大谷翔平 大リーグでホームラン王を獲得 日本選手初の快挙

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手がホームラン44本でアメリカンリーグのホームラン王のタイトルを獲得しました。日本選手が大リーグでホームラン王を獲得するのは初めてで、アジア出身の選手としても大リーグ史上初の快挙です。

記事後半では、とし3月のWBCで監督と選手として世界一に輝いた栗山英樹氏や、地元・岩手県をはじめ各地の祝福の動きについて詳しくお伝えしています。

大谷翔平 アジア出身選手として初のホームラン王に

大リーグのアメリカンリーグは10月1日、レギュラーシーズンの全日程が終了し、個人タイトルが確定しました。

この結果、エンジェルスの大谷選手はホームラン44本で初のホームラン王のタイトルを獲得しました。2位はプロ野球の巨人でもプレーしたレンジャーズのガルシア選手で39本でした。

大谷選手は右ひじのじん帯損傷や脇腹のけがのため9月3日のアスレティックス戦以降欠場するなど、今シーズンは135試合の出場でしたが、6月と7月に合わせてホームラン24本と驚異的なペースでホームランを量産し、タイトルを獲得しました。

日本選手が大リーグでホームラン王を獲得するのは初めてで、アジア出身の選手としても大リーグ史上初の快挙です。

また、首位打者と打点王を含めたバッターの主要3部門でのタイトル獲得は、日本選手では2004年に首位打者を獲得したイチローさん以来、19年ぶりとなります。

今季最終戦 チームMVPの表彰(10月1日)

9月19日に右ひじのじん帯を修復する手術を受けた大谷選手は、本拠地、エンジェルスタジアムで行われた1日のアスレティックスとの最終戦に姿を見せ、試合中はベンチでチームメートと笑顔で会話する姿も見られました。

エンジェルスはシーズン最終戦は7対3で勝利し73勝89敗となりましたが、大谷選手や主軸のトラウト選手など、けが人が相次いだこともあってアメリカンリーグ西部地区の4位に終わり、9年連続でプレーオフ進出を逃しました。

大谷選手は今シーズンかぎりでエンジェルスとの契約が終了し、ワールドシリーズ終了後にはプロ入り後、初めてのFA=フリーエージェントとなる予定で、大リーグ7年目となる来シーズンを移籍した新天地で迎えるのか、それともエンジェルスに残留するのか、その決断に関心が高まっています。

大谷翔平「大変恐縮で光栄なこと」

大谷選手は試合後、クラブハウスで選手たちと笑顔でハグを交わすなどしてあいさつし、球場を後にしました。
初のホームラン王獲得については球団を通じて「大リーグでこれまで活躍された偉大な日本選手たちのことを考えると、大変恐縮であり光栄なことです。この目標を達成するのに協力してくれたチームメート、コーチングスタッフ、ファンに感謝します」とコメントを発表しました。

大谷選手が自身のSNSを更新 感謝のメッセージ

大谷翔平選手は自身のSNSを更新し、ピッチャーやバッターとしてプレーする写真などとともに英語と日本語の両方でメッセージを投稿しました。

大谷選手はまず英語で「シーズン中の皆さんのサポート、ありがとうございました!。すぐにリハビリを始めて以 前よりも強くなって戻ってくるためにベストを尽くします。来シーズン皆さんに会えるのを楽しみにしています!」とつづりました。

また日本語では「レギュラーシーズン応援ありがとうございました。また来年に向けてまずは打者としてリハビリから頑張っていきます。来シーズンまた皆さんにお会いできることを楽しみにしています!」とつづっています。

《大リーグ6年目 大谷翔平 今季 投打成績》

【投手成績】
▽先発 23試合 10勝5敗(勝利数リーグ24位)
▽投球回 132回(※規定投球回数の162には届かず)
▽防御率 3.14
▽被打率 .184
▽奪三振 167(リーグ20位)
▽奪三振率 11.39(※9イニングあたりの奪三振数)

