パリパラリンピック競技ガイド

ヨーロッパで生まれたボッチャはイタリア語でボールの意味。脳性まひなど比較的重い運動機能障がいのある人のために考案されたパラリンピック特有の競技。1984年ニューヨーク大会から正式競技に加わった。最初にジャックボールと呼ばれる白いボールを投げ、続いて赤と青の各6個のボールを投げたり転がしたりして、ターゲットとなるジャックボールにいかに多くのボールを近づけるかを競う。途中でジャックボールを直接弾いて動かすこともできる点が特徴。シンプルだが戦略性が高く、一発逆転もある頭脳戦。障がいの内容や程度によって4つのクラスに分かれ、1対1の個人戦と2対2のペア戦は4エンド、3対3の団体戦は6エンドを行い総得点で勝者を決める。障がいによってボールを投げることができない選手は足でキックしたり、ランプと呼ばれる滑り台のような器具を使ったりする。介助者は選手の指示を受けてランプの高さや角度を調節するが、選手へのアドバイスやコートを振り返ることはできない。これまで男女共通で行われてきた個人戦はパリ大会では男女に分かれて、それぞれ4つのクラスで争う。ペア2クラスと団体は男女混合で変わらず、合わせて11のクラスでメダルを争う。前回東京大会では脳性まひなどの障がいが軽いクラスで、杉村英孝選手がボッチャで日本初の金メダルを獲得した。