「やさしい日本語 Easy Japanese」の使い方サンプル授業

日本語での授業を想定しています。学習者は、自言語の1課のテキストを事前にダウンロードし、印刷するかスマートフォンやタブレット、パソコンなどで表示しておきましょう。

1課 場所を聞く

「はるさんハウスはどこですか」で授業をしてみよう!

1課のレッスンページ(日本語版)はこちら

1Can-doの確認
  • Can-doを提示。

今日の目標は、『場所をきく』です。行きたいところの場所について 質問できるようになりましょう。

POINT
  • 学習者は、自言語のテキストでもCan-doを確認する。
2スキットの動画再生
  • 字幕の「日本語」か「日本語(ローマ字)」を選択して動画を再生。学習者は、自言語のテキストで、スキットの意味を確認。
  • 字幕の「日本語」か「日本語(ローマ字)」を選択してもう1度、動画を再生。
  • セリフをひとつずつ再生、その際、意味も確認。
POINT
  • 字幕は学習者のレベルや授業目的に合わせて選択。学習者の自言語が全て同じ場合は、その言語の字幕を選択してスキット動画を再生してもよい。
  • 教室で動画を再生できない場合は、教師がセリフを読んでもよい。
  • この段階では会話の内容が把握できることを目的とし、細かいセリフの理解までは求めない。
3キーフレーズの確認
  • Can-do とキーフレーズを確認する。

今日の目標(Can-do)『場所をきく』ができるようになるためのキーフレーズは、『はるさんハウスはどこですか』です。

  • 板書:【場所】はどこですか
  • キーフレーズの文法のポイントを確認。

ききたい場所に『は』をつけて、『どこですか』と言います。
『か』は質問の文につきます。

  • 学習者に自言語のテキストの、キーフレーズ解説を読ませる。
  • キーフレーズの「はるさんハウスはどこですか」を再生、あるいは教師が言い、学習者にリピートさせる。
4使ってみよう!を使って会話練習
  • 会話を一通り再生。(以下、再生できない場合は教師が読む)学習者は、自言語のテキストで意味を確認。

「すみません。トイレはどこですか」「あそこです。」

  • 人物毎のセリフを再生し、リピート練習させる。
    「トイレ」以外に学習者が知っている場所の名前を入れて言わせる。
  • 2人1組でロールプレイ練習をする。
POINT
  • 右側のセリフの音声を使ってシャドーイングの練習もできる。
  • 余裕があれば、「お手洗い」など「トイレ」の別の呼び方を紹介する。
5できるかな?を使って練習問題を解く
  • 1番目の問題をする。問題文の各言語訳を見せ、日本語でどう言えば良いか、学習者に考えさせる。
  • 教師が3つの答えの文章を読み、正しい言い方の番号を答えさせる。
POINT
  • 選択肢の間違った日本語は学習者には読ませず、教師が読み上げる。
  • 2問目、3問目のイラストと問題文を見せ、各自に答えさせる。
  • 答えの音声を再生。正解と自分の答えとどこが違うか確認。
  • 答えの音声を聞かせ、リピート。
6Can-do
  • ここでもう1度、まとめとして、今日の目標を確認する。

ここからは、授業を発展させるためのアクティビティです。
時間と余裕があれば、お使いください!

7発展的な活動
  • 駅の構内図を用意。
    「改札口」「エスカレーター」「エレベーター」などの語彙を確認。
  • キーフレーズの「~はどこですか」を使って、場所を聞く練習。教えてもらった時のお礼の言い方も確認。
POINT
  • 駅構内以外にもスーパーマーケットの売り場案内図を準備し、「野菜売り場」「果物売り場」「魚売り場」などを聞くようにしても良い。
  • 「役に立つことば」の左ページの2段目「街の中」にある語彙を使う。
    役に立つことばはこちら
  • まず「役に立つことば」の「駅」「病院」などひとつずつ読んで聞かせ、意味と発音を確認、リピート練習。
8今日のもう一言で役に立つ言葉を丸覚え
  • 「いろいろな人が発音します」を再生し、いろいろな言い方を聞かせる。
  • 学習者にも実際に言わせて、便利な表現として覚えさせる。
POINT
  • 「ありがとうございます」の返事として、「どういたしまして」「いえいえ」などの短い表現を紹介してもよい。

※課によっては、「今日のもう一言」コーナーの代わりに、「ステップアップ」コーナーがある。「ステップアップ」では数字や言葉をリピート練習。

9日本の文化と生活
  • ひらがな表を見せたりしながら、日本語の構造を紹介。
    「子音と母音」→「ひらがな表」を用意し、5つの母音とその母音と子音の組み合わせを確認。
    ひらがな表はこちら
  • イラストの「雨」「飴」を見せ、日本語のアクセントは、弱い強いではなく、高い低いであることを説明。
  • 「雨と飴」の違いを発音してみせて、「では、これから言うのはどっちでしょう」などと言って聞き分ける練習などをする。
POINT
  • 学習者の母語でも同様のことがあるかなど自由に言わせる。
  • 課ごとに日本の食べ物や旅情報、緊急時の対応といったさまざまな話題があり、学習者といっしょに話を膨らませる。
  • 教材に出てくるものの他にも「橋」「箸」などアクセントが異なると意味が異なる語彙を紹介。
10漢字
  • 動画を再生する。
POINT
  • ここでは漢字に興味を持ってもらうことが目的。
    書く練習や覚えさせることまではしなくてよい。
11スキット
  • 今日の学習のポイントを確認する。

今日のキーフレーズ『はるさんハウスはどこですか』でしたね。
行きたいところの場所について質問できるようになりましたね。

  • 「すみません」「すぐ近くです」「一緒に行きましょう」などの意味や使い方を確認。
POINT
  • 余裕があれば、[スキット]や[新しいことば]に出てくる他の表現やことばを取り上げる。意味も書いてあるので、細かい説明なしで表現として活用できる。

今回の「サンプル授業」を参考に、2課以降も授業でご活用ください!

2課以降の教え方Tipsはこちら