NEW2019年02月27日

問題なの?アマゾンのポイント還元

ネット通販大手「アマゾンジャパン」が、ことし5月下旬からすべての商品を対象に販売価格の1%以上のポイントを利用者に還元する方針を明らかにしました。このポイント還元の原資を出品事業者が負担することが波紋を呼んでいます。

アマゾンは、これまでもポイントがあったと思うんですが。

アマゾンが直販している商品はこれまでもポイントが付いていたんだけど、サイトを借りる形で商品を売っている外部の事業者の商品については、これまでは事業者がポイントを付けるかどうか自分で判断していた。

アマゾンが打ち出した新たな制度では、すべての事業者が1%以上のポイントを還元するようにする。

波紋を呼んでいるのは、ポイント分の負担の在り方。アマゾンは、ポイント分は、自分たちではなく、出品する事業者が負担するとしているの。

事業者は、それに納得しているんですか。

そこが問題なの。中小などの出品事業者は、商品を販売するルートとして、アマゾンの通販サイトを頼りにしているところも多い。つまり、アマゾンに無理を言われても従ってしまう状況がないとも言えない。ここで焦点になるのは、アマゾン側が、そうした優越的な立場を利用して、出品事業者に説明もなく一方的に契約を変更したり、出品事業者が変更を受け入れざるをえないような状態を作っていないか、といった点なの。

これについて世耕経済産業大臣は26日、「出品者に過度な負担をさせているのであれば中小企業の公正な競争条件をゆがめる大きな問題だ」と指摘した。

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でも、楽天やヤフーの商品をみても「ポイント○%還元」といったような商品をよく見ますよね。

楽天やヤフーに聞いてみたんだけど、両社ともポイント分の費用は出品事業者に1%以上の負担をしてもらうというアマゾンと同様のルールがあるんだって。ただ両社は、「出品事業者には説明していて、一方的に負担を強いているわけではない」としている。

一方、アマゾンジャパンは今回の変更について、「ポイントの付与によってアマゾンで買い物をしてもらえると、いっそう節約が可能になるほか、出品事業者にとっても販売機会の拡大につながる」と主張している。

アマゾンをはじめとする「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業については、最近、政府や公正取引委員会が、不当な行為をしていないか実態調査を進めていますよね。

公正取引委員会は、その一環として今回、ポイントの原資を出品事業者に負担させる方式が独占禁止法が禁じた「優越的地位の乱用」にあたるかどうか調べる方針。楽天やヤフーなどの日本のIT企業に対しても聞き取り調査を行うし、専用のインターネットのサイトを設けて、取引先に不当な圧力を加えていないかなど情報の提供を求めるんだって。通販サイトを運営する巨大企業と、出品事業者がどう健全な関係を築いていけばいいのか、これからも議論になりそうね。