【詳しく】ラグビーW杯 日本代表チリに勝利 3大会連続白星発進

ラグビーワールドカップフランス大会、日本は1次リーグの初戦で初出場のチリと対戦し42対12で勝ち、3大会連続の白星スタートを切りました。日本はこの試合、6つのトライを奪い、ボーナスポイントを含む勝ち点5を獲得しました。

記事の後半では試合の詳細を【動画付き】でまとめています。

《試合概要は》

世界ランキング14位で前回大会を上回るベスト4以上を目指す日本はトゥールーズで10日、1次リーグの初戦で初出場で22位のチリと対戦しました。

日本は前半6分、チリに先制トライを奪われましたが、直後の8分、キックオフからボールを奪って連続攻撃につなげ、最後はフォワードのアマト・ファカタヴァ選手がトライを奪い、同点に追いつきました。

このあと、相手選手がイエローカードで一時退場となり日本が数的優位に立つなか、30分には相手ゴールライン前のスクラムから展開し、ウイングのジョネ・ナイカブラ選手がトライを決めて勝ち越し、前半終了間際にもファカタヴァ選手の2つ目のトライなどで21対7とリードを広げて折り返しました。

リーチ マイケル選手がトライ

後半8分、日本はチリにモールで押し込まれ連続攻撃からトライを奪われましたが、13分、得意の速いテンポの攻撃を重ね最後はフランカーのリーチ マイケル選手のトライで突き放しました。

日本は31分にセンターの中村亮土選手、試合終了間際にも途中出場のワーナー・ディアンズ選手がトライを挙げ、この試合合わせて6つのトライを奪いました。

さらにスタンドオフの松田力也選手がトライの後のコンバージョンキックを全て決め、42対12で勝って3大会連続の白星スタートを切りました。

また日本は4つ以上のトライを決めたチームに与えられるボーナスポイントも得て勝ち点5を獲得しました。

日本は今月17日、日本時間の今月18日に1次リーグの2戦目で前回大会準優勝で世界ランキング8位の強豪イングランドと対戦します。

《試合後 選手・ヘッドコーチ談話》

急きょゲームキャプテン SH 流大
「ワールドカップで勝つのは難しいこと。すばらしいオープニングゲームになった。チリのフィジカルに苦戦することもあったけれど、自分たちのラグビーができてよかった。(急きょのキャプテンについて)背負い過ぎることなくふだん通りのリーダーシップを意識し、チーム全員に同じ方向、同じ絵を見させることに集中した」

4大会連続出場 FL リーチ マイケル
「日本のサポーターがたくさんいる中で勝ててよかった。相手は感情をすごくぶつけてきたので少しプレッシャーをかけられたけど、点数をしっかり取れてよかった。次のイングランド戦は負けられない試合なので気を引き締めていい準備をしたい」

6つのコンバージョンキックすべて成功!SO 松田力也

「初戦ということで日本のラグビーをみんなできたことがよかった。勝ったことで次を見据えて頑張ってきたい。キックはこれまで難しい試合で外してきたけれど、きょうは緊張はめっちゃありましたが、決めることができて本当によかった」

チーム5つ目のトライ CTB 中村亮土

「ほっとしました。少なからず日本全国の皆さんのプレッシャーを感じていた。初戦がいちばん大事だったので、自分たちのゲームプランを信じて臨んだ。80分を通して、しっかりリードして、最後スコアを離すことができ、日本代表としてはいい形で試合を終えられた。チリにラインブレイクされることはあったが、次の試合に向けて修正していきたい。もう一度チームが1つになって、試合に出ていないメンバーも1つになって次に臨みたい」

初出場 FL下川甲嗣
「内容的にタフな試合になったが、勝ってワールドカップをスタートさせることができてよかった。(テーマにしていたディフェンス面は)早く準備して前に出てプレッシャーかければ守備から流れを作ることができると思っていた。やろうとしていたことはできたと思う。次も継続してやっていきたい」