【打者成績】
▽主に指名打者として135試合(※規定打席に到達)
▽ホームラン 44本(リーグ1位)
▽打率 .304(リーグ4位)
▽打点95(リーグ14位)
▽盗塁20(リーグ20位)
▽安打数 151本(リーグ22位)
▽四球 91(リーグ5位)
▽出塁率 .412(リーグ1位)
▽長打率 .654(リーグ1位)
▽OPS 1.066(両リーグ通じて1位)
(※OPS=出塁率+長打率)

【アメリカンリーグ ホームラン王争い(上位5選手)】

1.44本 大谷翔平(エンジェルス)
2.39本 ガルシア(レンジャーズ)
3.38本 ロバートJr.(ホワイトソックス)
4.37本 ジャッジ(ヤンキース)
5.33本 デバース(レッドソックス)

《主な節目の記録》
▽6月23日:今季25号ホームラン 日米通算200号に到達
▽8月9日:今季10勝目
この時点でホームラン40本 大リーグ史上初の2年連続「2桁勝利2桁ホームラン」を達成
▽8月23日:今季44号ホームラン
大リーグ通算171本として松井秀喜さんが持つ大リーグで日本選手最多の通算ホームラン数175本まで「あと4本」

《恩師・仲間・関係者からも祝福の声》

◆栗山英樹氏「子どもたちに道を示してくれた」

日本ハム時代に大谷選手を二刀流の選手へと育て、ことしのWBCでは監督と選手として世界一に輝いた栗山英樹さんは「世界一の選手になることを誓って、メジャーリーグへと挑戦し、それを一つ一つクリアしながら歩み続けています。これは本当にうれしいことです」と日本ハムを通じてコメントしました。

その上で、栗山さんは「多くの子どもたちに夢と希望を与え、道を示してくれたのではないかと思います。これからもいろいろと苦しいことが待ち受けているでしょうが、それを乗り越えていくのが翔平。さらに力強く突き進んでいくその先で見せてくれる景色を楽しみにしています」とコメントしました。

◆レッドソックス 吉田正尚「もうみんなから認められている」

大リーグ、レッドソックスの吉田正尚選手はホームラン王を獲得した大谷選手について「同じ日本人としてプレーしているが、どこの球場行っても歓声がすごい。もうみんなから認められている」と話しました。二刀流でのプレーについては「野手一本でもきつい。投手として先発し、指名打者だが、毎日試合に臨むというのは誰も経験したくてもできない。準備やケアを人よりも多く考えて、本当に野球に対して心身取り組んでいる結果だと思う。本当にすごい」と話していました。

◆カブス 鈴木誠也「日本人でも行けるんだと示してくれた」

大谷選手と同学年で、今シーズン、カブスでホームラン20本を打った鈴木誠也選手は「やっぱり歴史を変えた選手。日本人でもそういった所に行けるんだというのを翔平が示してくれたと思うので、より目標を高く持って戦っていきたいと思う」と刺激を受けている様子でした。

◆花巻東高校で指導 佐々木洋監督「いつまでも夢与える選手で」

大谷選手を花巻東高校で指導した佐々木洋監督は「大リーグで日本人がホームラン王を獲得する日が来るなんて想像もできなかった。日本は古くからランニング中心の練習で、アメリカはウエイトトレーニング。食文化の違いもあり、その骨格や体格が日米で大きく異なると思っていたが、時代とともに『野球』が変わった。私が小さい頃はフライを打ち上げると怒られ、ゴロを打つように指導される時代だった。しかし、アメリカでは今『打率』から『OPS』へと選手評価の基準そのものが変わっている。そうした変化に柔軟に対応し、アップデートしていく大谷選手の能力にはいつも驚かされる。誰からも『できない』『やれない』と言われることをやってのける大谷選手は、日本人の思考そのものを変えていくと期待する。子どもたちに高い目標を与え『非常識』を『常識』に変える生き方で、いつまでも夢を与える選手でいてほしい」とするコメントを出しました。

