フィギュア NHK杯 鍵山優真が1位 宇野昌磨2位【1日目 全結果】

フィギュアスケートのグランプリシリーズ最終戦、NHK杯が24日に開幕しました。男子シングル前半のショートプログラムでは、鍵山優真選手と宇野昌磨選手がともに100点台をマークするハイレベルな演技を見せ、今シーズンの世界最高得点を出した鍵山選手がトップに立ちました。
一方、女子シングル前半のショートプログラムでは、右足首に痛みを抱えながら出場した三原舞依選手が4位でスタートしました。

記事後半では、日本勢の活躍を中心に1日目のすべての経過・結果をお伝えしています。

優勝争いに決着。2日目の情報はこちら↓↓↓

《1日目 概要:男子シングルSPは鍵山1位 宇野2位》

24日に開幕したNHK杯、男子シングル前半のショートプログラムに日本勢では
▽世界選手権2連覇中で、この大会も2年続けて優勝している宇野選手
▽北京オリンピックの銀メダリストの鍵山選手
▽大学生で初出場の20歳、壷井達也選手の3人が出場しました。

鍵山優真選手

このうち鍵山選手は冒頭の4回転サルコーを決めて4点近い高い出来栄え点を得ました。続くジャンプでは去年、左足をけがして以降、構成から外していた4回転と3回転のトーループの連続ジャンプも着氷し、基礎点が上がる後半のトリプルアクセルも決めました。さらに、強化してきた表現力も演技構成点の3つの要素すべてで9点台の高い得点をマークし、トータルでは今シーズンの世界最高得点となる105.51でトップに立ちました。

宇野昌磨選手

宇野選手は、演技構成点では鍵山選手を上回りましたが、得点源の4回転と3回転の連続ジャンプがともに回転不足を取られるなどジャンプの出来が勝敗を分け、100.20と100点台をマークしたものの2位となりました。

3位はスイスのルーカス・ブリッチギー選手、初出場の壷井選手はジャンプのミスが響き、出場選手中最下位の12位でスタートしました。

壷井達也選手

このほか女子シングル前半のショートプログラムには日本から
▽昨シーズンのグランプリファイナルを制した三原舞依選手
▽北京オリンピック5位で右足の疲労骨折から復帰した樋口新葉選手
▽初出場の21歳、青木祐奈選手の3人が出場しました。

三原舞依選手

そして右足首に痛みを抱えながら出場した三原舞依選手が3位とわずかな差の4位、初出場の青木選手が自己ベストを更新して8位でした。樋口選手はミスが続いて11位と出遅れました。

小松原美里選手/ティム コレト選手

アイスダンス前半のリズムダンスでは、小松原美里選手とティム コレト選手のカップルがリフトでミスが出るなどして9位でスタートしました。

ペア前半のショートプログラムでは、ペア結成後、初の国際大会となる長岡柚奈選手と森口澄士選手のペアは8位でした。

【本田武史さん解説】“高いレベルの争い うれしい”

男子シングルの解説を務める、オリンピック2大会出場の本田武史さんは今シーズンの世界最高得点をマークし前半、トップに立った鍵山優真選手について「ジャンプの高さや流れは、けがをする前よりもよくなっているし、すごかったの一言だ。フリーはジャンプの数が増えるので、やっぱりそれだけ気をつけなければいけないところが増えるがやってきたことを出すことができれば問題ないと思う」と話しました。

一方、2位につけた宇野選手については「ジャンプに回転不足があったことで差はついたが、グランプリシリーズの中国大会よりも体の動かし方に余裕が出てきてすごくいい状態に見えた」と話しました。そのうえで25日のフリーに向けては「日本のファンにとって、これだけ高いレベルの2人の争いが見られることはとてもうれしいことだと思う。2人とも表現力というところをすごく言っているし、その違いや曲をどう表現しているかというところ、それに4回転ジャンプの緊張感という部分を味わってもらえれば」と話していました。

【荒川静香さん解説】 “三原 表彰台のチャンスある”

女子シングルの解説を務めるトリノオリンピックの金メダリスト、荒川静香さんは右足の痛みを抱えながら日本勢トップの4位につけた三原舞依選手について「何度も修羅場をくぐり抜けている選手だけあって、気持ちが強く集中力もあって、きょうの演技ができたと思う」と分析しました。2位から5位までおよそ1.5の差の中でひしめく中、25日のフリーに向けては「三原選手のスケートの質ならできることをやれば表彰台に上るチャンスはあると思う。フリーはジャンプなど技の要素も増えてくるのでそれだけ負担もかかってくる。そういうなかでも最後まで無事に滑りきって、ほっとした表情を見たいなと思う」と話していました。

一方で、ジャンプにミスが続いて出場12人中、11位という思わぬスタートとなった樋口新葉選手について荒川さんは「調子がいい時こそ、いい演技がしたいと気持ちが空回りしてしまうことがある。あすは、きょうのミスを気にせず、気持ちよく心地よく滑ってほしい」と話していました。

《大会1日目 全結果》

【結果】男子シングル 鍵山がトップに 3連覇目指す宇野は2位

3年連続の優勝を目指す宇野昌磨選手はショートプログラムの最後に登場しました。3つのジャンプをすべて着氷し、スピンやステップでも音楽に合わせた優雅な演技を見せトップにこそ及ばなかったものの100.20で2位につけました。

