NEW2018年08月10日

なぜ相次ぐ車の不適切検査

自動車やバイクのメーカーが、燃費や排ガスの検査で不適切な検査を行っていたことが明らかになりました。ものづくりの現場でなぜルールを守らない検査が相次いだのでしょうか。

明らかになった「不適切」な検査とは、どういうものなんですか?

新車を出荷する前に、メーカー自身が100台に1台の割合で調べる「抜き取り検査」で不適切な処理が行われていたの。

この検査はローラーの付いた装置の上で、国が定めた速度や測定時間にしたがって、車やオートバイを走らせて、燃費や排ガスを計るの。この時の数値が事前に国に申請したとおりになっているか調べるというもの。

国が定めた速度や測定時間が守れなかったら、燃費などのデータは本来は無効にしなくちゃいけないんだけれども、「スズキ」と「マツダ」、それに「ヤマハ発動機」の3社は、有効なデータとして扱う「不適切」な検査をしていたの。

このうち、「スズキ」が発表した不適切な検査をしていた自動車は6401台。静岡県内の3つの工場で検査した自動車のうち半数が不適切だったということよ。

どうして問題が発覚したんですか?

国土交通省が調べるよう指示していたの。
きっかけになったのは「日産自動車」と「SUBARU」が、「抜き取り検査」で、データを書き換えて、国の基準を満たしているように見せかけていた不正が発覚したこと。

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深刻な問題だと考えた国土交通省が、国内の自動車メーカーなど23社に対して、社内調査をするよう指示して、3社の不適切な検査がわかったの。

どうして、こんなことが起きてしまったんですか?

3社とも、検査員への教育が不十分だったり、チェック体制ができていなかったりしたことが原因で、不適切な検査が見過ごされてきた。意図的に不正を行おうとしていたわけではないと、記者会見では説明している。

2年前にも燃費データの測定をめぐって不正が発覚している「スズキ」の鈴木俊宏社長は「これだけの台数で誤った処理をしていたのは大きな問題だと厳粛に受け止めている。管理職を配置するなど、国の基準を守るためのチェック体制ができていなかったことや検査員の教育が不十分だった」と話していたわ。

3社は再調査をした結果、製品の質にも影響がなく、リコールをする予定はないということよ。けれど、定められたルールを守っていなかったというのは大きな問題よね。

各社の記者会見での説明を聞いていると、国が決めたルールを守るという意識が低かったと感じたわ。これだけ不正や不適切な検査が続くと、メーカーを信頼していいのか心配に思う人もいると思うの。自動車メーカーは品質管理にどう向き合うのか、その姿勢が改めて問われているわね。