パリオリンピック競技ガイド

陸上競技と並ぶオリンピックの花形競技。プールで一定の距離を自由形、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライの決められた4つの泳法で泳ぎタイムを競う競技。1896年の第1回アテネ大会は男子自由形の1種目だけだった。1912年ストックホルム大会から女子種目も採用。パリ大会は男女37種目が実施される。この中には海、川、湖など自然の水域で遠泳するマラソンスイミングが含まれる。

＜個人種目＞

最も速いクロールで争われる自由形は世界の男子トップ選手で最も短い50mをおよそ21秒で泳ぐ圧倒的なスピードと迫力が魅力。背泳ぎは仰向けの体勢でしなやかに腕を使い水面を滑るように進んでいく。バタフライは蝶が飛ぶような美しさとダイナミックなフォームが醍醐味。最もあとになって1956年メルボルン大会から種目に加わった。平泳ぎは4つの泳法のうちで唯一水をかいた腕を水中で前に戻すため、水の抵抗をいかに抑えるかがポイントになる。1人で4泳法を泳ぐ個人メドレーは高い総合力が求められる。バタフライ→背泳ぎ→平泳ぎ→自由形の順に泳ぎ、選手によって得意種目が異なるため順位が変動する激しい展開に。

＜リレー種目＞

前の泳者がタッチする瞬間と次の泳者の足がスタート台から離れるまでの「引き継ぎ」の時間をどう縮めるかが重要。メンバーの合計タイムが上位でも、引き継ぎ次第では順位を落とすこともあれば、引き継ぎ時にフライングをしてチームが失格するケースも。メドレーリレーは背泳ぎ→平泳ぎ→バタフライ→自由形の順番。前回東京大会から新種目として男女混合の400mメドレーリレーが採用された。男女2人ずつの4人でチームを組み、どの泳法を男女どちらが泳ぐかはチームの自由。男子と女子が同時に泳ぐこともあり、大きな順位変動や逆転もあり得る。東京大会はイギリスが初代王者になった。

＜マラソンスイミング＞

プールの実施種目は1500mが最長だが、文字通り陸上のマラソンの競泳版。2008年北京大会から採用された。海や湖など自然の中で男女とも10㎞の長い距離で順位を争うため、泳ぐ力や戦術、スタミナが求められる。コースにレーン規制はなく、一斉にスタート台から飛び込むため選手どうしの偶発的な接触は許される。パリ大会は中心部を流れるセーヌ川が舞台になる。