宇野昌磨選手は2位

男子シングルは、前半のショートプログラムを終え鍵山優真選手が今シーズン世界最高の105.51をマークしてトップに立ち、およそ5点差で追う宇野選手とともに日本の2人が優勝争う展開となりました。スイスのルーカス・ブリッチギー選手が86.42で3位となっています。このほか、初出場の壷井達也選手は64.63で12位となっています。

▽1.鍵山 優真(日本)105.51
▽2.宇野 昌磨(日本)100.20
▽3.ルーカス・ブリッチギー(スイス)86.42
▽4.カムデン・プルキネン(アメリカ)86.40
▽5.デニス・バシリエフス(ラトビア)82.14
▽6.ミハイル・セレフコ(エストニア)81.31
▽7.ニカ・エカゼ(ジョージア)81.30
▽8.ガブリエレ・フランジパーニ(イタリア)78.20
▽9.アレキサンドル・セレフコ(エストニア)75.85
▽10.リュック・エコノミド(フランス)74.24
▽11.ウェスリー・チュウ(カナダ)72.02
▽12.壷井 達也(日本)64.63

◇男子シングルSP 演技詳細◇

【1位 鍵山優真】
すべての要素で出来栄えの加点がつく完璧な演技を見せました。冒頭の4回転サルコウは高く美しいジャンプとなり、3点台後半、その後の、4回転と3回転の連続ジャンプとトリプルアクセルでも2点台後半の出来栄え点がつきました。また、3つのスピンに加え、ステップも最高評価のレベル4を獲得しました。今シーズン世界最高の105.51という得点だったことも文句のつけどころのない演技だったことを象徴しています。

【2位 宇野昌磨】
持ち味にしている冒頭の4回転フリップは高さも出て3点台前半の出来栄え点がつきました。しかし続く、4回転と3回転のコンビネーションでは、いずれのジャンプでも回転不足をとられ、出来栄えで減点されました。スピンでは3つのうち1つがレベル3にとどまり、得点の取りこぼしがありましたが演技構成点では、鍵山選手を1点余り上回る得点をマークし、100点を超える高得点につなげました。

【12位 壷井達也】
ジャンプでミスが続きました。冒頭の4回転サルコウと次のトリプルアクセルでは、いずれも回転不足をとられ、最後の連続ジャンプでは転倒し大きく減点されました。ステップもレベル2にとどまりましたが、3つのスピンでは、いずれもレベル4の評価を受けました。

鍵山優真「練習以上にパワフルでエネルギッシュな演技に満足」

男子シングルの前半、ショートプログラムで今シーズンの世界最高得点をマークしてトップに立った鍵山優真選手は「頭から終わりまで練習通り、それ以上にパワフルでエネルギッシュな演技ができて満足している。まだ出来栄え点で点数を稼げるところがあるので伸ばしていけるようにしたい」と話しました。そして「連続ジャンプは1つ目をおりたときに少し危なかったが、優勝をつかみとるためには意地でも2つ目を3回転にしないといけないと気合いで乗り越えた。ショートプログラムがいいとフリーでミスをすることがよくあるので、あすは自分のやるべきことにしっかりと集中する。順位や結果はそのあとについてくるので、集中してノーミスで演技できるように頑張りたい」と意気込みを話していました。

宇野昌磨「決して悪くない演技 満足している」

男子シングルの前半、ショートプログラムで2位の宇野昌磨選手は「ジャンプに回転不足はついたが決して悪くない演技だった。練習どおりしっかりできたのでこのショートプログラムにすごく満足している。1位の鍵山選手が105点を出したが、彼がすごかっただけだ」と話しました。25日のフリーに向けては「中国大会では失敗してしまったので、練習で気をつけたい。表現もみなさんに見せたいと思える練習を積んできているので、満足できる演技にしたい」と話していました。

男子シングル 鍵山優真が今季世界最高で暫定トップに

3年ぶりの優勝を目指す鍵山優真選手が第2グループの最初に演技しました。最初の4回転ジャンプ、次の4回転と3回転の連続ジャンプ、さらにトリプルアクセルと3つのジャンプを鮮やかに決め、スピンやステップでも安定感抜群の演技を見せ、ショートプログラムで、今シーズン世界最高の105.51をマークしてトップに立ちました。

【男子シングルSP 第1グループ結果】壷井達也は6位

男子シングル、前半のショートプログラムは第1グループ6人の演技が終わりました。

▽1.ミハイル・セレフコ(エストニア)81.31
▽2.ガブリエレ・フランジパーニ(イタリア)78.20
▽3.アレキサンドル・セレフコ(エストニア)75.85
▽4.リュック・エコノミド(フランス)74.24
▽5.ウェスリー・チュウ(カナダ)72.02
▽6.壷井 達也(日本)64.63

男子シングル 壷井達也 転倒が響き得点伸ばせず

初出場の20歳、壷井達也選手が男子シングル、ショートプログラムの2人目で登場しました。最初の4回転ジャンプは着氷しましたが、終盤の連続ジャンプで転倒し、得点は64.63と伸ばせませんでした。