ジェイミー・ジョセフHC「選手たちを誇りに思う」

「チリのタックルはすごい勢いで大変なプレッシャーをかけてきた。このプレッシャーへの対応が最大の仕事だった。われわれは最近、試合に勝てておらず自信を失っていたが、頑張り抜いてくれた選手たちを誇りに思う」と試合を振り返りました。そのうえで「きょうの結果で次の対戦相手であるイングランドは我々への見方が変わったと思う。試合を楽しみにしている」と第2戦への期待を膨らませていました。

試合後の記者会見では「かなりのプレッシャーがあったが勝つことができた。ここまで点数を取れるとは想像していなかった」と6つのトライを決めた試合を振り返りました。その一方で「タックルに課題があった。次のイングランド戦で同じことをしてはダメなので改善したい」と気を引き締めました。また、初戦をけがで欠場したキャプテンの姫野和樹選手については「もしかしたらプレーできたかもしれないが、ギリギリまで悩んで決断した。次戦以降に期待したい」と話していました。

チリ パブロ・レモイネHC「日本から多くのことを学ばないと」

チリのパブロ・レモイネヘッドコーチは、記者会見の中で日本について「日本はキープレイヤーを中心に試合を組み立てていた。こういう国際大会では、ミスが許されない。私たちは日本のラグビーから多くのことを学んでいかないといけない」と振り返りました。

キャプテンのマルティン・シグレン選手は「自分たちが日本相手にラインブレイクするなど打撃を加えられた時間もあったが、最後は力不足だった。希望を持って戦えたことが一番うれしかった」と話していました。

《解説陣の試合の見方は》

【解説:元日本代表の廣瀬俊朗さん】
「ディフェンスが良かったことが勝因の1つだ。アタックではトライを取りに行く意思表示が大事なので、そのあたりが結果につながったと思う。きょうはバックスにまだまだミスがあった。次のイングランド戦では、少ないチャンスで得点を取り切れれば、勝つチャンスが出てくる」
【解説:元日本代表の山村亮さん】
「日本は、前半と後半にチリにトライを取られたあと、トライをすぐに取り返した。嫌な流れになる前に、ゲームの流れを取り返したことが大きかった。次の対戦相手のイングランドはスクラムが強力だが、日本は、きょうの試合でスクラムからトライを取ったので、フォワードは自信を持っていいのではないか」

《試合スタッツ》

▽ボール支配率 日本44% チリ56%
▽攻撃
ラン
日本83 チリ125
パス 日本130 チリ127
モール成功数 日本4 チリ5
ラック成功数 日本64/チリ99
▽セットプレー
スクラム成功
日本91.7% チリ80%
ラインアウト成功 日本92.9% チリ70.6%
▽ディフェンス
タックル
日本149 チリ100
タックル成功 日本75% チリ76%

大会前の不安視かき消す勝利

ワールドカップ前のテストマッチなどで1勝5敗と苦しんだ日本は、この試合6トライの快勝で大会前の不安視する声をかき消しました。

大会前、日本は歯車がかみ合わない試合が続いていました。チャンスでのノックオンや守備での連係ミス、そして危険なタックルによるレッドカードが相次ぎ、大会本番を不安視する声もあがっていました。

リーチ マイケル選手がレッドカード(サモア戦 7月)

それでも大会が近づくにつれて選手たちは「状態は上がってきている」と話し、試合に向けて自信を示しました。そのことばどおり、チリとの初戦ではキャプテンの姫野選手が不在のなかでも素早いつなぎからのトライや強化してきたタックルなど、攻守にわたって日本らしさが見られました。

ただ、ワールドカップでベスト4以上を目指すチームにとって、初戦の勝利を喜んでばかりはいられません。

チリは大会初出場で、世界ランキングは日本の14位に対して22位。今大会の出場チームのなかで最もランキングが下のチームで、日本の真価が問われるのは2戦目のイングランド戦になります。

