植物由来肉って広がるの?

「最近毎日肉が続いちゃったから、今夜は植物由来肉にしようかな」
日本の家庭でこんな会話がされるようになるかもしれません。健康志向の高まりを受け、国内の大手食肉メーカーでは、肉を使わずに野菜などで作った“植物由来肉”への参入が相次いでいます。気になるのは味ですが、経済部の仲沢啓記者に聞きます。
そもそも“植物由来肉”ってなんですか?
仲沢記者
肉を使わずに、大豆やそら豆など野菜のたんぱく質を主な原料として、味や食感、風味を本物の肉に近づけた食べ物です。高タンパク・低カロリーというヘルシーさが売りで、ベジタリアンや宗教上の理由で食べられない肉がある人からも注目されています。
欧米では、家畜に飼料を与えて肉として食べるより、栽培した大豆などを直接食べる方が二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が少なく、環境に優しい食べ物としても位置づけられています。
国内の食肉メーカーが、肉を使わない食べ物というのは驚きですけど、実際の味はどうなんですか?
仲沢記者

伊藤ハムが今月、スーパーなどで発売する“植物由来肉”のハンバーグ、ソーセージ、肉だんご、ナゲット、ハムカツ、カツ、メンチカツ、から揚げのうち、一足先に大豆のたんぱく質で作ったソーセージ、ハムカツ、カツ、肉だんごを試食させてもらいました。
一言で言うと「大豆と言われないとわからない」です。特に衝撃だったのが肉だんご!大豆なのでボソボソしているのかなとか、臭みがあるんじゃないかなとか思いながら食べましたが、肉特有の繊維がほどけるような食感や香り、味についても大豆から作られているとは思わないほどでした。いわゆる肉のジューシーさはあまり感じられませんでしたが、健康志向の人向けの商品のため、あえてそこは控えめにしたんだそうです。
会社によりますと、食感や味、香りを本物の肉に近づけるため、使う大豆たんぱく質の組み合わせや加工方法、使用する香辛料などで試行錯誤を繰り返し、開発には2年以上かけたということです。
ただ、まずは“植物由来肉”を知ってほしいというねらいもあり、卵などの動物性たんぱく質が含まれています。完全菜食主義者=ビーガン向けではなく、“リアル肉”も食べるけど“植物由来肉”も食べてみたいという人たち向けです。「フレキシブル」な「ベジタリアン」を意味する「フレキシタリアン」という造語があるのですが、そうした柔軟性のある菜食主義者を意識した商品だとしています。
伊藤ハム米久ホールディングス広報室の篠原栄晃室長は「フレキシタリアンの方にぜひ楽しんでもらいたい。今後も、食の選択や幅を広げ、おいしい、また食べたいと思われる商品の開発を進めたい」と意気込んでいました。

国内のメーカーではほかにも、食肉メーカー最大手の日本ハムが肉を使わずに大豆やこんにゃくで作ったソーセージやハムなど5種類の商品を今、家庭用に発売し、年間で5億円の売上を目指すとしています。
植物 由来肉は、世界的には関心が高まっているんですか?
仲沢記者

例えばアメリカではシリコンバレーの新興企業や最大手の食肉会社が“植物由来肉”の市場に参入しています。大手チェーン各社がハンバーガーやフライドチキンに採用するなど、世界的に関心が高まっています。
国内でも、“植物由来肉”を売りにしたレストランが賑わうなど、徐々に広がりを見せています。家庭用の商品が全国のスーパーなどの店頭に並び、より手に取りやすくなることから、さらに広がるか注目されます。
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