パリオリンピック競技ガイド

第1回の1986年アテネ大会から途切れることなく実施されている競技の一つ。欧州では人気の競技で、ツール・ド・フランスなどプロの世界を中心に発展してきた。1992年バルセロナ大会からプロ選手の出場が可能になり、実施種目は拡大の一途。マウンテンバイクが1996年アトランタ大会から、BMXレースは2008年北京大会から加わった。東京大会ではトラック種目でマディソン、BMX種目でフリースタイルが新たに実施された。女子も最初はロードレースだけだったが、現在では男子と同じ種目が行われている。パリ大会のロードレースはエッフェル塔の横やセーヌ川にかかるイエナ橋、パリを代表する大通りのシャンゼリゼ通りなどを走り抜ける。

＜トラック種目＞

すり鉢状のバンクと呼ばれる傾斜のついた1周250mトラックを周回する形でさまざまな種目が行われる。個人戦では2人で争うスプリントと、7人までの選手が先着を競う日本発祥のケイリン、4種類の複合で争うオムニアムがある。また2人1組で交代しながら走るのがマディソン。チーム戦では団体パシュートと団体スプリントがあり、空気抵抗を減らす戦略が見どころの一つ。

＜ロード・マウンテンバイク＞

一般の道路を使って行われる個人ロードレースは男子が250㎞超え、女子は130㎞以上のコースを一斉にスタートしてフィニッシュの着順で争う。パリ大会では男女それぞれ最大88人の出場枠が設けられる。個人タイムトライアルは一定の時間間隔をあけて1人ずつスタートし、走行タイムを競う。公道ではなく未舗装の山あり谷あり岩場ありのクロスカントリーコースを走るのがマウンテンバイク。転倒やパンクなどのアクシデントがつきもので、コース脇に控えるメカニックや補給員との連係も必要となる。

＜BMX＞

バイシクル・モトクロスのことで、オートバイのモトクロスをヒントに誕生した競技。小回りのきく軽量バイクを使用する。レーシングとフリースタイルの2種目がある。高台から最大8人が一斉に駆け下りてスタートするレーシングは、スタートダッシュと最短の走行ラインを確保することが重要。コーナーや起伏が連続するコースで着順を競う。フリースタイルはパーク種目のみで、曲面やスロープを複雑に組み合わせた特設会場でトリックと呼ばれるジャンプや回転、空中動作を行い、技の難易度や独創性などを採点で争う。