NEW2018年11月05日

GAFAに吹く逆風

「GAFA」などと呼ばれる巨大IT企業に対し、規制と言う逆風が世界的に吹いています。
日本でも、個人情報の取り扱いや取り引きルールの整備に向けた検討が始まっています。

「GAFA」、ガーファって発音するんですよね。えっと、「グーグル」と「アップル」と…。

「フェイスブック」と、「アマゾン・ドット・コム」の巨大IT企業4社の頭文字ね。アップルは、ことし、アメリカ企業として初めて時価総額が1兆ドルの大台を超え、アマゾンもそれに続いた。国境をやすやすと越えて情報が行き交うインターネット社会を象徴する形で急速に成長してきたと言える。
ネット検索やSNS、ネット通販などで集めた膨大なデータが成長の糧になっていて、さまざまなサービスの基盤を握る「プラットフォーマー」と呼ばれることも。

それだけの影響力をもつGAFAに、逆風ですか。

以前から、法人税の安い国に拠点を設けるなどして、行き過ぎた節税をしているのではないかという批判はあった。加えて最近は、フェイスブックで起きた個人情報の大量流出などもあって情報の保護の在り方をめぐる議論が高まっていること。そして、プラットフォーマーとしての影響力が、適正な競争を妨げているのではないかと批判を受けていることが問題になり、世界各国で規制が強まっているの。

日本ではどのような議論が?

政府が6月に閣議決定した成長戦略に基づいて、ルール整備に向けた検討が始まっている。公正取引委員会が来年、取引実態の調査に乗り出すほか、経済産業省なども7月に有識者会議を設け、巨大IT企業の情報の取り扱いや取引に関するルールを検討している。総務省も10月に有識者を集めた研究会で巨大IT企業から利用者の個人情報を守るルールの検討を進めている。

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適正な規制は必要だけど、同時に感じるのは、「GAFA」などとまとめ称されるような国際的な企業が国内にないことの寂しさね。たとえば中国を見ても、「百度(バイドゥ)」「アリババ」「テンセント」の3つが「BAT」などと呼ばれている。適正な規制とともに、次代の成長企業づくりに向けた環境整備も期待したいところね。