阪神 18年ぶり優勝 各地での応援 動き 喜びの声

プロ野球の阪神は、14日夜、巨人に4対3で勝って、2005年以来、18年ぶり6回目のセ・リーグ優勝を果たしました。

阪神の優勝を心待ちにした各地の応援の様子や動きです。

目次

商店街のボード マジック「0」に 兵庫 尼崎

熱烈なファンが多い兵庫県尼崎市の尼崎中央三丁目商店街では、リーグ優勝を祝うセールが始まりました。

このうちメガネの販売店は、18年ぶりの優勝にちなんで先着180人にメガネケースを18円で売り出し多くの人が訪れました。

メガネケースを購入した20代の男性は「途中で巨人に点を取られて心配しましたが、無事に阪神が優勝し商店街も盛り上がって本当によかったです」と話していました。

店のマネージャーの阪上正さんは「ここ地元は阪神と一緒に生きているようなものなので、きょうは商売抜き、赤字覚悟のお祭り気分でやっています」と話していました。

また、商店街の中に掲げられたリーグ優勝へのマジックナンバーを示すカウントダウンボードでは「1」になっていた表示をはりえる催しが行われ、「阪神優勝おめでとう」というかけ声とともに数字が「0」にかえられると大勢の人たちが拍手を送り声をあわせて「六甲おろし」を歌いました。

商店街の寺井利一理事長は「タイガースが好きな人とこの瞬間を迎えられてうれしい。この商店街は阪神が強い時も弱い時も応援してきているので、そのスタンスを変えずにこれからも阪神とともに盛り上がれるようなイベントを行っていきたい」と話していました。

マジックナンバーのボードが「0」に張り替えられるのを見た茨城県の20代の女性は「きのうは球場で試合を見て優勝の瞬間は涙が止まりませんでした。きょうはファンの人たちとともにマジックが『0』になるところを見ることができ、最高としか言いようがないです」と話していました。

尼崎市の20代の女性は「『0』になったのを見た瞬間、鳥肌が立ちました。最高の気分です。選手たちはゆっくり体を休め、クライマックスシリーズに向けてまた頑張ってほしいです」と話していました。

岡田監督の好物として話題「パインアレ」配布 滋賀 長浜

プロ野球・阪神のリーグ優勝を受けて、滋賀県長浜市のJR虎姫駅にある虎をまつった神殿「虎神殿」を守ってきた人たちが15日朝、神殿を訪れた人たちに岡田監督の好物として話題になっているパイン味のアメを配布し喜びを分かち合いました。

長浜市のJR虎姫駅には、阪神タイガースにあやかって町おこしをしようと周辺の商店街が20年前に作った虎をまつったユニークな神殿「虎神殿」があり、ファンからは「タイガースの勝利の女神」と親しまれています。

阪神のリーグ優勝から一夜明けたけさ、「虎神殿」には駅を利用する人や地元の人たちが続々と訪れ、神殿の前で手を合わせてリーグ優勝のお礼とともに早くも日本一を祈願していました。

また、神殿の管理者などが、岡田監督の好物として話題になりファンの間で「パインアレ」とも呼ばれているパイン味のアメを訪れた人たちに配って優勝の喜びを分かち合っていました。

そして神殿に掲げていた「ARE、おめでとうセ・リーグ優勝」と書いた看板に「14」と日付けを書き入れていました。

神殿を管理している多賀冨美男さんは「神殿をつくって本当によかったです。ぜひ、日本一にむけて頑張って欲しい」と話していました。

大阪のデパートで記念セール 開店前から長い列

阪神タイガースのリーグ優勝から一夜明けた大阪・北区の阪神梅田本店では、記念セールに向けて開店前からおよそ2000人が列をつくる中、タイガースのマスコットキャラクターの「トラッキー」らがくす玉を割って優勝を祝いました。