19:10すぎ

男子シングル ショートプログラム始まる

男子シングルの前半、ショートプログラムが始まりました。初出場の壷井達也選手は第1グループの2番目に滑走します。北京オリンピックの銀メダリスト、鍵山優真選手は第2グループの最初で全体の7番目、大会2連覇中の宇野昌磨選手は最終12番目の滑走です。

◆男子シングル 見どころ

男子シングルは12人が出場します。ともに世界をけん引する日本の2人、宇野昌磨選手と鍵山優真選手の優勝争いが期待されています。

宇野選手は昨シーズン、フリーに4種類5本の4回転ジャンプを組み込んだ高難度の構成で、出場したすべての大会で優勝しました。“表現者として自分を満足させる演技”を目指します。

一方の鍵山選手は、昨シーズンは左足の疲労骨折のため国際大会への出場はありませんでした。今シーズンの目標は“パーフェクトな演技と芸術的な滑り”。復活とさらなる成長を目指します。

初出場の壷井達也選手は去年のジュニアの世界選手権で3位に入り、シニア転向後も成長著しい20歳です。このほか、海外勢では宇野選手と同じ、ステファン・ランビエールコーチから指導を受けるラトビアのデニス・バシリエフス選手などが出場します。

【スタートリスト】男子シングル ショートプログラム

1.アレキサンドル・セレフコ(エストニア)
2.壷井 達也(日本)
3.リュック・エコノミド(フランス)
4.ミハイル・セレフコ(エストニア)
5.ガブリエレ・フランジパーニ(イタリア)
6.ウェスリー・チュウ(カナダ)

7.鍵山 優真(日本)
8.ニカ・エカゼ(ジョージア)
9.カムデン・プルキネン(アメリカ)
10.デニス・バシリエフス(ラトビア)
11.ルーカス・ブリッチギー(スイス)
12.宇野 昌磨(日本)

【結果】ペア ショートプログラム 長岡/森口は8位

ペアの前半、ショートプログラムが終わりました。ドイツのミネルバ ファビエンヌ・ハーズ選手とニキータ・ボロディン選手のペアが67.23をマークしてトップに立ちました。

ことし5月に結成したばかりで、これが初めての国際大会となる長岡柚奈選手と森口澄士選手のペアは冒頭のダブルツイストは成功させたものの、3回転ループを予定していたジャンプでは長岡選手の回転が抜けて1回転となるミスがでました。さらにスロージャンプでも長岡選手が転倒し減点されるなど得点を伸ばせず、45.36で出場8組中最下位の8位でのスタートとなりました。

▽1.ミネルバ ファビエンヌ・ハーズ/ニキータ・ボロディン(ドイツ)67.23
▽2.ルクレツィア・ベッカーリ/マッテオ・グアリゼ(イタリア)66.77
▽3.アナスタシア・ゴルベワ/ヘクター・ジョトプロス ムーア(オーストラリア)64.61
▽4.レベッカ・ギラルディ/フィリッポ・アンブロジーニ(イタリア)62.98
▽5.チェルシー・リュウ/バラージュ・ナジ(アメリカ)61.23
▽6.ダリア・ダニロワ/ミシェル・ツィバ(オランダ)58.61
▽7.ケリー アン・ローラン/ルカ・エティエ(カナダ)49.18
▽8.長岡 柚奈/森口 澄士(日本)45.36

ペア ショートプログラム始まる 長岡/森口が登場

ペアの前半、ショートプログラムが始まりました。日本の長岡柚奈選手と森口澄士選手のペアが最初に滑走を始めました。スロージャンプで転倒するなどミスが出て、得点は45.36でした。

長岡柚奈/森口澄士「気持ちを切り替えてやれた」

ペアの前半、ショートプログラムを終えた長岡柚奈選手は「内容はあまりよくなかったが、すごく瞬間を楽しめた。とにかくわくわくした。きょうは私が失敗したので、フリーでは成功して気持ちを切り替えて頑張りたい」と話していました。

森口澄士選手は「初めてのグランプリシリーズで興奮していた。独特の緊張感もあるが、その緊張感に2人で挑めた。失敗のあとは難しいが、気持ちを切り替えて2人で息を合わせてやれた」と話していました。

◆ペア 見どころ

ペアは昨シーズン、世界選手権などを制した三浦璃来選手と木原龍一選手のペアがけがの影響で欠場し、混戦模様となっています。8組が出場し、日本からは18歳の長岡柚奈選手と21歳の森口澄士選手のペアが出場します。2人にとってはペアを組んで最初の国際大会でどんな演技を見せるか注目です。海外勢では、オーストラリアの17歳、アナスタシア・ゴルベバ選手と21歳、ヘクター・ジョトプロス ムーア選手の若いペアが昨シーズンまでジュニアの世界選手権で2年連続で2位に入っています。

【スタートリスト】ペア ショートプログラム

1.長岡 柚奈/森口 澄士(日本)
2.チェルシー・リュウ/バラージュ・ナジ(アメリカ)
3.ミネルバ ファビエンヌ・ハーズ/ニキータ・ボロディン(ドイツ)
4.ケリー アン・ローラン/ルカ・エティエ(カナダ)
5.ルクレツィア・ベッカーリ/マッテオ・グアリゼ(イタリア)
6.ダリア・ダニロワ/ミシェル・ツィバ(オランダ)
7.アナスタシア・ゴルベワ/ヘクター・ジョトプロス ムーア(オーストラリア)
8.レベッカ・ギラルディ/フィリッポ・アンブロジーニ(イタリア)