前回大会準優勝の強豪、イングランドに対して日本は過去10回の対戦で一度も勝っていません。ワールドカップ3大会連続で白星スタートを切った日本。1次リーグ突破に向けて次のイングランド戦が大きな山場となります。

《試合経過 詳細》

◇両チームメンバー◇

日本代表 ゲームキャプテンはスクラムハーフの流

◆FW(フォワード)
1. 稲垣啓太(33)
2. 坂手淳史(30)
3. 具 智元(29)
4. サウマキ アマナキ(26)
5. アマト・ファカタヴァ(28)
6. リーチ マイケル(34)
7. 下川甲嗣(24)
8.ジャック・コーネルセン(28)
◆BK(バックス)
9. 流 大(31)※キャプテン
10.松田力也(29)
11.ジョネ・ナイカブラ(29)
12.中村亮土(32)
13.ディラン・ライリー(26)
14.松島幸太朗(30)
15.セミシ・マシレワ(31)

◇控えメンバー(8人)◇
フォワード5人、バックス3人が入りました。
16.堀江翔太(37)/17.クレイグ・ミラー(32)/18.ヴァルアサエリ愛(34)/19.ワーナー・ディアンズ(21)/20.福井翔大(23)/21.齋藤直人(26)/22.長田智希(23)/23.レメキ ロマノ ラヴァ(34)

チリ代表

◆FW(フォワード)
1.ハビエル・カラスコ(26)
2.ディエゴ・エスコバル(23)
3.マティアス・ディトゥス(30)
4.クレメンテ・サアベドラ(25)
5.ハビエル・アイスマン(26)
6.マルティン・シグレン(27)※キャプテン
7.ライムンド・マルティネス(23)
8.アルフォンソ・エスコバル(26)
◆BK(バックス)
9.マルセロ・トレアルバ(27)
10.ロドリゴ・フェルナンデス(27)
11.フランコ・ベラルデ(28)
12.マティアス・ガラフリッチ(23)
13.ドミンゴ・サアベドラ(25)
14.サンティアゴ・ビデラ(25)
15.イニャキ・アジャルサ(24)

◇控えメンバー(8人)◇
フォワード6人、バックス2人が入りました。
16.アウグスト・ボウメ(26)/17.サルバドール・ルエス(23)/18.イニャキ・グルチャガ(27)/19.パブロ・ウエテ(34)/20.サンティアゴ・ペドレロ(22)/21.イグナシオ・シルバ(34)/22.ルカス・カルバーリョ(22)/23.ホセ イグナシオ・ラレナス(33)

18:40ごろ 選手やヘッドコーチ 到着後インタビュー

ラグビーの日本代表は、試合開始の1時間20分ほど前にバスで試合会場に入りました。

日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、到着後インタビューに応じ「チリは初めてのワールドカップ出場できょうの初戦に勝つことに重点を置いていると思う。プレッシャーのかかる試合になると思うが、我々もこの試合に向け非常に集中して臨めている」とチームの準備状況に手応えをにじませました。その上で「大会前までは良い結果を残せていなかったが、チームには経験のある選手に加え若い選手たちが多く入りいいバランスを保てている。日本の持ち味の素早いラグビーを展開して、積極的にボールを動かしながらも統率のとれたプレーで戦いたい」と試合に向けた意気込みを語りました。また会場入りの際、ジョセフ ヘッドコーチは松葉杖をついていましたが、そのことについての質問はなく、説明はありませんでした。

またリーチ マイケル選手もインタビューに応じ「やっと始まったなという感じで、すごく気持ちが高ぶってきた。試合は最初の10分がカギだと思うので接点のところをぶれずに一貫性をもってやれば自分たちのゲームが出来ると思う」と落ち着いた表情で話していました。