そして通常より30分早い午前9時半に開店すると、セールを待ちかねた客がそれぞれ目当ての品物を買い求めていました。

セールでは18年ぶりのリーグ優勝にちなんだ1800円の記念のケーキや、記念パッケージに入ったバウムクーヘンなどが販売されています。

また、各フロアでは優勝を記念した福袋などが販売されています。

大阪・福島区の40代の女性は「きのうは家のテレビで試合を見ていて盛り上がりました。リーグ優勝したのでこのセールを狙ってきました」と話していました。

大阪市内の40代の女性は「物価高なのでお得に買い物ができて助かります。日本一を目指して球場にも応援に行きたいです」と話していました。

阪神梅田本店の小森栄司本店長は「18年ぶりに優勝セールができてうれしい。お客様と喜びを分かち合いたい」と話していました。

このデパートのほかにも、多くの商業施設や家電量販店で優勝を祝うセールが始まっています。

15日 8:00ごろ JR神戸駅前で号外配布 通勤途中の人ら喜び

神戸市中央区のJR神戸駅前では15日午前8時ごろから号外が配られ、通勤途中の人などが次々と受け取り、喜びをかみしめていました。

会社員の20代の女性は「勝ったときはうれしくて泣きました。佐藤選手のホームランは鳥肌が立ちました。早く家に帰って、きのうの試合の映像をまた見たいです」と話していました。

会社員の50代の男性は「本当に感動しました。岡田監督の『アレ』ということばでチーム全体がさらにまとまった気がします。日本一の『アレ』を目指してもうひと頑張りしてほしい」と話していました。

号外を受け取ったほか、コンビニエンスストアで優勝を報じる5つのスポーツ新聞をまとめ買いしたという飲食店経営の40代の男性は「家族の影響で子どものころから大ファンです。きのうの試合は経営する店でお客さんと一緒に観戦し、優勝の瞬間は叫び、泣きました。自宅にタイガースグッズを置く棚があるので、号外と一緒に大切に飾ります」と笑顔で話していました。

一夜明け 大阪では喜びの声 日本一に期待

一夜明けた15日、大阪市では、通勤、通学する人たちから阪神の優勝をたたえる声が聞かれました。

40代の男性は「きのうは甲子園で試合を観戦しましたが、18年間待ちわびた優勝に、喜びがはじけたような雰囲気でした。次の目標はまた言葉にすると実現しないかも知れないので、次の『アレ』を目指して頑張ってほしいです」と話していました。

阪神の応援グッズのTシャツを着た20代の女性は「きょうはみんなに見せたくて、7月に甲子園で買ったこのTシャツを着てきました。阪神は最高です。これからも頑張ってほしいです」と話していました。

別の40代の男性は「きのうの試合は最後までハラハラする展開でしたが、打つべき選手がしっかり打ったとても良い試合でした。オリックスとの日本シリーズになれば関西がさらに盛り上がるので期待しています」と話していました。

しこ名“阪神”力士が喜び

プロ野球・阪神の18年ぶりの優勝に大相撲界も沸いています。

大ファンとして知られ、しこ名にも球団名を入れている三段目の朝阪神(あさはんしん)が喜びを話しました。

大阪府出身で高砂部屋の23歳、朝阪神は父の影響もあり子どものころから大の阪神ファンで、今も球場に足を運ぶなど応援を続けています。

しこ名は入門当初は本名をもとにした「朝塩本 直輝」でしたが、阪神好きが高じて5年前に「朝阪神 虎吉」に改めました。

朝阪神は今場所、三段目で臨み、ここまでの2番でいずれも敗れていましたが、阪神の優勝から一夜明けた6日目の15日の取組では、足を取られて土俵の外に出そうになったものの、その前に相手が土俵に手をつき、初白星を挙げました。

取組のあと朝阪神は「ラッキーだった。終わったと思ったけど、どんな形であれ勝ててよかった。きょうは絶対に勝ちたいと思っていた」と笑顔を見せました。

阪神が優勝した瞬間はテレビで見届けたということで「めちゃめちゃうれしくてガッツポーズをした。前回優勝したときは幼稚園に通っていたし、こういうしこ名をつけてから優勝を見ることができたのでよかった」と喜びを話しました。

