携帯料金 値下げ本格化?

携帯電話料金をめぐる動きで、NTTドコモの打ち出した一手が注目を集めました。ネットでの手続きに軸をおいた月額2980円の新たな料金プランに続き、5G向け大容量プランの1000円値下げなどにも踏み切りました。これに対抗して、ソフトバンクが新ブランドで同じ料金のプランを導入するとともに、大容量プランを値下げしました。ほかの大手や格安スマホはどう対応するのか?政府が目指す「家計負担の軽減」につながるのか?情報通信産業を担当する岡谷宏基記者、教えて!
ドコモやソフトバンクが相次いで料金プランを発表しましたけど、新しい料金プランって、どんなものなんですか?
岡谷記者
ドコモが打ち出した新たな料金プランは、データ使用量が「20ギガバイト」の料金プランです。政府が海外と比べて割高だと指摘していたのが、この20ギガバイトの料金水準です。

今回ドコモはこの料金プランに「ahamo」という名前を付けて、若い世代にアピールしようとしています。デジタルネイティブと呼ばれるスマホやネットに慣れた若者を主な顧客層と想定し、契約などの手続きをすべてオンラインで行うことで、コストを抑えるとしています。
4Gだけでなく、今後使えるエリアが広がっていく、高速・大容量の5Gにも対応させたことも特徴です。

ドコモの井伊基之社長は「やはり20代に人気がないということで、若い人たちのために特別に作った。10年後、20年後には、中心的な年齢層になっていくわけで、その意味でなんとしても20代の方々に振り向いてもらいたい」とねらいを述べています。
この新プランには、これまでに30万件の申し込みがあったということです(12月18日時点)。
すぐにドコモに対抗する動きが出てきたみたいですね。
岡谷記者
このドコモの一手が競合他社に与えたインパクトは大きく、早速ソフトバンクが対抗策を打ち出しました。
まず、来年3月にオンライン専用の新しいブランドを立ち上げ、20ギガバイトでドコモと同じ月額2980円の料金プランを導入すると発表しました。無料通話も、高速・大容量の5Gが使えることも、ネットで手続きすることもドコモと同じで、まさに“ドコモ対抗”といえます。
グループとなる予定のSNSアプリ・LINEを活用し、申し込みなどの手続きをできるようにすることも特徴です。
このほか、“ドコモ対抗”としては、格安スマホの日本通信も月額1980円(データ使用量16ギガバイトのちに20ギガバイトに増量、無料通話70分)のプランを発表しました。
20ギガバイト以外の料金プランでは、各社はどう対応しているのですか?
岡谷記者
まずドコモが、いわゆる大容量の料金プランを値下げすると発表しました。これは菅政権のもとで携帯電話料金の値下げが求められるようになってから、大手としては初めての本体での値下げとなります。
5Gに対応した100ギガバイトのプランをデータ使用量を無制限にしたうえで、1000円値下げして、月額6650円にします。また4G向けの30ギガバイトのプランも、データ使用量を60ギガバイトに増やしたうえで、600円値下げし、月額6550円とします(いずれも来年4月から)。

ソフトバンクは、これにも対抗策を打ち出しました。大容量プランでデータ使用量を無制限にしたうえで、5G向けは1900円値下げ、4G向けは900円値下げして、いずれも月額6580円とします(いずれも来年3月から)。
これもドコモの値下げを強く意識した内容になっていて、ソフトバンクの榛葉淳副社長は「かなり思い切った価格を提示した。わかりやすい料金にした」と述べています。
一方、KDDIも高橋誠社長が「競争力のある料金を届けていきたい。1月には正式に発表したい」と述べ、NTTなどに対抗していく考えを示しています。
また、新規参入した楽天は、データ使用量は無制限で5G・4G同額の2980円としていて、自社の接続エリアの拡大を急いでいます。
大容量や20ギガバイトで競争が激しくなっているのはわかりました。でも、私はそこまではデータを使いません。そうした利用者も多いと思いますが、値下げの恩恵は及ばないのですか?
岡谷記者
ドコモの場合、実際のデータ使用量が3ギガバイト未満の利用者が多いということです。大手各社は1ギガバイト~7ギガバイトで使用量に応じて料金が変動するいわゆる小容量プランを提供しています。今回ドコモは、小容量プランについては値下げを見送りました。ソフトバンクもメインブランドでは小容量プランの見直しは行いませんでした。政府が目指す「家計の負担軽減」をより広げるには、今後大手がこの小容量プランを値下げするのかしないのかもポイントになります。
また、利用者としては、自分の使い方に最適な料金プランを選ぶことも大切です。総務省によると、例えば、携帯電話の利用者のうち20ギガバイト以上のプランを契約している割合は40%程度に上りますが、実際に20ギガバイト以上を使っているのはそのうちの4分の1程度だということです。つまり、それほどデータを使っていない利用者が大半で、契約するプランを見直すことで毎月の負担を減らせる可能性もあるということです。
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