W杯 3大会連続6回目の出場

コスタリカは世界ランキング31位で、ワールドカップには3大会連続6回目の出場です。
2014年のブラジル大会ではウルグアイ、イタリア、イングランドと、優勝経験のあるチームがそろった1次リーグを堅い守りで負けなしの1位で突破。
決勝トーナメントの1回戦も勝って、過去最高となるベスト8入りを果たし、旋風を巻き起こしました。
チームの持ち味は

チームの持ち味は、堅い守りから一気に攻め上がる“堅守速攻”で、今大会の北中米カリブ海最終予選でも、14試合で8失点と、出場した8チームの中で失点は2番目に少ない成績でした。
初戦となった23日のスペイン戦を前に記者会見したルイス フェルナンド・スアレス監督は「相手の居心地を悪くさせたうえで、自分たちの強みを発揮できればと思う。勝つために何をすべきはわかっている」と自信を見せていました。
まさかの守備陣崩壊

しかし、スペイン戦はまさかの展開となりました。スペインが誇る中盤の選手たちにボールをキープされ何度も守備を崩されました。序盤から失点を重ね、前半だけで3失点。後半も4点を失い自慢の守備陣が崩壊し、0対7の大差で敗れました。
調整不足を露呈か
この試合で露呈したのはチームの調整力不足です。コスタリカは、大会直前にイラクでの強化試合を予定していましたが、入国時のパスポートに関するトラブルで、急きょこの試合が中止となりました。直前に選手たちが実戦を経験できず、ぶっつけ本番で初戦に臨んでいました。
守護神の不安

そのあおりをうけたのが守備の要で35歳のゴールキーパー、ケイロル・ナバス選手です。旋風をおこした2014年の大会でもチームの中心だった守護神は、身長1メートル85センチと、世界のゴールキーパーと比較すると上背はありません。
しかし、的確なポジショニングと抜群の反応の速さでゴール前に立ちはだかります。かつて所属したスペイン1部リーグの強豪、レアルマドリードでは史上初のヨーロッパチャンピオンズリーグの3連覇に貢献するなど数々のタイトルを手にし、2019年からフランス1部リーグのパリサンジェルマンでプレーしています。
しかし、今シーズンはレギュラーを奪われて1試合も出場しておらず、コンディションが不安視されていました。初戦でもディフェンダーとの連携ミスがあるなど本調子とはほど遠く、失点の場面などでは仲間と言い合うような様子も見られました。
日本戦に向け切り替えは

それでも選手たちは初戦の翌日の練習では、笑顔で大きな声を出し、大敗のショックから気持ちを切り替えている様子でした。
初戦に後半から出場したディフェンダーのケンダル・ワストン選手は「まだつらい気持ちは残っていて、消化するには時間がかかるが急がないといけない。次の日本戦が一番大切になる」と前を向いていました。
また、フル出場したディフェンダーのケイシェル・フレール選手は「日本とどう戦うかについてチーム内で話をした。準備はできていて監督のプランに従う」と話していました。
攻撃陣の中心は引退するベテラン

スペインとの初戦は攻撃陣にも課題が見えました。相手守備陣を崩す場面はほとんどなく、ボール支配率は17%対74%と圧倒されました。試合を通して攻撃陣はシュートを1本も打てないまま敗れ、力の差を見せつけられました。
その攻撃陣の中心はヨーロッパのリーグで長くプレーした経験を持ち、背番号10を背負う37歳のベテラン、ブライアン・ルイス選手です。左足からの多彩なキックでチャンスを作り、得点能力も高いミッドフィルダーは、2014年の大会では2得点を挙げて攻撃をけん引しました。ルイス選手は今大会を最後に現役を引退する考えを明らかにしていて、最後のワールドカップに強い思いを持って臨んでいます。
日本はどう戦う

27日に行われる日本対コスタリカ戦。これまでの対戦成績は、日本の3勝1引き分けで、ワールドカップでの対戦はありません。
決勝トーナメント進出のためには守備の修正と、勝ち点が必要なコスタリカに対し、日本は得点を取りに前に出てくる相手の背後のスペースをついたり、ボールを奪ってから素早くカウンターを仕掛けたりして、いかにチャンスを作れるかがポイントになりそうです。
日本が勝てば、同じ日に行われるスペイン対ドイツの結果次第で2大会連続の決勝トーナメント進出が決まります。ドイツ戦での歴史的な勝利の勢いを2戦目にも持ち込めるのか注目です。