みずからの相撲についても「きょうをきっかけに変わっていければいい。けがせずに1歩1歩、上に上がっていきたい」と話し刺激を受けていました。

14日 22:00ごろ 大阪で号外 受け取ったファンからは喜びの声

大阪 中央区では、14日午後10時ごろから新聞の号外が配られ、受け取ったファンからは喜びの声が聞かれました。

3年前からのファンで、夫と一緒に近くの居酒屋で観戦していたという女性は、「感動して涙が出そうになりました。この号外は宝物なので、家でゆっくり読みたいです。あしたも仕事ですが、もう少し余韻にひたってから帰ろうと思います」と話していました。

チケットが取れず、近くのカラオケ店で観戦していたという男性は、「優勝が決まった瞬間、叫びながら泣いていました。この号外の記事は額縁に入れて飾りたいです。帰りの電車の中で再び泣くかもしれませんが、あすへの活力にしたいです」と話していました。

岡田監督行きつけのお好み焼き店 店主やファンが喜び分かち合う

阪神の18年ぶりの優勝を見届けようと、大阪市内にある、岡田彰布監督が行きつけのお好み焼き店では、監督を知る店主やファンがテレビで試合を見守り、優勝の喜びを分かち合いました。

大阪 北区にあるお好み焼き店は、岡田監督が解説者をしていた2009年ごろから、今シーズン再び阪神の監督に就任するまで、何度も通っていました。

阪神の18年ぶりのリーグ優勝を見届けようと、ユニフォームを着たファンなどが集まり、試合を見守りました。

この店には、岡田監督がみずから鉄板の上で片手で卵を割って豚肉を焼いて作った鉄板焼きのメニューがあり、監督の座右の銘の「道一筋」にちなんで「一筋焼き」と名付けられています。

店では一番の人気メニューだということで、14日夜もファンが「一筋焼き」を口にしながら声援を送りました。

そして、阪神が18年ぶりの優勝を決めると、店主の鶴巻早雪さんは、目に涙をためながら「本当に胸が詰まります。最高です。ありがとうございます。感謝しかありません」と話していました。

50代の男性ファンは「ファンとしても『優勝』ということばを我慢してきましたが、やっと胸を張って『優勝したぞ』と言うことができます。めちゃくちゃうれしいです」と話していました。

14日 20:50 兵庫 尼崎の「トラのおばちゃん」も祝福

熱狂的な阪神ファンで、「トラのおばちゃん」として尼崎市で有名な引田孝子さん(79)は、18年ぶりのリーグ優勝が決まるとクラッカーを鳴らして祝福し、涙を流して喜んでいました。

引田さんは「うれしくてたまりません。岡田監督も選手の皆さんも頑張ってくれて、ごくろうさまでしたという感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます」と話していました。

そして、「きょう、18年ぶりに阪神タイガースが優勝しました。おめでとうございます」と言って、集まったファンの仲間とともに店内に用意したくす玉を割っていました。

尼崎 商店街 手を合わせて祈る人も「立ち会えてよかった」

尼崎市の「中央三丁目商店街」では、飲食店のテレビで試合の様子を見ながら応援する人や、立ち止まってスマートフォンで試合の状況を確認する人の姿が見られました。

試合の終盤になると、飲食店に入れなかった人たちが店の外に集まって応援する様子も見られ、手を合わせて祈る人もいました。

そして優勝が決まった瞬間には、大きな歓声と拍手があがり、集まった人たちは、「六甲おろし」を合唱したり、ハイタッチをしたりして喜びを分かち合っていました。

西宮市の60代の男性は「もうことばが出ないです。また気を引き締めて次の『アレ』に向けて頑張ってほしいです。この瞬間、ここで立ち会うことができてよかったです」と涙を流しながら話していました。

東京から来た20代の女性は「巨人に結構点を取られていてヒヤヒヤしたのですが、最終的に勝って優勝してくれて本当によかったです」と話していました。

神戸 三宮 喜びの声「ぜひ日本一まで」

神戸市中心部、三宮の繁華街では喜びの声が聞かれました。

40代の男性は「ラジオを聞いていて優勝を知りました。ことし7月に亡くなった元選手の横田慎太郎さんのことを思うと、泣きそうな思いです。これからぜひ日本一まで行ってほしい」と話していました。

生まれたときから阪神ファンだという男性は「18年ぶりということと、甲子園で優勝を決めたことで、感極まっています。クライマックスシリーズを勝ち抜いて、日本シリーズはオリックスとの『関西ダービー』になることを期待しています」と話していました。