19:00ごろ 日本代表がピッチ上で練習

日本代表の選手たちは試合開始1時間ほど前からピッチに姿を見せポジションごとに体を動かしたあと、パス回しなどをして試合に備えました。ケガで欠場するキャプテンの姫野選手も姿を見せ、スクラムやラインアウトの練習を見守るなどしました。

プロップ稲垣啓太 節目の50キャップに

プロップの稲垣啓太選手は、チリ戦で日本代表通算50キャップの節目を迎えました。ワールドカップの初戦が50キャップ目となることについて「めぐりあわせを感じている」と話した稲垣選手。試合前、50キャップを記念してほかの選手に先駆けてグラウンドに入ると、会場から大歓声で迎えられました。

フォワード 平均身長 平均体重とも日本が上回る

▽日本:191.2cm 111.5kg
▽チリ:188.4cm 109.0kg

20:03 試合開始

日本の1次リーグ初戦、チリとの試合は日本時間午後8時すぎにチリのキックオフで始まりました。日本は、開始直前のコイントスでゲームキャプテンの流選手が「エリア(攻める方向)」を選択しました。

★トライ【前半6分】日本 0ー7 チリ

日本は、中盤でのタックルミスからチリに大きく前進され、先制のトライを奪われました。コンバージョンキックも成功し、チリに7点をリードされました。

★トライ【前半8分】日本 7ー7 チリ ◆動画◆

日本はリスタートのキックオフで相手のキャッチミスから連続攻撃を仕掛け、最後はフォワードのファカタヴァ選手がゴール右にトライしました。このあとのキックを松田選手が決めて同点に追いつきました。

【前半15分】坂手の「ジャッカル」でピンチしのぐ

日本は中盤をチリに突破されピンチを招きましたが、フォワードの坂手選手が密集でジャッカルし、相手の反則「ノットリリースザボール」を誘って、ピンチをしのぎました。

《豆知識》ノットリリースザボール

タックルされて倒された選手がボールを離さない反則です。略して「ノットリリース」とも呼ばれます。倒れてから2回動く前にボールを離さなければなりません。守備側はタックルで倒れた選手のもとに素早く集まってノットリリースザボールの反則を誘うことができます。この場合、守備側のチームにペナルティーキックが与えられます。

【前半20分】日本は敵陣深く攻め込むも得点ならず

日本は敵陣深くでの相手のペナルティーでゴールを狙わず、ラインアウトを選択。ラインアウトからモールで押し込もうとするもボールを出せず、相手ボールとなりました。

【前半24分】「シンビン」10分間チリは14人に

日本のフォワード、具選手が相手のタックルを受けてピッチに倒れ込みました。具選手は右ひざ付近を痛め、厳しい表情です。相手選手にはイエローカードが出されて10分間の出場停止「シンビン」となり、チリは1人少ない14人で戦うことになりました。

《豆知識》シンビン

悪質で危険なプレーや反則を繰り返す選手に対して審判が10分間の一時退場を命じるルールです。英語で「罪」を意味する「sin」と「置き場」を意味する「bin」を組み合わせた造語でシンビンが適用された選手は、フィールド外のハーフライン付近でイスに座って10分経過するのをひたすら待ちます。その間、決められた位置から動くことやコーチと接触することは禁じられています。代わりに誰かが入るのではなく、1人少ない状態で戦わなければならないため、チームにとって大きなデメリットとなります。

【前半28分】日本 松島の見事なタッチキックでマイボールに

日本はBKの松島選手の自陣からのキックが相手陣内の22mラインより奥でタッチラインを出て「50:22」のルールが適用となりマイボールになりました。

《豆知識》「50:22」

「50:22」は、おととし適用になった新しいルールです。自陣から蹴ったボールがバウンドして、22メートルラインより奥でタッチラインを出た場合、以前は蹴った側と逆のチームのラインアウトで試合が再開されていましたが「50:22」のルールでは蹴った側のラインアウトで再開されます。長い距離のキックをコントロール良く上手に使うことで、敵陣深くでマイボールラインアウトを得て試合を優位に進めることができます。