【結果】女子シングル ショートプログラム 三原4位発進

女子シングル前半のショートプログラムには日本から
▽昨シーズンのグランプリファイナルを制した三原舞依選手
▽北京オリンピック5位で右足の疲労骨折から復帰した樋口新葉選手
▽初出場の21歳、青木祐奈選手の3人が出場しました。

このうち三原選手は右足首のケガの影響でグランプリシリーズ第4戦の中国大会を欠場し、痛み止めを飲んでの出場となりました。三原選手は演技前、中野園子コーチとことばを交わしたあと「無事にもってくれ」と願い、右足のつま先でリンクを2回ついてから演技に入りました。そして、冒頭のダブルアクセルを伸びやかに決めましたが、続く連続ジャンプと基礎点が上がる3回転ルッツは、いずれも回転不足を取られるなどしました。それでも後半のスピンとステップはレベルフォーでそろえ、演技を終えると笑顔でガッツポーズを見せました。三原選手は62.82で3位に0.11点差と肉薄する4位につけました。

4位につけた三原舞依選手

初出場の青木選手は、ショートプログラムの自己ベストを更新する58.28で8位。
樋口選手はジャンプにミスが続いて得点を伸ばせず11位と出遅れました。

青木祐奈選手は8位

▽1.リンジー・ソーングレン(アメリカ)68.93
▽2.ニナ・ピンサローネ(ベルギー)63.44
▽3.イ・ヘイン(韓国)62.93
▽4.三原 舞依(日本)62.82
▽5.アバ マリー・ジーグラー(アメリカ)62.04
▽6.ウィ・ソヨン(韓国)60.63
▽7.キム・イェリム(韓国59.33
▽8.青木 祐奈(日本)58.28
▽9.レア・セルナ(フランス)56.85
▽10.アナスタシア・グバノワ(ジョージア)55.80
▽11.樋口 新葉(日本)52.18
▽12.リンジー・ファンズンダート(オランダ)43.46

◇女子シングルSP 演技詳細◇

【4位 三原舞依】
3つのジャンプのうち、冒頭のダブルアクセルはきれいに決めましたが、続く、連続ジャンプでは、最初の3回転フリップで、回転不足などをとられ、出来栄えで減点されました。さらに基礎点が1.1倍になる後半の3回転ルッツでも回転不足をとられました。スピンでは、3つのうち2つで最高レベルのレベル4を獲得したほか、ステップもレベル4の評価を受けました。演技構成点でも全体トップの得点をマークし、けがの影響で、今シーズン最初の大会となるなか持ち味の丁寧な演技を発揮しました。

【8位 青木祐奈】
3つのジャンプをすべて着氷したものの、冒頭の3回転の連続ジャンプとダブルアクセルではすべてで回転不足をとられ後半の3回転フリップでも踏み切りのミスで出来栄えで減点されました。スピンは3つのうち2つで最高評価のレベル4を獲得しました。ステップはレベル3でした。

【11位 樋口新葉】
冒頭のダブルアクセルはきれいに決めて、出来栄えの加点がつきました。続く、ジャンプは、コンビネーションを予定していましたが、最初の3回転ルッツで転倒し大きな減点を受けました。巻き返しを狙って後半に再び挑んだ連続ジャンプも2つ目が1回転となり得点にならず、ステップの評価もレベル2にとどまったほか、スピンでもレベル4が1つにとどまりました。

三原舞依「感謝の思いを全身で表現したいと思って」

右足首のケガの痛みがある中、女子シングル前半のショートプログラムで4位につけた三原舞依選手は「演技直前の6分間練習の時から、たくさんのファンの皆さんが心を込めてつくってくれた横断幕などが目に入って私は温かいところに帰ってくることができたんだなと実感した。感謝の思いを全身で表現したいと思って滑ることができたので、得点的にはまだまだ自分のベストには及ばないが、これからも感謝の思いを込めて滑りたいと思う」と笑顔で話していました。

また演技中に構成を変更したことを明かし「当初は最後に3回転3回転のコンビネーションジャンプを予定していたが、朝の練習や試合前の6分間練習でなかなかルッツがはまらなかった。コンビネーションジャンプの得点がなくなってしまうと本当にもったいないので最初のダブルアクセルをおりたあたりで次のフリップをコンビネーションジャンプにしようと思って構成を変えた。最後まで集中を切らさずに滑ることができたのがよかった」と演技を振り返りました。そのうえで「ことし4月の国別対抗戦ぶりの試合ということで、6分間練習での体の動かし方など、まだまだつかめていなかった。あすは6分間練習と演技の4分間だけなので、足のことを考え過ぎずに思い切ってやりたい」と力強く話しました。

青木祐奈「のびのび滑ることができた」

初めてグランプリシリーズの大舞台に臨み、前半のショートプログラムは8位となった青木祐奈選手は「緊張よりも出場できたうれしさが上回って、のびのび滑ることができたと思う。あすのフリーも、きょうと同じようにのびのびと楽しんでジャンプも落ち着いて決められるよう滑りたいと思う」と話していました。