22歳の女性は「前回優勝したときは4歳でほとんど記憶にないので、阪神の優勝が本当にうれしいです。この勢いで日本一をとってほしい」と話していました。

大阪 道頓堀 戎橋ではバンザイや「六甲おろし」を合唱

大阪 ミナミの道頓堀には多くの人が詰めかけていて、阪神タイガースの優勝が決まると、道頓堀川にかかる戎橋の上で応援のメガホンを持った人たちがバンザイしたり、「六甲おろし」を合唱したりしていました。

道頓堀では多くの人がスマートフォンを構えて優勝の瞬間の様子を動画で撮影していて、跳びはねて喜ぶ人やハイタッチをして喜びを分かち合う人たちの姿が見られました。

神戸市から来た20代の男性は「甲子園のチケットがとれず残念でしたが、それならばと楽しそうな道頓堀に来ました。優勝は悲願だったので、岡田監督、最高です」と話していました。

東京から来た30代の自営業の男性は「きのう試合を見て、きょう東京に帰る予定でしたが、このまま帰るわけにはいかないと思い道頓堀に来ました。優勝は本当にうれしいのひと言です」と話していました。

大阪 住吉区から来た50代の男性は、「もう感謝、感謝です。みなさんにありがとうと伝えたいです」と話し、バンザイをして喜んでいました。

14日 20:50 大阪 北区 優勝の瞬間 割れんばかりの歓声

阪神タイガースのファンが集まる大阪市内の居酒屋では、リーグ優勝が決まった瞬間、大きな歓声が上がりました。

中には涙を流す人もいて、18年ぶりの優勝に喜びを爆発させていました。

大阪 北区の居酒屋には、営業を始めた午後5時半過ぎには阪神のユニフォームを着たファンなどが次々と訪れ、18年ぶりのリーグ優勝に向けて盛り上がっていました。

7回裏に得点をあげてリードを広げた時には、集まった人たちは乾杯をしたり、ガッツポーズをしたりして喜んでいました。

そして、優勝が決まった瞬間には割れんばかりの歓声をあげながら、抱き合って18年ぶりのリーグ優勝の喜びを分かち合い、中には涙を流している人もいました。

ファンの女性は「きょう『アレ』ができて本当によかった。阪神のことをもっと好きになりました。こんなに変われるんだというシーズンを見せてくれて、自分のことのようにうれしかったです。人生で初めて『アレ』する瞬間を一緒に迎えることができました」と話していました。

別の女性は「正直この瞬間が来るとは思っていなかったので、めっちゃうれしいです。ことしは団結力です。ことばが出ないほど感動しました」と話していました。

また、ファンの男性は「岡田監督の采配が最高で、1年間見ていて野球が楽しかったです。『ありがとう』ということばしかありません」と話していました。

キャンプ地 沖縄 宜野座村 「六甲おろし」やカチャーシーで喜び

20年にわたってキャンプが行われている沖縄県宜野座村では、村役場に集まった多くの人たちから歓喜の声が上がりました。

優勝へのマジックナンバーを「1」として迎えた試合を見ようと、宜野座村役場には多くの人たちが集まりました。

集まった人たちは大型テレビの前で観戦し、点が入ると指笛を吹くなどして喜んでいました。

そして優勝が決まると、集まった人たちは「六甲おろし」を歌ったりカチャーシーを踊ったりして喜びあっていました。

集まった男性の1人は「阪神が宜野座をキャンプ地に選んでから20年来のファンなので興奮しています」と話していました。

宜野座村の當眞淳村長は「球団も地域と連携しながらお互いと信頼関係が構築できていると思っています」と話していました。

キャンプ地 高知 安芸「長かったが 諦めずに応援してきた」

昭和40年から阪神のキャンプが行われてきた高知県安芸市では、14日夜の試合に合わせて市民が一緒になって盛り上がれるよう、安芸観光情報センターの駐車場に大型のテレビが設置されました。

テレビの前には100の座席が用意され、午後6時に試合が始まると立ち見が出るほどの盛況となり、集まった人たちは安芸市が配った「タイガース」のチーム名が入った帽子をかぶりながら試合を見守りました。