★トライ【前半30分】日本が勝ち越し!日本14ー7チリ◆動画◆

日本は敵陣ゴール前5メートルでのスクラムから左に展開し、BKのナイカブラ選手が走り込んでトライを奪いました。その後の松田選手のコンバージョンキックも成功し7点をリードしました。

【前半38分】チリ選手が危険なプレーで10分間の退場

松島選手に対するタックルが危険なプレーとされ、チリのシグレン選手にイエローカードが出されました。相手選手にはイエローカードが出されて10分間の出場停止「シンビン」となり、チリは再び1人少ない14人で戦うことになりました。

★トライ【前半41分】日本リード広げる 日本21ー7チリ

日本は敵陣ゴール前でのラインアウトから、モールで押し込み最後はフォワードのファカタヴァ選手がトライを奪いました。このあと松田選手が難しい角度からのキックを決め、前半が終了しました。松田選手はここまで3つのキックをすべて成功しています。

【ハーフタイム】両チームのスタッツ

【前半のスタッツ】
ボール支配率 日本45% チリ55%
▽攻撃
ラン 日本41 チリ59 
パス 日本69 チリ70
モール成功数 日本2 チリ1
ラック成功数 日本32 チリ49
▽セットプレー
スクラム成功 日本75% チリ75%
ラインアウト成功 日本90% チリ71.4%
▽ディフェンス
タックル 日本74 チリ47
タックル成功 日本76% チリ81%

21:12【後半開始】日本はFWの選手が交代

日本は後半開始からFWの具選手にかわり、ヴァル アサエリ愛選手が出場しています。

【後半7分】日本はライリーがシンビン 10分間の退場

日本のBK、ライリー選手が意図的に相手のパスをたたき落としたと判定され、イエローカードを出され10分間の退場「シンビン」となりました。

★トライ【後半8分】チリがトライ キックは失敗 21-12

日本は、チリに自陣22mより内側のラインアウトから連続攻撃を受け、トライを奪われました。その後のキックは成功しませんでした。

【後半10分】日本は2人選手交代 堀江と福井投入

日本はFWの坂手選手に代わって堀江翔太選手、FWの下川選手に代わって福井翔大選手が出場しました。

★トライ【後半13分】日本4トライ目 ボーナスポイント◆動画◆

日本は相手のキックからのカウンターで連続攻撃をしかけ最後はリーチ選手がトライを決めました。その後の松田選手のキックも成功しリードを16点に広げました。日本はこれがこの試合4トライ目で勝ち点のボーナスポイント「1」を獲得しました。

《豆知識》ボーナスポイントとは

ボーナスポイントは2つあり勝敗に関わらず、トライを4つ以上あげた場合にはさらに勝ち点「1」が追加されます。また負けた場合でも「7点差以内の負け」であれば勝ち点「1」が追加されます。

【後半15-17分】日本は3人の選手交代

日本はFWの稲垣選手に代えて、クレイグ・ミラー選手、BKのマシレワ選手に代わりレメキ選手、FWのサウマキ選手に代わりワーナー・ディアンズ選手が出場しました。

【後半21-23分】日本 齋藤直人と長田智希投入

日本はゲームキャプテンを務めたスクラムハーフの流選手に代わって同じくスクラムハーフの齋藤直人選手を投入しました。またナイカブラ選手に代えてセンターの長田智希選手が出場しました。ゲームキャプテンはリーチ選手が務めています。

【後半30分】日本は敵陣深く攻め込みペナルティーを誘う

日本は中盤の位置でのスクラムから相手陣地に深く攻め込み、相手のペナルティーを誘いました。

★トライ【後半31分】中村がトライ 日本 35-12 チリ◆動画◆

日本は、相手陣内深くで、スクラムで押し込んだあと左に展開し、最後はセンターの中村選手が相手のディフェンスを振り切ってトライを決めました。その後のキックも松田選手が落ち着いて決め、日本のリードは23点となりました。松田選手のコンバージョンキックは5本すべて成功しています。