樋口新葉「練習でもないような感じのミス」

11位と出遅れた樋口新葉選手は「アクセルが終わって最初のポーズを取ったときにすごく落ち着いていると感じたが、ルッツでいつもと違うミスというか、あまり練習でもないような感じのミスをした。もう1回ビデオを見て直したいと思う。ミスが2つも出てしまって、点数も全然上がらなかったので、そこの部分がすごく悔しい」と演技を振り返りました。ミスの原因については「フリップの部分は後ろにコンビネーションをつけようと思っていたがバランスを崩してしまった。ルッツはまだちょっとどうなったのかわからない」と話しました。そのうえで25日のフリーに向けて「動きは悪くなかったと思うので、きょうのミスを考えすぎないようにして滑りたいと思う」と気持ちを切り替えていました。

女子シングル けがから復帰の三原舞依 大きなミスなく笑顔

去年のグランプリファイナルで優勝した三原舞依選手は10番目に登場し、けがの影響で今シーズン初めての国際大会ながら丁寧な滑りで大きなミスなく終えて、笑顔も見せました。得点は62.82で2人を残して3位となっています。

女子シングル 有力選手のグバノワが出遅れ

昨シーズンのヨーロッパ選手権を制したジョージアのアナスタシア・グバノワ選手が9人目に滑りました。グバノワ選手は、冒頭のコンビネーションジャンプでミスが出て、その後も得点は伸ばせず55.80で、ここまで9人中、7位と出遅れました。

【女子シングルSP 第1G終了時】青木が3位 樋口は転倒で5位

樋口新葉選手が第1グループ最後の6番目に演技しました。コンビネーションを予定していた2つ目のジャンプで転倒し、巻き返しを狙った後半のジャンプでもミスが出て得点は52.18にとどまりました。女子シングルのショートプログラムは、第1グループの6人を終え、日本の青木祐奈選手が3位、樋口選手は5位と出遅れました。

▽1.アバ マリー・ジーグラー(アメリカ)62.04
▽2.ウィ・ソヨン(韓国)60.63
▽3.青木 祐奈(日本)58.28
▽4.レア・セルナ(フランス)56.85
▽5.樋口 新葉(日本)52.18
▽6.リンジー・ファンズンダート(オランダ)43.46

女子シングル 青木祐奈は自己ベストをマーク

1人目として登場したグランプリシリーズ初出場の21歳、青木祐奈選手。優雅な曲調の音楽に合わせた演技で、3つのジャンプも着氷し、自己ベストとなる58.28をマークしました。

14:23

女子シングル ショートプログラム始まる 青木祐奈が登場

女子シングルの前半、ショートプログラムが始まりました。日本勢は、グランプリシリーズ初出場の21歳、青木祐奈選手が第1グループの最初に滑ります。また、北京オリンピックに出場した樋口新葉選手は第1グループ最後の6番目、去年のグランプリファイナルを制した三原舞依選手は第2グループの4番目、全体の10番目に登場します。

◆女子シングル 見どころ

女子シングルには、12人が出場し、日本からは三原舞依選手と樋口新葉選手、青木祐奈選手の3人が出場します。

三原選手は昨シーズン、初めて進出したグランプリファイナルで優勝、世界選手権でも5位に入りました。第4戦の中国大会を右足首のけがで欠場して迎える大会で新たな振付師のもと一新したショートプログラムをどう演じるか注目です。

昨シーズン、右足の疲労骨折に苦しんだ樋口選手のテーマは、“楽しむ”ことです。ポジティブな感情を前面に出して演技する姿に期待が高まります。

青木選手は初めての大舞台に挑みます。

外国勢では昨シーズン、四大陸選手権で優勝し、世界選手権でも2位に入った韓国の18歳、イ・ヘイン選手や、昨シーズンのヨーロッパ選手権を制したジョージアのアナスタシア・グバノワ選手が出場します。

【スタートリスト】女子シングル ショートプログラム

1.青木 祐奈(日本)
2.ウィ・ソヨン(韓国)
3.リンジー・ファンズンダート(オランダ)
4.レア・セルナ(フランス)
5.アバ マリー・ジーグラー(アメリカ)
6.樋口 新葉(日本)

7.ニナ・ピンサローネ(ベルギー)
8.リンジー・ソーングレン(アメリカ)
9.アナスタシア・グバノワ(ジョージア)
10.三原 舞依(日本)
11.キム・イェリム(韓国)
12.イ・ヘイン(韓国)

【結果】アイスダンス リズムダンス 小松原/コレトは9位

アイスダンスの前半、リズムダンスの最後に滑ったイタリアのシャルレーヌ・ギニャール選手とマルコ・ファブリ選手のカップルは、日本では「HERO」としてなじみのあるアップテンポな曲に合わせた独創的な演技で85.27をマークし、トップに立ちました。

▽2位はイギリスのライラ・フィアー選手とルイス・ギブソン選手のカップル。
▽3位はリトアニアのアリソン・リード選手とサウリウス・アンブルレビチウス選手が続いています。

日本の小松原美里選手と夫のティム コレト選手のカップルは、映画『ゴーストバスターズ』のテーマに合わせて軽快に滑り出し、冒頭のステップでは高い出来栄え点を獲得しました。しかし、中盤の回転を伴ったリフトで、コレト選手が小松原選手を下ろすタイミングが遅れ、規定の時間を超えて減点され、さらにその影響で続くパターンダンスも音楽と振り付けがずれて出来栄え点を伸ばせず、出場9組のうち最下位の9位でスタートしました。

