育児にアプリはダメですか?
授乳の時間や量を簡単に記録できるアプリに、赤ちゃんの泣き声をAIで分析して喜怒哀楽を教えてくれるアプリ。いま、育児の負担を減らすためのスマートフォンのアプリが続々と登場しています。ところが、育児中にスマホを使っていると注意されるケースも少なくないといいます。どうしてなのでしょうか。
育児の中で、子どもが泣いたり騒いだりしたときにスマートフォンを渡して使わせるといった行為が、「スマホ育児」と呼ばれてネット上で議論になったこともありますよね。
いやいや、今回のテーマは、子どもにスマホを渡して使わせるのではなくて、親が授乳の記録などを取るためにアプリを使っていても、注意されるケースがあるということなの。
ベンチャー企業のグループの調査では、育児中にスマホなどを使用していて注意されたり否定的な反応をされたりした経験が「とてもある」、「ある」と答えた人はあわせて22%いる。グループでは、「全くない」という人を除くと、6割近くの人が程度の差こそあれ、何らかの指摘を受けたことがあるとしている。
どんな時に注意されるんですか?
アンケートの回答者に具体的なエピソードを聞くと、アプリに授乳時間を記録していたときに、義理の母親から「ノートにつけたほうがいい」と言われたとか、記録したものを見返していたら「授乳の時は赤ちゃんの顔を見てあげなさい」と言われた、というの。
また、アプリでトイレの記録を取っていたら、夫から「子どもがいるときにスマホを触るのはやめなよ」と言われた、という声もあったそうよ。
なぜ、否定的な反応をされるんですか?
アンケートによると、否定的な反応をする世代は、50代以上がおよそ8割を占めているんだって。調査をしたベンチャー企業によると、IT、スマホ、アプリといったものに対する世代間のギャップがあるというの。
日本の子育ては、手作りや手間暇をかけることが愛情だという価値感が根強い。もちろん、それは大事なことなんだけど、子育てをしながら外で仕事をする女性が増える中で、手間をかける部分と、効率化する部分があってもいい。
テクノロジーを使って、少しでも子育ての負担をなくせるのではないかーーー自分も5歳の子どもがいるというベンチャー企業の担当者はそう話していたわ。
アプリは生活のいろいろな場面で使われているし、子育てが例外っていうのもおかしいですもんね。
そうね。この調査結果を発表した育児関連のベンチャー企業5社が、「子育tech(こそだテック)」という委員会を立ち上げたんだけど、今後、いろいろな場で子育ての場面でのIT活用の理解を促していきたいとしている。
その1つには、知り合いの親どうしがコミュニティをつくって時間が空いている人に子どもを預けたり送迎を頼めるという「AsMama(アズママ)」というアプリもある。それぞれの空き時間を有効に使って、子育てをシェアするしくみね。知り合いどうしで安心という点も人気で、登録会員は5万7000人になったそうよ。
子育て中のスマホ使用に否定的な人たちも、実はスマホのアプリの内容や効果を知らないだけかもしれない。日々進歩するテクノロジーを子育てにどう取り入れていくか。みんなで考えていくきっかけにしたいわね。
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