.長谷川涼香（東京ドーム）
▽2.三井愛梨（横浜サクラ/法政大）
▽3.飯塚千遥（NOK）
▽4.池江璃花子（横浜ゴム/ルネサンス）
▽5.廣下菜月（中京大）
▽6.池本凪沙（イトマン東京/中央大）
▽7.木津喜一花（イトマン東京/明治大）
▽8.坂本千紗（藤村SS/藤村女子高）

【2組】
▽1.野田佑風（セントラルスポーツ/青山学院大）
▽2.津田萌咲（新潟医福大SC/新潟リハ病院）
▽3.松本信歩（東京ドームS/早稲田大）
▽4.平井瑞希（ATSC.YW/日大藤沢高）
▽5.相馬あい（ミキハウス）
▽6.水口知保（セントラル目黒/明治大）
▽7.内田かりん（山梨中央銀行）
▽8.長谷川葉月（イトマン東京/中央大）

◇世界記録 56.88
◇日本記録 58.78

★派遣標準記録 59.26

【1組】
▽1.高田大志（ＪＳＳ）
▽2.根本大雅（中京大）
▽3.小泉龍馬（日本体育大）
▽4.深沢大和（東急/TSSあざみ野）
▽5.花車 優（イトマン東京）
▽6.山口秀哉（中京大/ジェル北野田）
▽7.渡辺隼斗（自衛隊）
▽8.大蔵礼生（ＪＳＳ/近畿大）

【2組】
▽1.山中祥輝（東亞/林水泳教室）
▽2.岡留大和（稲毛インター/東邦大東邦高）
▽3.武良竜也（ミキハウス）
▽4.谷口 卓（中京大）
▽5.渡辺一平（ＴＯＹＯＴＡ）
▽6.松村優樹（さわかみ財団）
▽7.日本雄也（アクアティック）
▽8.古川喜将（ジョイフル千葉）

◇世界記録 3:55.38
◇日本記録 4:05.19

★派遣標準記録 4:05.34

▽1.蝦名愛梨（日本体育大）
▽2.奥園心咲（枚方SS/立命館宇治高）
▽3.望月絹子（鈴与）
▽4.小堀倭加（あいおいニッセイ/相模原市水協）
▽5.難波実夢（ＪＳＳ/近畿大）
▽6.梶本一花（枚方ＳＳ/同志社大）
▽7.青木虹光（県央ＳＳ）
▽8.長尾佳音（東京ＳＣ/明治大）

◇世界記録 3:40.07
◇日本記録 3:43.90

★派遣標準記録 3:45.85

▽1.吉田冬優（三谷産業/三菱養和ＳＳ）
▽2.黒川紫唯（イトマン富田林/近畿大）
▽3.井本一輝（イトマン東京/中央大）
▽4.尾崎健太（セントラルスポーツ）
▽5.西川我咲（豊川高/ＫＬ春日井）
▽6.今福和志（枚方ＳＳ/四條畷学園高）
▽7.村佐達也（中京大中京高/名鉄ＳＳ刈谷）
▽8.庭野直樹（スウィン美園/明治大）

◇世界記録 23.55
◇日本記録 24.24

▽1.平田統也（坂出伊藤ＳＳ）
▽2.小東真皓（イトマン/四條畷学園高）
▽3.古賀淳也（スウィンＳＳ）
▽4.三浦玲央（筑波大）
▽5.佐藤佑亮（イトマンアビコ/太成学院大高）
▽6.江戸勇馬（Qlassic）
▽7.溝口 勇（加藤商会/アクシオンSS）
▽8.川端陸椰（東洋大）

競泳のパリオリンピック代表はいわば“一発勝負”で決まります。
今回の代表選考会の決勝で日本水泳連盟が設けた派遣標準記録を突破したうえで、2位以内に入った選手が内定します。

この派遣標準記録は、オリンピックに出場した日本選手全員が決勝に進出し、複数のメダルを獲得することを目指して日本水泳連盟が設けた独自の基準で、今回は2017年以降のオリンピックと世界選手権の10位相当のタイムが設定されています。すべての種目で、世界水連が定めるオリンピックの参加基準よりも速いか同じタイムであるうえ、800メートル自由形は日本記録よりも速いタイムとなっています。また、4人で泳ぐリレーの種目についても、リレー用の派遣標準記録が設定されています。

競泳の代表選考をめぐっては、2000年のシドニーオリンピックの際、3大会連続出場を目指していた千葉すずさんが選考会で優勝したものの代表に選ばれず、日本水泳連盟に選考基準を説明することなどを求めてスポーツ仲裁裁判所に提訴しました。訴えは退けられましたが、選考基準が明確でなかったことが指摘され、2004年のアテネオリンピックの選考では事前に基準を示し、選考会で日本水泳連盟が決めた派遣標準記録を突破して、2位以内に入った選手を選ぶ方式となりました。

派遣標準記録は、国際大会で表彰台を狙えるよう高い目標タイムが設定され、これが日本の競泳界のレベルを押し上げ、北島康介さんなど世界で結果を残す選手を生み出してきた一因とされています。

日本水泳連盟の鈴木大地会長は「これまで派遣標準記録を高く設定して、『それを突破してやろう』という選手とコーチの熱い気持ちと努力が日本選手の記録を押し上げてきた。厳しいところもあるが、これまでどおり、高い目標を持って戦おうという気持ちだ」と意図を説明しています。

東京オリンピック以降、不振が続いている日本競泳陣が、高い選考基準を突破してパリの舞台で世界と渡り合うことができるのか、連盟も含めた取り組みの成果が問われる選考会となります。