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特定の人やキャラクターを支援するのではなく、「推し」を応援したい気持ちを企業の支援に結び付け、活動をサポートしようという新しいサービスが広がっています。
アニメファンが制作現場をサポート 飲料メーカーが始めたサービスとは
200人ほどのスタッフが働く、東京都内のアニメの制作スタジオ。スタッフの1人が一息つこうと、健康をサポートするという商品を手に取りました。スタジオの一角にはこうした飲み物などが並んでいて、なんと無料です。
このスタッフは「ずっと集中してやっているので、こういうの(飲み物)などを飲めたりするとすごくいいと思う」と話しました。
このサービスは4月から大手飲料メーカーが始めました。アニメ制作会社のスタッフは、ドリンクやサプリ、スポーツジムの利用券など、欲しいものを無料で取り寄せることができます。
費用を負担しているのは、制作現場を応援したいアニメファンです。アニメファンが毎月決まったお金を支払うと、制作会社にポイントが分配されます。このポイントを利用してサービスを受ける仕組みです。
自身も大のアニメファンだという飲料メーカーの担当者、奥村雄実さんは次のように話しています。
飲料メーカー 奥村雄実さん
「(アニメ業界は)非常に多くの方が長時間働いている。健康を損なって作品が作れなくなってしまうと非常に大きな損失だと思っている。お客様と一緒にそういった問題に取り組めるようなサービスがあれば」
費用を負担するファンには、“お返し”として限定コンテンツが届けられます。
サービスを受けているアニメ制作会社 プロデューサー 西川恭平さん
「アニメのこれまで公開してなかった設定資料や、制作のために必要な資料を公開していければと思っていて、(ファンと制作現場が)お互いに支え合う関係がつくれるんじゃないか」
“推し”の餌をファンが購入 物価高の中、飼育施設に「メリット」
推し活の対象は人間だけではありません。千葉県館山市の動物園「アロハガーデンたてやま」では…
「ユーザー」とは、動物を推しているファンのことです。
この動物園ではサービスを利用することで、カピバラやカワウソの餌代を3分の1ほど減らせたといいます。
館山市の動物園 動物グループリーダー 香取隼人さん
「最近だと光熱費が上がったり、水道代、動物に与える餌も物価高で高くなっているので、(餌をいただけるのは)とても大きいメリット」
ファンへの“お返し”はオリジナルの動画やグッズなどです。
餌を購入したファンの1人は「なかなか身近で見ることのできない動物なので、のんびりとした様子だとかを動画で見ると癒やされる」と話していました。
このサービスは2023年10月に始まりました。現在、館山市の動物園以外に5つの動物園や水族館が利用していて、毎月100人ほどが支援しているということです。
サービスを提供する会社 棚木 悠 代表取締役
「動物の一生をみんなで応援していく。社会全体で守っていって応援していく存在になるような世界を目指してこれからもサービスを大きくしていきたい」
アニメ業界へのサービスも、動物たちへのサービスも、ゆくゆくは海外のファンからの支援も受けられるようにしたいということです。
推し活はグッズを買ったりコンサートなどで応援したりというイメージがありますが、作品を作る人や、“推し”の周りの人の支援へと多様化しているようです。
【2024年4月15日放送】
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