小松原美里選手/ティム コレト選手

▽1.シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア)85.27
▽2.ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス)84.93
▽3.アリソン・リード/サウリウス・アンブルレビチウス(リトアニア)78.71
▽4.ユーリア・トゥルッキラ/マティアス・ベルスルイス(フィンランド)74.66
▽5.ロイシア・デムージョ/テオ・ルメルシエ(フランス)73.58
▽6.エミリー・ブラッティ/イアン・サマービル(アメリカ)71.47
▽7.マリー ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック(カナダ)71.35
▽8.ローレイン・マクナマラ/アントン・スピリドノフ(アメリカ)65.65
▽9.小松原 美里/ティム コレト(日本)64.12

フィアー/ギブソン(イギリス)がトップに 残るは1組

アイスダンスの前半、リズムダンスは終盤に入り、8番目にイギリスのライラ・フィアー選手とルイス・ギブソン選手のカップルが登場しました。昨シーズンの世界選手権4位で優勝争いの一角として注目されているカップルは、ダイナミックなリフトを決めて会場を沸かせるなど84.93の高得点をマークしトップに立ちました。残るは1組です。

小松原美里/ティム コレトのカップルが登場

アイスダンスの前半、リズムダンスで小松原美里選手とティム コレト選手のカップルが登場し、映画「ゴーストバスターズ」のテーマ曲に合わせ、表現豊かに演技しました。得点は64.12で2組を終えて順位は2位となっています。

小松原美里「もったいない」コレト「あすは全力で」

アイスダンスの前半、リズムダンスを終えた小松原美里選手は「リフトが長くなってしまい曲に遅れて、演技後半をスタートしてしまった。もったいない。次に生かしたい」と演技を振り返りました。

ティム コレト選手は「日本の皆さまの前で演技できることを光栄に思うし、心からありがたい気持ちだ。あすは今までのブラッシュアップを全力で見せたいと思っている」と後半のフリーダンスへの意欲を見せていました。

12:32

NHK杯が開幕 アイスダンス リズムダンスで始まる

NHK杯は、最初の種目、アイスダンスの前半、リズムダンスが始まり、大会が開幕しました。日本勢では、6回目の出場となる小松原美里選手とティム コレト選手のカップルが第1グループ、全体の2番目に登場します。

◆アイスダンス 見どころ

アイスダンスには9組が出場します。日本の小松原美里選手とティム コレト選手のカップルはダイナミックな演技が持ち味で、世界上位の実力を持つ選手たちに、去年の9位からどこまで順位を伸ばすことができるか注目されます。この種目を引っ張りそうなのが、オリンピックに3大会連続で出場しているイタリアのシャルレーヌ・ギニャール選手とマルコ・ファブリ選手のカップルです。昨シーズンはヨーロッパ選手権で初優勝、世界選手権でも2位と過去最高の成績を残しました。昨シーズンの世界選手権4位、イギリスのライラ・フィラー選手とルイス・ギブソン選手のカップルも優勝争いに絡んできそうです。

【スタートリスト】アイスダンス リズムダンス

1.ローレイン・マクナマラ/アントン・スピリドノフ(アメリカ)
2.小松原美里/ティム コレト(日本)
3.エミリー・ブラッティ/イアン・サマービル(アメリカ)
4.マリー ジャード・ローリオ/ロマン・ルギャック(カナダ)
5.ロイシア・デムージョ/テオ・ルメルシエ(フランス)
6.アリソン・リード/サウリウス・アンブルレビチウス(リトアニア)
7.ユーリア・トゥルッキラ/マティアス・ベルスルイス(フィンランド)
8.ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス)
9.シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア)

11:30

公式練習が終了 まもなく開幕へ

今シーズンのグランプリシリーズ最終戦、NHK杯は、24日から3日間、大阪 門真市で行われ、初日は男女シングルとペアのショートプログラム、それにアイスダンスのリズムダンスが行われます。出場する選手は、24日朝から会場のリンクで最後の調整となる公式練習に臨みました。

女子シングルの選手たちは午前8時すぎにリンクに入り、このうち、右足の疲労骨折による休養から復帰した樋口新葉選手は次々とジャンプを決めたほか、最後までスピンやステップの動きを確認していました。グランプリシリーズでは2021年のフランス大会以来の表彰台を目指します。一方、昨シーズンのグランプリファイナルで優勝した三原舞依選手は右足首に痛みを抱える中、痛み止めを飲んで出場するということで、練習では時折、右足を気にするしぐさを見せながらも繰り返しジャンプを跳んで感触を確かめていました。

また、男子シングルで優勝を争うことが予想される大会2連覇中の宇野昌磨選手と北京オリンピックの銀メダリスト、鍵山優真選手はそろって午前11時すぎにリンクに入りました。2人はいずれも曲をかけた練習で4回転ジャンプを着氷するなど順調な調整ぶりを見せていました。午前11時すぎには会場が開門され、午前11時半ごろ、宇野選手と鍵山選手が練習を終えると観客から大きな拍手が送られて2人は充実した表情でリンクをあとにしました。

