どうする?都心の本社ビル
東京都心では再開発で新しい高層ビルの建設が相次いでいます。一方で本社を都心から郊外に移転する動きも出ています。コロナ禍でリモートワークが普及し、働き方も柔軟になったいま、都心の本社をめぐる動きはどうなっているのでしょうか。経済担当の小坂隆治デスク、教えて!
都心に置く本社を見直す動き、増えているの?
先日、富士通が本社を置いていた東京・港区の高層ビルから退去し、神奈川県の川崎工場などにその機能を移す方針を明らかにしました。
リモートワークの普及で社員の出社率は2割程度にまで下がり、社員の柔軟な働き方に対応しようというのが理由でした。
さらに都心の高層ビルは賃料の負担も大きいですから、それを減らせる利点もあります。
でも、大企業といえば本社は都心の高層ビル、というイメージもありますよね。なかなかの決断では。
そうですよね。
コロナ禍以降、こうした“脱東京”の動き、強まっているんです。
東京都内に本社を移す「転入」と都外への「転出」の数を調べたデータをみると、コロナ禍前の2017年から2020年はほぼ半数ずつでしたが、これがコロナ禍の2020年以降で見ると転出が大きく上回りました。
リモートワークがしやすい情報通信業以外の業種にも広がったという特徴もあります。
大企業の“脱東京”の動きは、他にも広がりそうなの?
必ずしもそうとは言えないんです。
都心では高層ビルの再開発も相次いでいますから、オフィスの環境がさらによくなって、再び東京に戻るという可能性もあります。
リモートワークやリモート会議が増えた結果、対面でのコミュニケーションの重要性が改めて見直されていることもあります。
こうした動きもあるんです。
ホンダは、社員は原則出社という方針を決めました。
社員同士のコミュニケーションを重視する動きです。
また、リクルートは本社のビルの一部のフロアを共用スペースに改装しました。
出社日には有意義に仕事をしてもらおうと、都心の眺望が楽しめるラウンジや仕切りのない打ち合わせスペースを作ったんです。
“都心”の眺望も魅力だと。
出社する日は特別の時間という考え方だね。
この“脱東京”の動きが一過性のものなのかどうかまだ分かりませんが、日本は人口減少で市場の縮小が続いていますから、大都市の良さだけでなく、地方の活性化を目指すという視点も必要です。本社をどこに置くのか、その選択肢は多様化しそうです。
# 注目のタグ
- # 新型コロナ (51件)
- # 暮らし・子育て (34件)
- # 銀行・金融 (34件)
- # 環境・脱炭素 (33件)
- # 自動車 (28件)
- # AI・IT・ネット (27件)
- # 財政・経済政策 (24件)
- # 働き方改革 (21件)
- # 給与・雇用 (21件)
- # 日銀 (19件)
- # 企業の合従連衡・業界再編 (18件)
- # 消費税率引き上げ (17件)
- # エネルギー (17件)
- # 農業・農産品 (15件)
- # 原油価格 (14件)
- # 人手不足 (14件)
- # 物価高騰 (13件)
- # 外食 (13件)
- # 旅行・インバウンド (12件)
- # 株式市場・株価 (12件)
- # 景気 (12件)
- # 経済連携・貿易 (12件)
- # ウクライナ侵攻 (11件)
- # 携帯料金 (10件)
- # コンビニ (10件)
- # お酒 (10件)
- # 携帯電話 (9件)
- # 鉄道 (9件)
- # キャッシュレス決済 (9件)
- # 為替 (9件)