6回に5番の佐藤輝明選手がツーランホームランを打ったシーンでは、観戦していた人たちは総立ちとなりました。

そして、9回に最後のバッターを打ち取ると、集まった人たちは大きな歓声を上げて18年ぶりのリーグ優勝の喜びを分かち合っていました。

会場では優勝を祝うくす玉も割られ、「タイガースタウン」として全国の阪神ファンに親しまれている安芸市は優勝の熱気に包まれました。

観戦した市内の女性は「阪神ファンになってから初めての優勝で実感はまだないですが、いちばんうれしいです」と話していました。

地元の後援会、安芸猛虎会の長野泰啓会長は「追い求めていた恋人に会った感じです。18年間は長かったですが、諦めずに応援してきました。安芸はタイガースの故郷ですから、これからも応援を頑張っていきたい。キャンプで選手に会えるのを楽しみにしています」と話していました。

14日 17:25 道頓堀川にかかる道頓堀橋にシート設置

大阪 ミナミの道頓堀川にかかる道頓堀橋には、午後5時すぎ、周囲の視界をふさぐためのシートが設置されました。

2003年のリーグ優勝時に多くの人が川に飛び込んだ近くの戎橋側が見えないようにすることで、歩行者が立ち止まらないようにし、事故やトラブルを防ぐのが目的だということです。

現場では警察官が橋の欄干に長さおよそ2メートルの金属製の棒を次々に取り付けたあと、棒に青いシートをかけていました。

また、橋には機動隊の車両が待機し、警戒にあたっていました。

14日 17:00 あの人形 地上では38年ぶりの「アレ」を待つ

1985年に阪神タイガースのファンによって道頓堀川に投げ込まれたあの人形。24年後に引き揚げられて以来初めて、「アレ」を地上で迎えようとしています。

道頓堀のファストフード店に設置されていた「カーネル・サンダース人形」は、1985年に阪神タイガースがリーグ優勝した際、当時3冠王を獲得したバースさんに似ているとして、熱狂的なファンが胴上げし、道頓堀川に投げ込みました。

人形は行方が分からなくなりましたが、阪神はこの年の日本一を最後に長い低迷が続き、ファンの間では「カーネル・サンダースの呪い」とも言われてきました。

そして24年後の2009年、川沿いにある遊歩道の整備作業中に発見され、引き揚げられたあとは大阪 福島区にあるファストフード店の運営会社に保管されています。

人形は塗装が色あせ、ひびなども入っていますが、ケースに入れた状態で大切に飾ってありました。

1985年以降、阪神がリーグ優勝を果たしたのは2003年と2005年で、人形はその間水中に沈んでいたため、地上で「アレ」を迎えるのは38年ぶりとなります。

人形を保管している「日本KFCホールディングス」広報室の中川純一さんは、「長い年月を経ても変わらない笑顔で『奇跡の生還』を果たしたカーネルは、皆の気持ちを明るくしてくれました。阪神タイガースにも同じように『アレ』で世の中を明るくしてほしいです」と話していました。

道頓堀 阪神ファンの姿「経験ないので どうしたらいいのか」

道頓堀では、午後になると阪神タイガースのユニフォームを着たファンなどの姿が見られるようになりました。

神戸市から訪れたという10代の男性は「気持ちは激アツです。チケットがないので、試合は友人とカラオケボックスで観戦しようと思います。やはり4番の一振りで勝ってほしいです」と話していました。

スポーツバーで試合を観戦する予定だという20代の男性は「18年間待っていたので、とうとうこの時が来たという気持ちです。ほかの試合の結果に関係なく優勝を決めてほしいです」と話していました。

また、この男性と一緒に観戦するという20代の女性は「物心がついてから優勝を経験したことがないので、今はどうしたらいいのか分からない気持ちです。選手たちの連係プレーで勝つことを期待しています」と話していました。

14日 15:50 岡田監督の好物 “パインアレ”製造 菓子メーカーは

阪神タイガースの18年ぶりの「アレ」が間近に迫る中、岡田監督の好物として話題になっているアメをつくる大阪の菓子メーカーも、「アレ」が決まることに期待を膨らませています。