大会はこのあと午後0時25分に、最初のアイスダンスのリズムダンスが始まります。日本からは小松原美里選手とティム コレト選手のカップルが出場します。

《競技日程》

【11月24日(金)】
12:25 アイスダンス リズムダンス
14:15 女子シングル ショートプログラム
16:15 ペア ショートプログラム
19:00 男子シングル ショートプログラム

【11月25日(土)】
11:50 アイスダンス フリーダンス
13:50 女子シングル フリー
17:10 ペア フリー
19:30 男子シングル フリー

【11月26日(日)】
13:20 エキシビション

NHKでは総合テレビやBS1などで中継でお伝えし、NHKプラスで同時配信します。詳しい予定は特設サイトでご確認ください。

《今大会出場の日本勢》

==男子シングル==

宇野 昌磨(うの・しょうま)

生年月日:1997年12月17日
身長:158cm
【主な戦績】
2023年 世界選手権 優勝
2022年 北京五輪 男子シングル 銅メダル
2022年 北京五輪 団体戦 3位
2022年 グランプリファイナル 優勝
2022年 全日本選手権 優勝
2022年 世界選手権 優勝

【プロフィール】
愛知県出身の25歳。5歳のとき、地元のスケートリンクで、のちにバンクーバーオリンピックの女子シングルで銀メダルを獲得する浅田真央さんに声をかけられてスケートを始めました。早くから難度の高いジャンプに挑戦し、2014年にジュニアのグランプリファイナルで4回転トーループを決めて優勝を果たすと、シニア転向1年目の2016年には世界で初めて大技の4回転フリップを成功させました。その後、4回転ループや4回転サルコーも成功させ、一気に世界のトップ選手に上り詰めました。
オリンピックでは20歳で初出場した2018年のピョンチャン大会で銀メダル、去年の北京大会で銅メダルを獲得しています。また世界選手権も2連覇中と、世界の舞台で安定した成績を残しています。
昨シーズンはフリーに4種類5本の4回転ジャンプを組み込んだ高難度の構成で、世界選手権をはじめ出場したすべての大会で優勝しました。一方でことしは、シーズンオフにアイスショーなどに積極的に出演して表現の幅を広げることに力を注いだほか、フリーの4回転ジャンプはサルコーを除いた3種類に絞ってより完成度の高い演技を目指しています。

鍵山 優真(かぎやま・ゆうま)

生年月日:2003年5月5日
身長:160cm
【主な戦績】
2022年 北京五輪 男子シングル 銀メダル
2022年 北京五輪 団体戦 3位
2022年 世界選手権 2位
2020年 NHK杯 優勝

【プロフィール】
神奈川県出身の20歳。父親でコーチの正和さんはアルベールビルとリレハンメルの2大会連続でオリンピック男子シングル代表として出場しました。その父の影響で3歳からフィギュアスケートに親しみ、5歳から本格的に取り組み始めました。
2019年、16歳で臨んだ全日本選手権で3位に入り一躍注目を集めると、翌年のユースオリンピックで金メダルを獲得して世界の舞台でも存在感を示しました。その後も国内外の大会で安定した成績を残し、2022年の北京オリンピックでは、初出場の18歳とは思えない落ち着いた演技を見せて自己ベストを更新する310点台の高得点をマークし銀メダルを獲得しました。トーループ、ループ、サルコーの3種類の4回転ジャンプの安定感に加えて、動きの芸術性と高いスケーティング技術が持ち味です。表現力にさらに磨きをかけようと、今シーズンからはイタリア出身のソチオリンピック銅メダリスト、カロリーナ・コストナーさんをコーチに迎え、完成度の高い演技を目指しています。去年7月に負った左足首のケガの回復は順調で、今シーズンのグランプリシリーズ第3戦、フランス大会では2シーズンぶりの表彰台となる3位に入りました。NHK杯では2020年以来2回目の優勝をねらいます。

壷井 達也(つぼい・たつや)

生年月日:2002年12月17日
身長:165cm
【主な戦績】
2023年 ワールドユニバーシティーゲームズ 2位
2022年 GPシリーズフィンランド大会 4位
2022年 全日本選手権 9位
2022年 世界ジュニア選手権 3位

【プロフィール】
愛知県出身の20歳。シニアに転向して2年目、伸びやかな滑りが持ち味の成長著しい若手選手です。シニアの大会ではまだ大きな実績はないものの、2018年のジュニアの全日本選手権で初優勝、去年のジュニアの世界選手権では3位と順調に実績を積んできていて、今シーズンはさらなる飛躍が期待されています。一方で、フィギュアスケートと勉学を高いレベルで両立する文武両道を目指していて、高校3年生の時には一時的に競技から離れて勉強に集中し、スポーツ科学を学べる国立の神戸大学に現役で合格しました。
そして、大学入学を機に拠点を神戸に移し、北京オリンピック女子シングルで銅メダルを獲得した坂本花織選手や三原舞依選手などとともに練習を重ねています。NHK杯は初出場です。

==女子シングル==

青木 祐奈(あおき・ゆな)