◆三冠王経験のカブレーラ「彼は別の惑星から来たと思う」

大リーグで通算511本のホームランを打ち、2012年には三冠王に輝いた40歳のカブレーラ選手は今シーズンかぎりで現役を引退しました。カブレーラ選手はエンジェルス戦でファーストを守った際に大谷選手が出塁すると一塁ベース上で大谷選手の走塁用の手袋をポケットから抜き取るいたずらを仕掛けるなど、トップ選手どうしの仲むつまじい交流の様子がたびたび話題になりました。

そのカブレーラ選手は引退前の9月、NHKの取材に応じ今シーズンの大谷選手について「信じられないものだったし、最高だった。彼は別の惑星から来たと思う。日本ではなく、火星出身だ。毎日、彼のプレーを見るのは本当に楽しかった」と笑顔で振り返り、ユーモアを交えながらその活躍をたたえました。

特に印象に残った場面には、ことし7月に行われたエンジェルスとタイガースのダブルヘッダーで大谷選手が第1試合で完封勝利、第2試合でホームラン2本を打った試合をあげ「特別なことだった。その後けがをしたが、今シーズン残した数字は信じられないもので、MVPを受賞すると思う。彼を他の選手と比較することはできない」と話しました。

そして「すばらしい才能を持った選手なのでいつか三冠王になるチャンスはあると思うし、彼自身もそれを望んでいると思う。私の意見では最も偉大な選手はイチローで、彼は4000本安打を打った。私は3000本だけだった。でも、もしかしたら大谷が引退する頃には大谷がナンバーワンかもしれない。それには、より多くの試合に出場することが必要だ」と話し、大谷選手が自身に続く三冠王になることや、長くキャリアを重ねることを期待していました。

米ベテラン記者も絶賛「大谷は何でも可能にしてしまう」

大谷選手の特集記事をニューヨーク・タイムズで数多く執筆しているスコット・ミラー記者は、大谷選手について「アメリカでも見たことのない選手で、ベーブ・ルースでも成し遂げられなかったことをやってのけている。毎晩彼を見ながら『今夜は何をやるんだろう』とワクワクする」と絶賛しました。

その上で「日本の選手が大リーグでホームラン王のタイトルをとるとは考えたこともなかった。でもこれは、大谷が日本出身でもアメリカ出身でも、どこの出身であろうと彼がいかにすばらしい才能の持ち主であるかを改めて物語っていると思う。大谷は何でも可能にしてしまうし、私たちがつい誰かに課すような制限も、彼にとっては意味が無い。それは本当にクールなことで、大谷の持つすばらしいものの1つだ」と話しました。

そして「大谷ほど野球を愛している人はいないでしょう。大谷の物語は、私たちの誰もが想像していた以上にすばらしい。だから、その物語ができるだけ長く続くことを願っている」と話し、大谷選手の息の長い活躍を願っていました。

【米メディア 大谷の2年ぶりのMVP受賞を確実視】

右ひじと脇腹のけがによって不本意な形でシーズンを終えることになった大谷選手ですが、11月に発表される予定のシーズンMVP=最優秀選手は早くも受賞が確実視されています。

大谷選手はホームランだけでなく
▽出塁率の4割1分2厘がリーグトップ
▽長打率の6割5分4厘は大リーグトップの成績で、
いずれの数字も大リーグ6年目で自己最高でした。

さらに出塁率と長打率を足した「OPS」も1.066で大リーグトップとなり、自身初めて「1」の大台を超えました。

これまでの日本選手では、大谷選手がホームラン46本を打ったおととしの0.965が最高で、次いでヤンキース時代の松井秀喜さんが打率2割9分8厘、ホームラン31本をマークした2004年に0.912でした。

