NEW2018年09月20日

社員の「やる気」を格付け!?会社との相思相愛度は?

「社員のやる気はどの程度?」
「社員と会社はどのくらい相思相愛?」
これらを数値化し、「格付け」のような形にして多くの会社に公表してもらおうという取り組みが始まりました。社員のやる気や会社への期待を把握するのは個々の会社にとって大切なことですが、なぜ外部に公表しようというのでしょうか?

「やる気」や「会社との相思相愛度」を数値化!「職場アンケート」のようなものを導入している企業は多そうだけど、違った特徴があるんですか?

これ、東京の経営コンサルティング会社が始めた取り組みで、およそ2000社の組織診断をしてきたデータをもとに個社の状況を数値化。

そのうえで、「AAA」「AA」「A」などと、11段階の格付けのような形にして公表してもらおうというの。

数値化にあたっては、社員が会社や上司についてどう思っているかをアンケートするんだけど、「経営陣に対する信頼」や「上司の速やかな意思決定の度合い」、「仕事内容の責任ややりがい」など、60を超える項目に対して、「満足度」と「期待度」をそれぞれ5段階評価で聞くの。質問は全部でおよそ130問ある。

なかなかのボリュームですね。

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回答を「満足度」と「期待度」の2つの軸で分析するのが特徴だとしているわ。

期待度が高いのに満足度が低い場合は、組織風土や待遇などに問題があるのかもしれない。逆に、期待度が低くて満足度が高い場合は、福利厚生などでむだなコストを払いすぎているのかもしれない。

さまざまな課題が浮かび上がるそう。

ではなぜその「格付け」を外部に公表しようというんですか?結果がよければ、よい人材が集まってくる気もしますが、結果が悪い場合もあるでしょうし・・・

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結果を公表したうえで、継続的に格付けを上げる取り組みをしていけば、採用面でプラスに働くことにはなりそうね。

もう1つ、多くの上場企業の間で格付けの採用・公表の動きが広がれば、投資家が投資する会社を選ぶ際の判断材料になるという狙いもある。

どの会社の株を買うかの判断材料ですか。普通は業績のよしあしで投資先を決めますよね。

もちろん業績は大事だけど、最近は、「ESG投資」というのが注目されている。ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字。

業績だけでなく、環境などにどこまで配慮しているかといった点も重視して投資先を決めようということね。

社員が意欲的に働ける組織づくりも、広い意味でESGの一環。

今回の格付けを開発したコンサル会社は、社員と会社の相思相愛度が高ければ、結果的に利益や生産性の面でプラスになるという大学との共同研究結果も公表している。

格付けの採用や公表の動きがどこまで広がるかはまだ分からないけれど、社員と会社の相思相愛度を上げていくことの重要性は、どの会社にとっても増しているわね。