大阪 天王寺区にある菓子メーカーは70年以上前から輪切りのパイナップルをイメージしたアメを製造しています。

メーカーによりますと、
阪神の岡田監督が試合中に食べていることや、
インタビューで『好物』と公言した監督にメーカー側が贈ったことがSNSで話題となったことなどで、
阪神の「アレ」が近づいてきた8月の関西での出荷量は前の年の同じ時期と比べておよそ2倍に増えたということです。

パイン広報室の井守真紀 室長は「試合中に岡田監督が食べている姿がテレビに映るたび、『もしかしたら贈ったアメかな』と思いながら見ています」と話したうえで、14日の試合については、アメの形にちなんで「相手のチームのスコアボードに丸がいっぱい並ぶ、投手陣の活躍を期待したいです」とエールを送っていました。

14日 13:00 滋賀 長浜「虎神殿」にもファンが

滋賀県長浜市のJR虎姫(とらひめ)駅周辺の商店街では、20年前の2003年に、当時快進撃を続けていた阪神タイガースにあやかって町おこしをしようと、虎姫駅前に虎をまつったユニークな神殿をつくり「虎神殿」と名付けています。

今ではファンの間で「勝利の女神」または「タイガースの女神」として知られていて、神殿は、阪神の選手の名前や応援用のメガホン、それに六甲おろしの歌詞などで飾りつけられています。

「アレ」が目前に迫るなか、14日もファンが続々と訪れ、神殿の前で手を合わせ、「アレ」を祈願していました。

滋賀県甲賀市から訪れた60代の阪神ファンの男性は「今から近くの虎御前山に登って、山頂で阪神のユニフォームと写真を撮ろうと思います。9月は負けなしなので、一気に決めてほしい」と話していました。

一方、神殿を管理する地元の人は、早くも「ARE、おめでとう阪神タイガース セ・リーグ優勝」と書いた看板を神殿に飾りつけました。

ただ、日付けの部分は空白にしてあります。

神殿を管理する多賀冨美男さんは「優勝看板の日付けは14と入れたいので、絶対にきょうで決めてほしい」と話していました。

沖縄 宜野座村 キャンプ地では…

20年にわたって阪神がキャンプを行っている沖縄県宜野座村では、多くの人たちが村役場に集まって、チームやファンの間で「アレ」を待ちわびています。

阪神は、2003年から宜野座村でキャンプを行うようになり、それ以降の20年で2回の優勝を含む14回のAクラス入りを果たしています。

また、春のキャンプでは、人口およそ6000人の村に10万人のファンが訪れるなど、地元に大きな経済効果を生み出しています。

14日、村役場には多くの人たちがテレビで試合を観戦するために集まりました。

会場には、優勝までのマジックナンバーを記したカウントダウンの掲示板が置かれたほか、歓喜の瞬間に備えてくす玉も用意するということです。

巨人との試合が始まると、集まった人たちは熱心に歓声を送っていました。

高知 安芸 キャンプ地では…

阪神タイガースが長年春のキャンプを行い、今も秋のキャンプを行っている、高知県安芸市では、市役所の職員が阪神のユニフォームを着て業務にあたるなど、応援ムードが高まっています。

さらに、市民が一緒になって盛り上がれるよう、安芸観光情報センターの駐車場に大型のテレビを置いて観覧席を設けたほか、優勝した時に割るくす玉も用意するなど、着々と準備を進めていました。

市の職員は「阪神の活躍を観戦して、市民とともに安芸市全体で盛り上がっていきたい」と話していました。

別の職員は「選手の皆さん、きょう決めましょう!『アレ』を」とエールを送っていました。

14日 10:50 試合前の甲子園球場「アレの瞬間を見たい」

本拠地、甲子園球場の周辺には午前中から熱心なファンが訪れ、記念写真を撮るなどしながら午後6時の試合開始を待っていました。

大阪から父親とともに観戦に来た14歳の男子中学生は、「前回優勝したときは生まれていなかったので、大好きな近本選手に打ちまくってもらい、アレの瞬間を見て帰りたいと思います」と話していました。

