NEW2019年07月09日

景気っていいの? そうでもないの?

景気の実感を聞く景気ウォッチャー調査が2か月連続で悪化しました。世の中、人手不足だったり、就活が売手市場と言われたり、それこそ「景気のいい話」も目立ちますが、実際、景気はどうなんでしょうか?

景気がいいのか悪いのか、よくわかりません。

経済のいろいろなデータをみると、この数年、よくなっているものが多いです。企業の利益とか、働く人や求人の数、それに株価…いろいろな指標のグラフを見るとでこぼこはあるけれども、緩やかな右肩上がりのカーブを描いてきた統計が多いわね。

ただ、景気ウォッチャーのような調査をみると、右肩「上がり」ではなく「下がり」気味になっているの。8日のニュースでは次のように報じられている。

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(NHK NEWS WEBより)

この調査は、消費者が今の景気をどう見ているのかを聞いて、指数であらわす調査。要するに「気分」の変化をみる調査です。最新の6月調査の結果は44.0。3年ぶりの低い水準になってしまった。

調査では、全国各地、さまざまな職業の人の声を聞くのだけれど、アメリカと中国の貿易摩擦がどうなってしまうんだろう?という不安や、10月の消費税率引き上げ、年金など将来に対する不安などが目につく。

こうしてみると、今の景気は、データでみると悪くないけれど、消費者の気持ちはそうでもない、というところかしら。

10月に消費税率が10%にアップしますよね。これが景気に影響してくるんじゃないでしょうか?

確かに、税率アップが消費者の買い控えにつながる可能性はあるわね。実際、小売りの現場は、消費者の節約志向の高まりを感じて、手を打ち始めたところもある。

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ミニストップが始めたのが、主力商品のおにぎりの値下げ。税込み110円~140円で販売していたおにぎりを一律、108円に値下げした。最も値段が高かった「手巻紅しゃけ」は140円から32円の値下げ。10月の消費税率の引き上げを前に、主力商品の値下げで、店に来る客の数を増やし売り上げを伸ばす戦略だそう。

大手スーパーの西友も、5月から「超得」と名付けた取り組みを始めた。毎月、食料品や日用品など10余りの商品を選んで、定価より平均でおよそ8%安く販売してるの。

なるほど。先輩、これから先の見通しはどうなりそうなんですか?

政府の公式な景気認識を示すものとして「月例経済報告」があるの。政府は、6月の月例経済報告で、景気全体については「緩やかに回復している」という判断を据え置いた。

一方で、米中貿易摩擦の影響などで、企業の生産や輸出が振るわなくなっているため、良いデータと悪いデータが混在して、景気に「まだら感」がでているという指摘もある。

景気が「良い」「悪い」どちらに向かうか、いま微妙なところに来ているのかもしれないわね。