NEW2020年02月26日

お米のおいしさのランキングって?

全国のコメの味などを審査する「食味ランキング」の結果が公表されました。有名な魚沼産コシヒカリなど全国のブランド米が対象です。毎年公表されるこのランキング、市場での評判にもつながることから、全国のコメの産地が固唾をのんで見守っています。ことしの結果はどうだったのか?そしてコメの産地で起きている変化とは?

「食味ランキング」って、米どころでは特に注目されているようですね。

そうなんです。コメの食味ランキングは、農産物などの品質や安全性を評価している日本穀物検定協会が毎年、生産されたコメの味や香りなどを審査して5段階で評価しています。対象となるのは、去年、生産され収量など一定の条件をクリアしたブランド米。同じ炊飯器を使って厳密に炊いたコメを担当者が味わって審査するんです。

各産地は、「わがまち」のブランド米の評価に気をもんでいます。そして26日、全国155銘柄のコメの評価が公表されました。

結果はどうだったんですか?

食味ランキングは「特A」「A」「A’」「B」「B’」の5段階で評価されます。ことしは、155銘柄のうち、全体のおよそ3分の1にあたる54銘柄が最高の特Aと評価されました。

これは前の年の55銘柄に比べて1つ減少していますが、今の形での評価が始まった平成元年以降で過去2番目の多さです。

特徴的なブランドをあげると…
▽新潟県の魚沼産「コシヒカリ」は前の年に続き特Aとなりました。
▽北海道産「ななつぼし」は10年連続で特Aとなりました。
▽佐賀県の「さがびより」は、台風17号などの影響で去年は歴史的な不作でしたが、こちらも10年連続で特Aでした。

今回、初めて特Aとなったブランド米もあります。それがこちらの7銘柄。

このうち、福井県産「いちほまれ」は、過去2年、今後の生産を奨励する「参考品種」として特Aの評価を受けていましたが、今回初めて正式にエントリーし、特Aと評価されました。

なるほど。ただ、3分の1が最高評価では、ややありがたみも薄いのではないですか?

いえいえ。食味をめぐって、全国の産地が品種改良などに力を入れ「おいしさ」を競っていることがうかがえるんですよ。今回、「特A」の評価をうけた54の銘柄のうち、前の年に引き続き「特A」と評価されたのは33銘柄。実に半数近くの銘柄で、評価が入れ代わっているんです。

今回の特Aの内訳を見ると、18の銘柄がAから特Aに評価がアップしました。また青森県産「まっしぐら」と高知県産「ヒノヒカリ」の2銘柄は「A’」から2段階あがり特Aとなりました。一方で、21銘柄が特AからAになっています。

平成元年のランキングでは、特Aは13銘柄しかありませんでした。その後、特Aの銘柄が増え、さらにこの1年で銘柄が大きく入れ代わっている背景には、各産地が品種改良などを進めコメの味が改良されてきたことなどがあります。

日本穀物検定協会の伊藤健一理事長も「評価が高いコメが多く、各産地とも品種の改良や栽培の指導に熱心に取り組んだ結果ではないか」と話しています。

また残念ながら評価が下がったコメもありますが、伊藤理事長は「大きく変動した要因は一概には言えないが、夏場の高温や日照量なども影響しているのではないか」と話していました。

全国各地で丹精込めて育てられたコメ。ブランド米のそれぞれのおいしさに注目しながら、味わってみてください。