※豆知識:OPSとは

チームの得点にどれだけ貢献したかを示すとされ、バッターを評価する際の基準の1つになっている。大リーグでは選手が打席に入る際に球場の電光掲示板に表示されるのが打率でなくOPSというケースもあるなど、近年は一般的に使用されている。

大谷選手自身もこれまで「打席ではもちろんOPSが大事」と話していた数字で、今回、ホームラン王とともに、このOPSでも日本選手として初めてトップとなりました。

OPSはシーズンMVPを選ぶ記者投票でも大きな目安の1つになっていて、昨シーズンはOPSで両リーグでそれぞれトップだったヤンキースのジャッジ選手とカーディナルスのゴールドシュミット選手がMVPを受賞しました。

アメリカのメディアの間では、ことしは大谷選手の2年ぶりのMVP受賞を早くも確実視していて、大手スポーツニュースサイトの「The Athletic」でエンジェルスを担当しているサム・ブラム記者は「大谷が満票でのMVPになるべきだと思う。けがで9月はほとんどプレーできなかったが、それでも彼は前例のない、最高の1年を過ごした。レンジャーズのシーガーやアストロズのタッカーなど、すばらしいシーズンを過ごした選手はいるが、大谷には遠く及ばない。満票か、1位票を3票ほど失うかどうかの違いで、MVP受賞は間違いない」と話していました。

《各地で祝福 地元 岩手県も歓喜》

日本郵便が大谷選手の記念切手などを販売へ

大谷選手がホームラン王のタイトルを獲得したことを受けて、日本郵便は記念切手などをセットで販売すると発表しました。記念切手は、84円切手の5枚セットで、大リーグ通算150号の節目となったシーズン23号のホームランや、飛距離150メートルを超える豪快な当たりを見せた30号など、今シーズンの活躍を象徴する写真が印刷されています。

このほか大谷選手がホームランを打った打席の様子をとらえた44枚のポストカードや大谷選手のサインが印字された写真などをセットにし、送料と消費税込みで1セット、7260円で販売するということです。10月6日から全国の郵便局の窓口やインターネットで申し込みを受け付け、数量は限定せずに受注生産で販売するということです。

出身地 岩手 奥州市役所に横断幕 市民も喜び

大谷選手の地元の岩手県奥州市の市役所ではホームラン王を祝う横断幕が掲げられました。奥州市役所では2日午前10時半ごろ庁舎の正面に「祝MLB本塁打王。大谷翔平選手」と書かれた縦1.2メートル、横10メートルの横断幕が掲げられました。

また市役所の中では大谷選手の背番号17番が入ったエンジェルスのTシャツを着た市の職員が訪れた人に大谷選手のシルエットが施されたうちわやクリアファイルを配って喜びを分かち合っていました。

市役所を訪れた小学6年生は「横断幕がすごい迫力で同じ岩手県民としてうれしいです。大谷選手のことばは勉強になるので習っている水泳をもっと頑張りたいです」と話していました。

奥州市の倉成淳市長は「野球少年がそのまま大リーグで活躍している姿を見せてくれたのが非常にうれしい。ことしは20代の大谷翔平選手が二刀流の活躍を見せましたが、今度、復帰した時には30代の円熟した二刀流の活躍を期待したい」と話していました。

奥州市の道の駅 「顔出しパネル」にメッセージ

大谷翔平選手の出身地、岩手県奥州市水沢にある「道の駅みずさわ」には、大谷選手を応援しようと、バッティングの姿をした顔出しパネルが2019年から設置されています。パネルの裏には、大谷選手に向けた多くの応援メッセージが書かれていました。

道の駅みずさわによりますと大谷選手がホームラン王を獲得が決まった後、県内や宮城県などから訪れた人がパネルに顔を入れて写真撮影などを行っていたということです。

道の駅みずさわの菊池郁子駅長は「ホームラン王をとれるかハラハラドキドキしていたが朝のニュースを聞いてやったぞという気持ちになった。地元の宝が世界の宝になったがうれしいです」と話していました。