また、神戸市から訪れた30代の女性は、「自分のネイルに選手の名前を書いて、今、注目されているパイン味のアメも持ってきて、応援の準備は万全です。今シーズンは選手たちがすばらしい活躍を見せてくれていて、阪神ファンで本当によかったと感じています。きょうは絶対にアレするしかありません」と話していました。

インコ「キー太」も「アレ」へ熱いエール

話題を集めているのが、兵庫県尼崎市の黄色のセキセイインコ「キー太(きーた)」くん。

名前の由来は、阪神タイガースのマスコット、キー太です。

SNSに投稿された動画の中で、キー太くんは、阪神の連勝に「阪神勝ったー、やったー」と喜びの声を上げ、「阪神頑張ってや」とか「阪神『アレ』やで」などと、チームにエールを送っています。

また、近本光司選手に向けても「燃えろ燃えろ近本、かっ飛ばせ、近本」などと熱い声援を送っています。

飼い主の日下真弓さんは、夫婦で、長年の阪神タイガースファン。

自宅で阪神戦を観戦して応援しているうちに、一緒に見ていたキー太くんが応援のフレーズや選手の名前を話すようになったということです。

日下さんは「いよいよ『アレ』しそうですが、2年前にはあと一歩で逃しているので、まだ喜びすぎたらアカンでと思いながら、キー太と一緒に応援しています」と話していました。

14日に阪神の優勝が決まる条件は

阪神○か広島●→決定
阪神が14日の巨人戦で勝つか、
負けても広島がヤクルトに負けた場合、阪神の18年ぶりの優勝が決まります。

阪神△広島△→決定 阪神△広島○→決まらず
阪神が引き分けの場合でも条件次第で優勝が決まります。
阪神が引き分けのとき、広島も引き分けた場合は優勝が決定します。
一方、広島が勝った場合は持ち越しとなります。

阪神●広島△→決まらず
また、阪神が負けて広島が引き分けた場合も持ち越しとなります。

14日、阪神は巨人と甲子園球場で広島はヤクルトと神宮球場で対戦し、ともに午後6時試合開始の予定です。

道頓堀川“大腸菌検出 泳げる川ではない”専門家 注意呼びかけ

阪神が優勝すると、大阪市の繁華街などに多くの人が集まり優勝を祝うのが恒例となっていますが、2003年のリーグ優勝時には道頓堀の戎橋から5000人以上が川に飛び込む騒ぎとなり、1人が死亡したほか、複数のけが人が出ました。

この翌年、2004年から、大阪 北区にある日本分析化学専門学校は、川の水の濁りの程度や細菌の数などを調査しています。

水質は改善傾向にあり、去年11月には絶滅危惧種のニホンウナギの生息が確認されましたが、汚れの指標となる大腸菌の検出は続いていて、8月の調査では川の水100ミリリットル当たりおよそ1000個でした。

厚生労働省が定めた遊泳用のプールの基準は「大腸菌が検出されないこと」となっていて、日本分析化学専門学校の教務部長の宮道隆さんは「今も泳げる川ではない」と指摘しています。

その上で、「トイレの便器にたまっている水の中を泳ぐようなもので、腹痛や下痢などの健康被害につながるおそれがある。私も阪神ファンで『アレ』を楽しみにしている1人だが、水温が高い今の時期は菌も繁殖しやすく、飛び込むのは絶対に控えるべきだ」と注意を呼びかけています。

徳島でも川への飛び込みを警戒 大きな混乱なし

徳島市でも、過去の優勝の際に新町川に飛び込むファンがいたことから制服の警察官が出て警戒にあたりました。

警察によりますと徳島市では、これまで、阪神タイガースが、リーグ優勝した年に市の中心部を流れる新町川の「ふれあい橋」に大勢のファンが集まり、川に飛び込むなどの危険な行為もあったということです。

警察は、18年ぶりにリーグ優勝した14日夜、浮き輪を持った制服の警察官がおよそ30人体制で、川の周辺を巡回するなどして飛び込む人がいないかなど警戒にあたりました。

優勝が決まった午後9時前の時点では大きな混乱はないとうことで、警察は「ルールを守って優勝の余韻を楽しんで欲しい」としています。