生年月日:2002年1月10日
身長:156cm
【主な戦績】
2022年 全日本選手権 7位

【プロフィール】
神奈川県出身の21歳。荒川静香さんが金メダルを取った、トリノオリンピックの演技を見て憧れ、5歳でフィギュアスケートを始めました。ジュニア時代から難度の高いジャンプに挑み、12歳で出場したジュニアのグランプリシリーズでは当時女子では成功した選手が少なかった3回転ルッツと3回転ループの連続ジャンプを決めて注目を集めました。シニアの主要大会ではまだ目立った実績はありませんが、昨シーズンの全日本選手権で自己最高の7位に入るなど着実に力を伸ばしてきています。
今シーズンはショートプログラムの振り付けをみずから行うなど、さらなる成長を目指します。NHK杯は初出場です。

樋口 新葉(ひぐち・わかば)

生年月日:2001年1月2日
身長:152cm
【主な戦績】
2022年 北京五輪 女子シングル 5位
2022年 北京五輪 団体 3位
2021年 GPシリーズフランス大会 3位

【プロフィール】
東京都出身の22歳。3歳でフィギュアスケートを始め、全日本選手権では2014年から3年連続で表彰台に上がるなどジュニア時代から高い実力を見せてきました。スピードのあるスケーティングから繰り出す高さと幅のあるジャンプが持ち味で、その後も国内外の大会で安定した成績を残していましたが、2018年のピョンチャンオリンピックでは直前の全日本選手権でのミスが響いて代表入りを果たせませんでした。
その悔しさをバネに、技術面、メンタル面ともに成長し初出場となった去年の北京オリンピックの女子シングルではショートプログラムとフリーの両方でトリプルアクセルを決めて5位に入りました。
一方で昨シーズンは、右足ひ骨の疲労骨折の影響で10月以降の試合をすべて欠場し治療に専念してきました。今シーズンはケガからの復活を目指すシーズンになります。
ことし3月には大学を卒業し、社会人として新たな1歩を踏み出した樋口選手。最近のマイブームはサウナだということです。

三原 舞依(みはら・まい)

生年月日:1999年8月22日
身長:157cm
【主な戦績】
2023年 世界選手権 5位
2022年 GPシリーズイギリス大会 優勝
2022年 GPシリーズフィンランド大会 優勝
2022年 GPファイナル 優勝
2022年 全日本選手権 2位

【プロフィール】
兵庫県出身の24歳。小学2年生の時にテレビで見た浅田真央さんに憧れてフィギュアスケートを始めると、すぐにその才能を開花させ、早くから世界の舞台を経験してきました。しかし2015年、原因不明で関節に炎症が出る難病『若年性特発性関節炎』を発症。治療を続けながら2017年には四大陸選手権で優勝するなどしましたが、その2年後には筋力や体力が急激に低下していく原因不明の体調不良で再び休養を強いられました。
それでも、自身の体と向き合いながら少しずつ練習量を増やし、昨シーズンはグランプリファイナルで優勝。さらに全日本選手権では2位と、結果を残しました。小さな体を目いっぱい使った豊かな表現力と安定感のある演技を持ち味に、今シーズンはさらなる飛躍を目指します。
体調不良による療養中にファンから贈られた手紙やぬいぐるみなどが宝物だといい、お守りとして試合会場に持ち込んで心の支えにしているということです。

==ペア==

長岡 柚奈(ながおか・ゆな)/森口 澄士(もりぐち・すみただ)

生年月日:2005年7月13日/2001年12月29日
身長:155cm/174cm

【プロフィール】
ことし5月に結成されたばかりのフレッシュなペアです。
長岡選手は北海道出身の18歳でペアに挑戦するのはこれが初めてです。
森口選手は京都府出身の21歳。3年前からシングルと並行してペアにも挑戦し始め、昨シーズンは別の選手とのペアで出場したジュニアの世界選手権で4位に入るなど、すでに国際舞台を経験しています。
長岡選手はことし1月に行われた全国高校選手権に女子シングルで出場して10位、森口選手も去年の全日本選手権男子シングルで7位に入るなど、それぞれシングルでも高い実力を持っています。今回のNHK杯が2人での国際大会デビューとなります。

==アイスダンス==

小松原 美里(こまつばら・みさと)/ティム コレト

生年月日:1992年7月28日/1991年6月17日
身長:158cm/187cm
【主な戦績】
2023年 四大陸選手権 7位
2022年 全日本選手権 2位
2022年 GPシリーズカナダ大会 7位
2022年 NHK杯 9位

【プロフィール】
カップルを結成して8年目です。
小松原選手は岡山県出身の30歳。ジュニア時代にアイスダンスを始め、その後はイタリアに渡ってイタリア人選手とのカップルで活躍しました。
コレト選手はアメリカ出身の31歳。2013年にシングルからアイスダンスに転向し、韓国やノルウェーの選手とカップルを組んできました。
2人は2016年にカップルを結成すると翌年に結婚して夫婦となり、公私両面でパートナーとなりました。『日本武尊(やまとたけるのみこと)』にちなんで名付けたコレト選手の日本名「小松原尊(こまつばら・たける)」には、日本への尊敬の念が込められています。
2人はカナダを練習拠点とし、1メートル90センチ近い、コレト選手の長身を生かしたダイナミックなリフトや豊かな表現力を持ち味に、全日本選手権では2018年から2021年まで4連覇、カップルとして初出場となった去年の北京オリンピックでは、団体で日本の銅メダル獲得に貢献しました。NHK杯は6回目の出場で2020年以来の優勝をねらいます。