出身地 岩手でも号外 「来年もホームラン王を」

出身地の岩手県では地元の新聞社が号外を配りました。盛岡市に本社がある「岩手日報社」は2日午後から県内各地で大谷選手がホームラン王のタイトルを獲得したことを知らせる号外を配りました。

このうち大谷選手の出身地、奥州市のスーパーの前では買い物に訪れた人などが次々と号外を受け取っていて、その場に立ち止まって記事を読む人の姿もありました。号外には「大谷 本塁打王」や「日本選手初の金字塔」といった大きな見出しが記されていて2日は県内でおよそ4万9000部が発行されたということです。

号外を受け取った高校生の時に野球部だったという30代の男性は「世界で活躍する選手が奥州市水沢から育ったと思うとすごいと思う。私が高校3年生の時に大谷選手は1年生で当時から身長が高くかっこよかった」と話していました。

奥州市に住む大谷選手の大ファンという夫婦は「メジャーの試合は全部、テレビで見ていたので格別にうれしいし、ユニホームも持っています。けがをして手術をしたが大谷選手ならば乗り越えられないことはないと思う。来年もホームラン王をとってほしい」と話していました。

子どものときに通ったバッティングセンターは

大谷選手の出身地、岩手県奥州市にある前沢バッティングセンターは、大谷選手が小学5年生から中学3年生の時までよく訪れて練習していたということです。

バッティングセンターのオーナー小林長男さん(73)によりますと、大谷選手は小学生のころから最速で150キロが出るマシーンでバッティングの練習をしていたということです。

当時の大谷選手の印象について小林さんは「真面目でおとなしい子どもだった。こんなに活躍するとは思っていなかった。世界ナンバーワン選手がここから出るというのは夢のようで、このバッティングセンターが活躍するカギだったかもしれない。100年に1人、出るか出ないかの偉業を成し遂げるとは、普通の人間にはできない」とたたえていました。

このバッティングセンターには週末になるとかつて、大谷選手が練習していたことを知った多くの子どもたちが県内外から訪れてバッティング練習をしているということです。小林さんは大谷選手の今後については「ことし以上に来年は、すごい成績を残すのではないか。日本だけでなく、世界中の子どもたちに夢を与える存在になってほしい」と話していました。

ホームラン「かぶと」はふるさと納税の返礼品にも

大谷選手が所属するエンジェルスでホームランを打ったときにかぶる「かぶと」と同じモデルのかぶとをふるさと納税の返礼品にしている鹿児島県薩摩川内市には大谷選手がタイトルを獲得したことを受けて2日朝から問い合わせが寄せられています。

薩摩川内市でふるさと納税を担当する観光物産課によりますと、このかぶとは「紺糸威仏ニ枚胴兜」というもので、ことし4月17日から返礼品に登録されました。

かぶとは寄付額100万円に対する返礼品となっていますが、大谷選手の活躍もあって、およそ1か月で10件ほどの寄付が寄せられました。その後も寄付を伸ばし、2日までに21件の寄付があり、寄付額のトップになっているということです。

薩摩川内市は、もともとかっちゅうや子ども用のかぶとといった返礼品を用意していましたが、これについては去年の寄付は1件にとどまっていました。

観光物産課の田中道治課長は「これまでも大河ドラマに合わせたかっちゅうなどを返礼品としてきましたが、今回のかぶとはそれを上回る大きな反響があって喜ばしいです。10月から12月にかけて返礼品の需要が高まるので、これからまた伸びていくことを期待しています」と話していました。

大谷選手がホームラン後にパフォーマンスでかぶるかぶとを制作している鹿児島県の会社の田ノ上智隆社長は「おめでとうございます!!!たくさん兜をかぶっていただき、作り手として本当にうれしく思います」と祝福のコメントを出しました。

