パリパラリンピック競技ガイド

1960年第1回ローマ大会からの実施。視覚障がい、知的障がい、運動機能障がいの選手が参加する。競技用の反発力のある義足や車いすを駆使するクラスのほか、視覚障がいのクラスでは一緒に走るガイドランナーや音声で方向を伝えるコーラーをつけることができるクラスがある。夏季大会では最も参加人数が多く、障がいの種類や程度によってクラス別に競技するため、同じ距離の決勝レースが数多く行われるのが特徴。近年はカーボン製の義足や競技専用の車いすなど用具の進歩も目覚ましく、競技レベルの向上が著しい。
トラック種目では、さまざまな障がいがある男女2人ずつ計4人の選手が体にタッチしてリレーするユニバーサルリレーが前回東京大会で初登場。障がいや性別の違いをつなぐ新しい種目として注目された。視覚障がいの選手をサポートするガイドランナーは100mから5000mまでのトラック種目とマラソンで活躍する。一緒に完走した場合は選手とともにメダルが授与される。
フィールド種目のうち跳躍では、義足の男子走り幅跳びでオリンピックの優勝記録を上回る実績を持つ選手も登場。視覚障がいのクラスは、コーラーが声や手拍子で選手に踏み切りの位置を伝えるため競技場全体で静かな環境を作り出す。投てきでは、パラリンピック独自の種目としてボウリングのピンに似た棒を自由な投法で投げて距離を競う「こん棒投げ」が採用されている。
大会ごとに区分クラスの入れ替えがあり、パリ大会では男子90、女子73、混合1の計164のクラスでメダルを争う。