NEW2019年07月24日

「五輪をツアーで見るってアリ?」

東京オリンピックの開会まで、もうあと1年しかありません。

人生でめったに経験できない日本で開催されるオリンピックですが、先日の観戦チケットの抽選販売で残念ながら外れたという人や、お目当ての競技のチケットがあたらなかったという人も少なくないはず。

そんな中、24日から旅行会社3社が観戦ツアーの受け付けを始めました。これなら、確実に見られるのでしょうか。

経済部の坪井宏彰記者に聞いてみます。

オリンピックのチケット、抽選販売で外れちゃったんです。観戦ツアーに期待しているんですが、具体的にはどんな内容なんですか?

坪井記者

はい。受け付けが始まったのは、東京オリンピック・パラリンピックのオフィシャルパートナーになっているJTB、近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNTーCTホールディングス、それに東武トップツアーズの3社が企画した公式ツアーです。

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このうちJTBが受け付けているのは、観戦チケットと宿泊がセットになった37種類です。具体的に見ると、
◎17日間で開会式と閉会式を含め、16の競技を観戦できるツアー。
柔道、陸上、水泳、サッカーなど日本で人気のある競技が盛り込まれていて、見所は十分だと思いますが、価格は1人450万円!ということで、なかなかのものです。
◎5日間で卓球や野球など5競技の決勝と3位決定戦を盛り込んだツアーもあります。価格は1人48万円。このツアーならメダル獲得の瞬間を毎日見られそうです。
◎もう少しリーズナブルなものだと、バレーボールなど1つの競技にしぼって、5日間にわたって観戦するツアーもあります。これで1人28万円。
◎このほか、この時期は暑さが心配ということで、野球やサッカー、陸上などの「夜間に開催される試合だけ」を組んだユニークなツアーなんかもあります。

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また、KNTーCTホールディングスの観戦ツアーは36種類あります。
◎17日間で33のすべての競技を観戦する202万円のツアー。
◎陸上や水泳など5つの競技を6日間で観戦する29万円のツアー。
◎日帰りで野球を観戦する2万円台のツアーもあります。

それから東武トップツアーズは、陸上の全種目を観戦できる263万円のツアーなどがあります。

1人400万円台とか、200万円台と言われると、僕には到底、手が出る金額ではありませんが…、こういうツアーのメリットはどういうところにあるんでしょう?

坪井記者

もちろん自力でチケットが確保できなかった人にとっては、絶好のチャンスだと思います。

それから重要なのは、こうしたツアーは「ホテルの宿泊が確保されている」という点です。
大会期間中、東京周辺のホテルは宿泊料金がかなり値上がりすると懸念されますし、そもそも、連泊の予約を取るのがなかなか難しいという現実もあります。
関東以外の地方から泊まりがけで観戦したいという方は、ツアーに参加するのが便利かもしれませんよ。

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なるほど。でも、先日の抽選では外れてしまった人もツアーなら確実に見られるんですか?

坪井記者

そこなんですが、私の印象では「かなり狭き門」なんです。
旅行会社3社とも、ツアーは抽選での販売です。

今回、受け付けが始まった第一期の場合、JTBは780人、KNTーCTホールディングスは1900人、東武トップツアーズが400人で、3社あわせて3000人ほどなんです。

大会のチケットの総数は招致段階の計画で、およそ780万枚だということで、その中ではツアーのチケットは「ごく一部」と言えると思います。

各社は今後も追加でツアーを企画し、できるだけ多くの人に観戦チケットを手に入れる機会を作りたいとしています。

JTBの野浪健一担当部長は「今後も第2弾のツアーを販売する予定なので、多くの方にオリンピックを楽しんでいただきたい」と話していました。

また、KNTーCTホールディングスの酒井博国内旅行部長は「競技スケジュールとにらめっこしながらツアーを企画しました。複数の競技チケットを個人で確保するのは難しいと思うのでぜひ多くの方に申し込みをいただきたい」と話していました。

オリンピックより一足先に、ことし9月に始まるラグビーワールドカップでも、お目当てのチケットがなかなか手に入らないという人もいるようです。

オリンピックのチケットの販売はこれから先もありますが、こうしたツアーの利用を考えるのも、1つの選択肢として「アリ」かもしれませんよ。