Z世代の企業選び 互いを知ることがカギに?

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「Z世代」とは一般的に1990年代半ば以降に生まれた10代~20代後半の若者のことです。

地方では就職をきっかけにZ世代の若者が転出する動きがみられ、人口減少の要因のひとつとなっています。長野県では、企業が学生との接点を作り、地元での就職に結びつける取り組みが始まっています。

学生が社長にインタビュー 「企業選びの視野広げて」

インタビューする小古井さん(左)と青山社長

長野県塩尻市で2月に行われた県内企業の社長へのインタビュー取材。地元の大学生だった小古井遥香さんが、県内のIT企業の青山雅司社長に話を聞きました。

大学生が社長にインタビューするこの企画は、長野市の広告会社が2022年に始めました。社長から直接話を聞くことで県内企業の魅力を学生に知ってもらい、地元での就職につなげるねらいです。

小古井さんは「長野県ではIT企業というイメージがなかなか湧かない」と質問しました。それに対し青山社長は「ITに関して言うと中心地は東京。(長野は)東京まで陸続きで何かあれば2~3時間で行ける。すぐ行けるのは、ITの世界においては長野県の強さ」と答えていました。

インタビューを終えた小古井さんは次のように話していました。

小古井さんは2022年の夏からこのインタビュー企画に参加していて、24年春に県内の金融機関に就職しました。県外の就職を考えたこともありましたが、地元の経営者の力になりたいと思ったといいます。

インタビュー企画を運営する長野市の広告会社 山口一生 社長
インタビュアーとしてたくさんの社長に出会うことで、企業選びの視野が広がってくれれば

インタビュー企画を運営する山口一生社長

学生が講師役 経営者が「若者の考え方浴びる」勉強会

講師を務める学生(右)

企業側から学生のことを知ろうとする取り組みも。長野市で3月に行われた、地元企業の経営者たちによる勉強会。講師を務めるのはZ世代の地元の学生たちです。

取材した日、経営者を前に話をしたのは、美容サロンを営んでいるという地元の学生です。実体験をもとに、若い男性の美容に対する意識の高まりについて話しました。

テーマは男性の美容意識の高まり
経営者たちから質問を受け…
答える学生

そのうえで講師役の学生は「SNSの発達で一般人でも多くの人の目につくようになった。見られている状態が多くなってきている」と話していました。

経営者たちは、地元の学生が何に興味を持っているのか採用に生かせるヒントを探ろうと、真剣に聞いていました。

勉強会の主催者の1人 児玉光史 社長
40過ぎて若い人と話す時間も短くなっている。理解できるか分からないけれど、とりあえず『考え方を浴びてみよう』という漠然とした思いから(勉強会を)始めた

主催者の1人 児玉光史社長

講師を務めた学生は、若者のことを少しでも知りたいという経営者の姿勢に共感したといいます。

講師役の学生
若い人たちにとって、受け入れてくれる経営者がいるのは自分自身の働きやすさにもつながる

児玉社長
地域として経営者がどんどん若い人のところに飛び込んでいく。新卒の人、大学生に選んでもらえるような会社でありたい

就職したあと、思っていた職場と違ったというミスマッチをなくすためにも、企業と学生の接点を増やすことが大事ではないでしょうか。
(長野局 池田昌平)
【2024年4月3日放送】
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