【後半37分】日本はキックパスでトライ狙うもつながらず

日本は、長田選手が相手から危険なタックルを受けペナルティーを獲得。ラインアウトから攻めてキックパスでトライを狙いましたが、つながりませんでした。

★【試合終了 日本42-12チリ】終了間際 日本が追加点

日本は相手ゴール前5メートルの位置でスクラムから連続攻撃を仕掛け最後はFWのディアンズ選手がトライを決めました。松田選手がこのコンバージョンキックも決めてさらにリードを広げたところで試合が終了。日本は42対12で勝ち、3大会連続で初戦に勝利しました。

《まとめ》

日本代表は3大会連続の初戦勝利
・日本代表は勝ち点5でプールD首位に
・日本がW杯で40点以上をあげたのは32年ぶり
(大会初勝利をあげた91年10月14日のジンバブエ戦以来)
・次戦はイングランド戦(世界ランキング8位)

・イングランド戦 キックオフは日本時間9/18 4:00

《各地で日本代表に声援》

【試合会場で観戦した人たちは】
トゥールーズの試合会場で日本代表を応援した人たちは、試合のあと口々に初戦の勝利を喜びあっていました。
東京から来たという女性は「ボーナスポイントもちゃんととれて最後までトライをとりにいく姿勢がすごくよかった」と話していました。
妻と職場の後輩とともに神戸から訪れたという男性は「初戦の不安はあったがミスが少なくて気持ちが入ったプレーが多かった」と話していました。

【稲垣選手の地元・新潟では家族などが応援】
稲垣啓太選手の地元・新潟市内でもパブリック・ビューイングが行われ、稲垣選手の両親や兄、それに母校、新潟工業高校のOBなどおよそ170人が集まりました。
稲垣選手の父、工(たくみ)さんは「ディフェンスで良いプレーがあったと思います。次のイングランド戦も今までやってきたことを精いっぱい出してほしい」と話していました。

【熊谷ラグビー場でパブリック・ビューイング】
日本代表に11人が選ばれている埼玉パナソニックワイルドナイツが試合で使っている埼玉県熊谷市の熊谷ラグビー場には大勢のファンが集まり試合の映像を見ながら声援を送りました。埼玉県入間市から訪れた女性は「日本がたくさんトライを奪う最高の試合でした。このまま全勝で優勝を目指して頑張ってほしいです」と話していました。

【NHK福岡放送局でも】
NHK福岡放送局ではパブリックビューイングが行われ、事前に応募したおよそ100人のファンが集まりました。試合前には、福岡県久留米市出身でゲームキャプテンを務める流大選手について「前回大会でたくさん活躍してくれたので、今回も期待しています」という声や、福岡市の修猷館高校出身で先発出場する下川甲嗣選手ついて「彼の激しいタックルとトライを期待しています」といった声が聞かれました。日本の勝利に、かつて流選手が所属していたラクビークラブの小学4年の男の子は「4トライ以上もとれていい試合でした。次のイングランド戦も勝ってほしいです」と話していました。

チリ 試合後ファンと喜び分かち合う

初出場となったチリ代表は、試合後、詰めかけた大勢のファンとハイタッチをしたり記念撮影に応じたりと、試合には敗れたものの、初めての大舞台を経験した喜びをファンとともに分かち合いました。試合後の記者会見で、パブロ・レモイネヘッドコーチは「チリにとって歴史的な日だ。ラグビーワールドカップにとっても初めての国が参加することは大事なことで、すばらしい体験をした」と話しました。
観戦に訪れた20代のチリ人の男性は「国歌が斉唱されたとき、みんな感情的になって涙を流した。夢を見ているようだった」と話していました。ラグビーの歴史に新たな1歩を刻んだチリ代表。ファンとともに次に目指すのはワールドカップでの初勝利です。