2010年W杯南アフリカ大会 初優勝
世界ランキング7位のスペインは、ワールドカップには12大会連続16回目の出場です。
2000年代後半からは、J1のヴィッセル神戸でプレーするイニエスタ選手などを中心に黄金時代を築き、2010年の南アフリカ大会では初優勝を果たして、8つしかないワールドカップ優勝チームの1つとなりました。
注目は若手のコンビ
今大会の注目は20歳のペドリ選手と18歳のガビ選手。
スペイン1部リーグの強豪・バルセロナに所属する中盤の若手コンビです。
2人とも高い技術と豊富な運動量を誇り、かつての黄金時代に同じポジションだったイニエスタ選手と、現在バルセロナを率いるシャビ監督の2人をほうふつとさせる存在として期待されています。
チームの柱は栄光を知る主将
そして、そのコンビを中盤の底で支えるのが4大会連続出場のベテランでキャプテンの34歳、セルヒオ・ブスケツ選手です。
今大会のメンバー中、唯一、南アフリカ大会の栄光を知る選手で、抜群のテクニックと的確なポジショニングで難しいプレーを簡単にやってのけ、ルイス・エンリケ監督から絶大な信頼を寄せられています。
スペインはこの3人を中心に中盤でボールをキープしながらチャンスをうかがい、スペースが生まれた瞬間に効果的なパスを通して決定機を作ります。
躍動するバルセロナの選手たち
メンバー26人のうち最多の8人を占めるのがバルセロナの選手たちです。
かつてバルセロナを率いたエンリケ監督が初戦のコスタリカ戦で先発を託したメンバーも11人のうち5人がバルセロナの選手でした。
ディフェンダーのジョルディ・アルバ選手、ミッドフィルダーのブスケツ選手、ガビ選手、ペドリ選手、フォワードのフェラン・トーレス選手の5人です。
そして、ふだんからプレーする選手どうし息の合ったコンビネーションで会場を沸かせ、フェラン・トーレス選手の2ゴールやガビ選手のワールドカップでの代表史上最年少ゴールなど7得点を挙げて圧勝しました。
試合のあとエンリケ監督は「すべての選手を信頼している。われわれはどんなチームにも勝てる」とチームの出来に自信を示していました。
強豪ドイツにもボール保持率で圧倒
続くドイツ戦も初戦とほぼ同じメンバーで臨み、1点をリードしたものの、終盤に追いつかれて1対1で引き分けました。
どんな相手でもパスをつないでボールを保持するバルセロナのスタイルを代表にも持ち込み、日本が終始攻め込まれた強豪、ドイツ相手にボールの保持率は56％対36％と大きく上回り、完成度の高さを見せつけました。
スペインに油断なし
第2戦を終えてグループEの首位は勝ち点4のスペインですが、4チームすべてが決勝トーナメント進出の可能性を残す混戦となっています。
ドイツ戦のあと、ここまでディフェンダーとして全試合にフル出場しているロドリ選手は「すべてを出し切るつもりだ。試合に勝つことを目指し、それ以外のことは考えていない」と話していました。
また、ディフェンダーのダニ・カルバハル選手は「1次リーグを首位で通過するために日本戦は100％で試合に臨み、勝ちにいく」と話しました。
日本戦を前に油断は全くなく、ドイツ戦後の練習でも、引き締まった雰囲気を感じさせました。
日本はどう挑む
一方の日本はスペイン戦でもドイツ戦と同じように、相手にボールを持たれる時間が長くなると見込まれますが、粘り強く守って少ないチャンスをいかせれば再び勝機は見いだせるはずです。
スペインはドイツとの試合で、自陣のペナルティーエリア付近でつなごうとしたパスを相手に奪われピンチになったり、セットプレーでマークを外したりして、隙を見せる場面もありました。
さらにチームの中心となるブスケツ選手は、ここまでにイエローカードを1枚もらっていて、複数のスペインメディアは、日本戦を欠場するのではないかという見方を伝えているほか、ガビ選手もドイツ戦のあと別メニューで調整しています。
森保一監督は「厳しい戦いにはなると思うが、勝つチャンスは十分あると思っているので、いい準備をして自信を持って戦いに臨みたい」と話しています。
決勝トーナメント進出をかけて、勝ち点が必要となるスペイン戦で、日本代表はこの4年間の取り組みが実を結ぶかが問われることになります。