そして「野球に対してストイックに、そして楽しんでプレーされている姿に、われわれも日本のものづくり職人として鼓舞されております。イベント等で兜や甲冑の体験・展示を実施すると非常に人気で、多くの方に日本の鎧兜に興味をもってもらう、すばらしいチャンスをいただいたと感じております。来城者数も注文数も目に見えて増えており、大谷選手の人気の高さを実感しております」としています。

来年については、「完治と健康とバッターとしての更なるご活躍を楽しみにしています。打者に専念ということなので、きっとまた大きな記録をたたき出すのではと期待しています。そしてもちろん、二刀流で活躍する姿も早く見たいです!」とコメントしています。

東京駅では号外 歓喜の声「来年はトリプルスリーに期待」

東京駅では2日午前9時前から快挙を伝える新聞の号外が配られ、仕事や学校に向かう人などが次々と受け取っていました。号外には大きく「大谷 本塁打王」「メジャー日本人初」などと書かれていて、用意された500部は30分ほどでなくなりました。

19歳の大学生は「おめでとうございます。日本ハムのファンで、当時から大谷選手を応援しています。来年は、打者として打率3割、30本塁打、30盗塁のトリプルスリーを期待したいです」と話していました。

30代の会社員の男性は「けがで終盤の試合に出られなかったのにホームラン王を獲得してすごいと思います。大谷選手のホームランを見て元気をもらっていました」と話していました。

小学4年生のころから野球を続けているという20代の男性は「松井秀喜選手でもホームラン王を取れなかったので、日本人は無理かなと思っていましたが本当にすごいです。二刀流は今までなかったので来季はけがなくシーズンを通してプレーしてほしい」と話していました。

スポーツグッズ販売店でも喜びの声

東京 新宿にあるスポーツグッズの販売店では、メジャーリーグに関する商品を多く取り扱っていて、およそ1万6000点の商品のうち、3分の1ほどが大谷選手に関連するものだということです。直筆のサインや大谷選手が使用したボールなどを集めたコーナーもあり、ホームラン王が決まったことを受けて44号ホームランを打った試合のチケットも展示されました。

2日は午後1時の開店前から5組ほどの客が並んでいたということで、店を訪れた小学生の男の子は「大谷選手が大好きです。来年はけがを治して、ますます活躍してほしいです」と話していました。

また、就職先の内定式のため上京し、終了後に店を訪れたという大学生の男性は「先月、アメリカで大谷選手の試合を観戦してきました。けがをして離脱しても最後まで記録を保持してホームラン王になったのが本当にすごいと思います。自分も大谷選手と同じように活躍できるよう頑張ります」と話していました。

店長の渡邉翔さんは「シーズン前半の勢いをみてかなり期待していたのでホームラン王をとって本当にうれしいです。世界の大谷選手としてさらに想像の上をいく活躍を期待しています」と話していました。

所属していた日本ハムのファンも祝福

大谷選手は、2012年のドラフト1位で日本ハムに指名され5年間プレーし、当時から投手と打者の二刀流として活躍していました。2日夜、大阪市の京セラドーム大阪でオリックスと対戦する日本ハムのファンからは喜びの声が聞かれました。

札幌市から訪れたという60代の女性は「すごいことだと思います。日本ハムにいたころ、イベントで一緒に写真を撮ってもらったことがあり、それが今でもスマートフォンの待ち受け画面です。ずっと応援してきたのでおめでとうと言いたいです」と大谷選手と並んで写した写真を見せながら話しました。

滋賀県の小学生は、日本ハム時代に買ったという大谷選手の名前が入ったタオルを持参し「4歳くらいの時に大谷選手の投球を見て、すごかったという記憶があります。小さなころから応援していたのでうれしいです。大谷選手がきっかけで日本ハムのファンになったのでこれからも頑張ってほしいです」と話していました。

兵庫県の50代の男性は「日本球界の宝で、日本の誇りだと思います。これからも応援し続けたいです」と笑顔で話していました。